若手アニメーター等育成事業として「あにめたまご」が本年も開催される。一定の規定をスタジオ側に設けたうえで、文化庁から予算を出し、アニメーション制作の手助けをする。その中には毎週行われるアニメーターの講習なども含まれる。現場では体験できない「育成を中心」としたアニメーション制作。「あにめたまご2017」にはアニメ『ちびまる子ちゃん』や「アニメ世界名作劇場」で知られる日本アニメーションが参加している。タイトルは『げんばのじょう-玄蕃之丞-』。長野県の民話をベースに紡ぐ物語だ。信州の塩尻、桔梗ヶ原という土地に、はなという家族思いのやさしい女の子がいた。ある日、村に旅芸人“夏川玄左衛門一座”がやってきた。村を楽しませる一座。しかし、ひょんな事からはなは玄左衛門たちの正体を知ってしまい――。監督は映画『シンドバッド』の完結編を制作途中から現場を引き継いだ堂山卓見氏。今回初めて企画段階から物語を練り上げた。同じく初めてプロデューサーを務める古久保悠プロデューサーと2人で、本作にかける意気込みや、アニメーターの育成についての思いを語っていただいた。【取材・構成/細川洋平】あにめたたまご2017 アニメ!アニメ!特集ページhttp://animeanime.jp/special/441/recent/――まずは「あにめたまご2017」に企画を出したきっかけを教えていただけますか。古久保悠プロデューサー(以下、古久保P)会社から「出せ出せ!」と言われていたこともありますが、アニメーターが成長できる場を設けたいという思いがありました。2016年まで制作していた劇場3部作『シンドバッド』で伸び始めていたスタッフに、『ちびまる子ちゃん』とは違った作画スタイルでもうひと伸びしてもらいたいと。もちろん文化庁から予算を出していただけるという点も大きかったです。作品の根幹としては、企画を募集しているときに、歌手の上條恒彦さんの歌う歌物語「玄蕃之丞」に感化された2人の若手スタッフが絵を描き貯めているということを小耳に挟んで、それじゃあその企画で出してみようと。堂山卓見監督(以下、堂山監督)『玄蕃之丞』の舞台、桔梗ヶ原のある長野県塩尻は上條さんの出身地。上條さんの歌を元に2人はいろいろと絵を描いていました。2人とも塩尻出身じゃないのに(笑)。ドラマのある歌で、それが2人の琴線に触れたんですね。――その若手のスタッフさんはいくつくらいの方なんですか?古久保Pキャラクターデザインと若手原画で参加している武本(心)は20代後半。もう1人は制作には関わっていませんが20代前半の社員です。――お2人とも若いのによくご存じですね。監督は企画の最初から参加されたのでしょうか。堂山監督はい、そうです。オリジナルにするか、原作ものにするかを考えているとき、武本くんたちのイラストを目にしました。2人とも『シンドバッド』にも関わっていましたから、そういう思いがあるならぜひ形にしてあげたいと。古久保P今回の座組みでは全員というわけではありませんが、『シンドバッド』からの流れで来ているスタッフが多いですね。――ゼロからチームを作るより、意思疎通がしやすそうですね。堂山監督今回、作画監督を担当している中田博文さんは『シンドバッド』の時にガッツリ組んで仕事をさせてもらいましたし、アドバンテージがあったと思います。自分は「アニメミライ2012」の『しらんぷり』(白組作品)に演出助手・制作担当として参加していたのですが、大半の方と初めましてでした。その時に比べるとずいぶんやりやすかったです。
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