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「九十九」森田修平監督インタビュー 「じわじわとくる、おかしみのあるアニメ」

森田監督の作家性がいかんなく凝縮された『SHORT PEACE』「九十九」が、第86回米国アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた。その特殊な制作体制からショートアニメへの思い、そして監督の新たな歩みまでを伺った。

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■ショートアニメからの展望

― ショートアニメというと、日本では日の目を見ることは少ないですが、森田監督はショートアニメにどのような期待や可能性を抱かれているでしょうか。

― 森田 
日本のショートアニメがなかなか盛り上がらないのは事実なんですが、自分がアニメ業界に入ったきっかけには、大友克洋さんの『ロボットカーニバル』や『迷宮物語』のような80・90年代のオリジナルのショートアニメ作品の存在がありました。
また大友さんを筆頭に、当時若手としてショートアニメに関わっていた方々というのが今ではアニメ界の巨匠として活躍されているわけですから、アニメ作家が育ち飛び立つ場所としてもショートアニメが盛り上がってほしいと思っています。
短い分、作家の熱量が凝縮される形式でもあるので、僕個人としてもそこで生まれる作家や作品をもっと観てみたいという思いがあります。

― ご自身で取り組まれる際も、ショートアニメでは長編やシリーズものと比べ意識の違いなどありますでしょうか。

― 森田 
僕はもともと趣味でショートアニメを作っていたので、原点であり当たり前にあるものという感覚が強いですね。デビュー作の『カクレンボ』も20分なので短編ですし、僕の場合はむしろ、もっと長尺の劇場アニメやTVアニメに挑戦していきたいです。

― 最近では『革命機ヴァルブレイヴ』や『ガッチャマンクラウズ』などTVアニメのお仕事にも多数参加されていますよね。今後もそうしたお仕事を増やされるのでしょうか。

― 森田 
そうですね。『FREEDOM』以降、視聴者の方の存在というのはずっと意識してたので、観ていただける方を増やしていきたいという気持ちがずっとありました。その意味でも、TVアニメをやってみたいという思いはあります。

新しい領域に踏み込む怖さもあるのですが、『FREEDOM』のときも新しい場所で作品に臨むことで成長できたので。また僕は「CGの人、短編の人」とみられることが多いですが、僕自身は作画によるアニメも大好きなんですよ。だからこれまでの経歴にとらわれず、自分がやってみたいという気持ちを大切にして新しい挑戦を続けていきたいですね。
まだ詳細は明かせないのですが、実はいまTVシリーズの企画も動かしています。そちらも楽しみにしていてください。  

『SHORT PEACE(ショート・ピース)』
/ http://shortpeace-movie.com/jp/


DVD 4,800円(税抜)
Blu-ray 5,800円(税抜)
Blu-ray・スペシャルエディション 9,800円(税抜)
発売・販売: バンダイビジュアル

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