「あにめたまご2017」レイトショーがスタート 初日トークショーで制作スタッフが熱意を語る | アニメ!アニメ!

「あにめたまご2017」レイトショーがスタート 初日トークショーで制作スタッフが熱意を語る

2010年より開始した文化庁委託事業「若手アニメーター等人材育成事業」、通称「あにめたまご」。 その最新弾である「あにめたまご2017」で制作された4作品のレイトショーが4月22日よりスタート。初日には制作スタッフによるトークショーが行われた。

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2010年より開始した文化庁委託事業「若手アニメーター等人材育成事業」、通称「あにめたまご」。
その最新弾である「あにめたまご2017」で制作された4作品のレイトショーが4月22日よりスタート。初日には制作スタッフによるトークショーが行われた。

今回上映されるのは、スタジオコメットが制作した『ちゃらんぽ島の冒険』、STUDIO4°CによるCG作品『RedAsh -Magicicada-』、日本アニメーションの『げんばのじょう -玄蕃之丞-』、SSSとスタジオ・ライブ、ワオ・コーポレーションの『ずんだホライずん』。
トークショーではまずスタジオコメットのプロデューサー・小竿俊一がマイクを握る。スタジオコメットが「あにめたまご」に参加するのは今回が初めてのことで、小竿は「初めての経験で、刺激的でした」と振り返る。
「若手だけで作るのは大変」と苦労を語りつつも、「それでも食らいついてくれたし、先輩スタッフも辛抱強く指導してくれました」とスタッフ陣に感謝の気持ちを伝えた。
特に監督の三沢伸はミニ講習会を定期的に開き、アニメがデジタルに移行する前の撮影方法を紹介したり、道具の一つ一つを丁寧に教えたりと、さまざまな形で若手と交流を図ったそうだ。

4作品の中で唯一のCGアニメとなった『RedAsh』を制作したSTUDIO4°Cからは、久江由華プロデューサーが登壇。
本作は久江自身も含めて全スタッフが若手という布陣で制作された作品だ。その中でもCGアニメーター育成のため、ベテランの監督、CG監督が毎週のようにフィードバックを送る体制を築いていたという。フィードバックの打ち合わせは、1人につき2、3時間にわたったそう。
またいきなりCGのソフトを使用するのではなく、最初は紙と鉛筆で演技プランを考えるようにするなど、じっくりと育成するプランを立てていたと語った。

日本アニメーションから出席した制作部長・田中伸明は「以前から『あにめたまご』への参加を検討していましたが、なかなか企画が通りませんでした」とこれまでの経緯を明かす。
『げんばのじょう』制作にあたっては、長野県塩尻までロケハンを敢行。若手とベテランが行動を共にし、一心同体となって制作に臨んだ作品であると田中は語る。
さらに本作には食事をしたり、4つ足の動物が出てきたりと日常的なシーンが多いという。若手スタッフには、リアルなものをアニメーションに置き換えるのかを重点的に指導していったそうだ。

最後に『ずんだホライずん』からは、プロデューサーの青木清光が挨拶を行った。青木は「カット数がとてつもなく多かった」と制作時の苦労を語る。その数は通常のテレビよりも多いカット数とのこと。
もちろん本作でも若手アニメーターの育成に力を注いでおり、若手原画3名に対して、指導原画1名という体制で制作を進めていったという。

約15分のトークショーが終わると、続いて4作品の上映が立て続けに行われた。多彩な顔ぶれとなった「あにめたまご2017」の作品群を来場者も存分に楽しんだ様子で、終映の際には自然と拍手が巻き起こるなど、終始盛況のままレイトショー初日は幕を閉じた。

(C) スタジオコメット/文化庁 あにめたまご2017  
(C) Beyond C./文化庁 あにめたまご2017 
(C) 日本アニメーション/文化庁 あにめたまご2017
(C) SSS・STL・WAO/文化庁 あにめたまご2017
《ユマ》
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