坂本浩一×會川昇
“今では消えてしまった超人たちを発見したい”
2015年10月4日(日)よりテレビアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』が放送スタートする。超能力者、サイボーグ、魔法少女などあらゆる超人が存在するもうひとつの日本を舞台にした本作。超人の発見・管理を目的とした組織「超人課」に所属する人吉爾朗を主人公に、超人たちが巻き起こす様々な事件が描かれる。
本作では日本のアニメ、特撮、マンガなどで描かれてきた超人たちへのオマージュが込められているという。そこでアニメ!アニメ!では、『コンレボ』制作陣と、日本が誇る超人を生み出してきたプロダクションとの連続インタビューを企画した。
第2弾では本作の脚本・原作を手掛ける會川昇氏、ウルトラマンを筆頭に数々の巨大ヒーローを生み出してきた円谷プロの協力により、『ウルトラマンX』(毎週火曜日18時からテレビ東京系列で放送中)の監督を手掛ける坂本浩一監督との対談を届ける。ウルトラシリーズの魅力とは? 現代でヒーローはどう描くべきなのか? 話をうかがった。
[取材・構成=沖本茂義]
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
2015年10月よりTVアニメ放送開始
『ウルトラマンX』
毎週火曜日18時からテレビ東京系列で放送中
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――円谷プロといえば、ウルトラマンを筆頭に数々の巨大ヒーローを生み出してきました。また『ウルトラQ』や『快獣ブースカ』などでは、まさに超人的なキャラクターや事件が登場します。円谷プロが創ってきた特撮の原体験からお聞きかせください。
坂本浩一氏(以下、坂本)
僕は1970年生まれなので、第2期ウルトラシリーズはリアルタイムで観ていました。初代『ウルトラマン』(66)、『ウルトランセブン』(67)の本放送時は生まれていませんが、再放送でよく観ていました。
「ウルトラシリーズ」に限らず、当時のヒーロー番組はほとんど観ていました。だから子どもの頃の写真を見返すと、変身ポーズや必殺技のポーズばかりで(笑)。
會川昇氏(以下、會川)
僕は1965年生まれで5つ上ですけど、体験としてはほぼ同じです。初めて観た「ウルトラシリーズ」は、再放送の『ウルトラセブン』です。当時は特撮ヒーローが百花繚乱でしたから、円谷作品に限らず『シルバー仮面』(71)や『アイアンキング』(72)など、たくさん観ていました。ただ、僕の世代には多いんですけれど、70年代に入ると『マジンガーZ』(72)や『ゲッターロボ』(74)あたりから、徐々にアニメへと興味が移っていきましたね。
――そうしたなかでとくに印象的だった「ウルトラシリーズ」は何でしたか?
坂本
僕は『ウルトラマンレオ』です。子どものころから格闘アクションやスポ根が大好きで、トレーニングして強くなっていくレオを見てカッコいいなと、憧れていました。それと、『レオ』は格闘主体だったので、ほかのウルトラマンよりマネがしやすくて良かったです。
會川
『帰ってきたウルトラマン』(71)のインパクトが凄まじかったです。あと『ウルトラマンA』の初期のころは、児童誌とのタイアップ企画が印象的でした。新しい動きですよね。
ウルトラ兄弟やウルトラサインとか、児童誌に乗ったネタが次週に放送されるので、ワクワクしながら楽しんでました。
坂本
僕も、ウルトラ兄弟が新しいシリーズに次々と客演するのにすごく興奮しました。いま手がけている『ウルトラマンX』(2015)でも、それをやらせてもらっているわけですけど(笑)。
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――坂本さんはアクション主体に楽しまれていたとお話がありましたが、會川さんが作品に惹かれたポイントはどこにあるのでしょうか?
會川
特撮を好きな人は、2パターンに分けられると思うんです。ひとつは「自分がヒーローになりたい人」。これはお面をつくったり、アクションをしたり、8ミリで自主映画を撮るような人ですね。おそらく坂本監督はこちらでしょうね。
坂本 そうですね。
會川
それに対して僕は、作品資料を収集したり、自分で怪獣図鑑をつくったり、同人誌をつくるのが好きなタイプでした。
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――同じ特撮好きでも、対照的ですね。
會川
坂本さんは真似したところまでですか? 自身で演じて、8ミリを撮ったりは?
坂本
1979年に公開された『酔拳』に衝撃を受けて「ジャッキー・チェンみたいになりたい!」と思ったんですよ。そのあとに彼が主演だけでなく監督までやっていることを知って、「自分でも撮ってみたい」と。そこから父のビデオカメラを借りて、実際に自分でも撮りはじめました。そこでまた違った楽しみを発見しましたね。
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