何もかもが初めての挑戦に、メンバーはどんな気持ちでトライしたのか。コロナ禍でのオンラインコンテンツについての想いも語ってもらった。
[取材・文=野下奈生/撮影=Fujita Ayumi]
■まったく想像がつかなかったAR舞台
――まず、AR舞台と聞いてどんな印象でしたか?
カイ:正直、どんなコンテンツになるのか想像がつきませんでした。ARで、舞台で、僕たちが出演? みたいに、それぞれの要素がどうかみ合うのかが未知でしたね。
リョウガ:舞台というからには、僕たちが劇をするのかなと思ったんです。そうしたら、スケジュール表に「アフレコ」と入っていて。これはどういうこと? という気持ちでした。
タクヤ:オリジナルフィギュアを使ったAR空間での舞台だと知ったときは、すごく面白い世界観だなと思いました。
ユーキ:僕たちは普段踊ることが多くて、声を使うお仕事はあまりありません。だから、まずARというよりも「舞台」という文字に意識がいきました。セリフを覚えたりするのかな、と新鮮な気持ちでしたし、あまりやらない仕事だったので緊張もしました。
タカシ:ARと舞台って、僕の中では両極端で、マッチする印象がなかったんです。実際にアフレコに入るまではどんなコンテンツになるのか想像がつきませんでした。でも、その分楽しみでもありました。
――アフレコを経験した感想は?
ユーキ:今回映像なしで、まず僕たちの声を先に録っていただいたんです。動きに合わせなければという緊張感がなかったので、落ち着いてアフレコに臨めました。伊藤有壱監督の優しいお導きで、すごくリラックスしてできました。みんなはどうだった?
タカシ:正直、初めてのことばかりだったから、どうやってアフレコに臨むか、気持ちが定まり切っていない部分もあったかな。
でも、監督もそれを踏まえて自然なアフレコができるようにしてくださって。良い意味で力の抜けた、演技をし過ぎていないアフレコができたんじゃないかなと思います。少し自信にもなりました。
カイ:ユーキが言ったように、監督はアフレコに合わせて映像を作るので、セリフを言いやすいように変えていいよと言ってくださったんです。その言葉ですごくのびのびと演じられました。
タクヤ:僕は、過去にアフレコの経験がありました。そのとき、またナレーションや声のお仕事ができたらと思っていたので、まずそれを実現できたことが嬉しかったです。
リョウガ:伊藤監督は、『ニャッキ!』というクレイアニメを製作されていたんです。僕も小さい頃にテレビで見ていたので、その監督の作品に出られることが感慨深く、ものすごく興奮した状態でアフレコしました。
■オリジナルフィギュアはメンバーにそっくり!?
――皆さんそれぞれ、舞台の中では車掌や神官、青年、駅員を演じますが、どんな役作りをしましたか?
ユーキ:僕が担当する駅員のユーリは、迷い込んだ女の子を導くような役です。なので、堂々と演じることを意識しました。
リョウガ:僕はどちらかというと普段はふざける派だし、ふざけたい派なんですが、『迷子は不思議列車で旅をする』は子供から大人まで見ていただける作品だなと思ったので、ふざけるのは封印して、聞き取りやすさを意識した役作りをしました。
神官は、自分の中ではゲームの回復キャラのイメージだったので、包容力をイメージして演じました。
カイ:僕は、役作りはあまりしませんでした。車掌のカイルはすごく優しい人ですし、僕も優しい人なので。
リョウガ:ん?
ユーキ:自分で優しいって言う?
カイ:え、優しくない?(笑)。 ともあれ、カイルは女の子に助言をするキャラクターなので、あくまで女の子を引き立てるようにということを考えたくらいでした。
タクヤ:青年タクは、頼りなさそうな感じがあるので、僕はみんなとは逆にいろいろ考えながら演じました。それから、キャラクター以外にみんなで語り部もさせていただいたので、語り部とタクとの差がつくように意識しました。
タカシ:語り部のところは、僕自身が言っているように感じてもらえたらいいなと思っていました。車掌のターナーは、大人っぽい感じで、直接助言をするというよりは、見守ってくれるタイプの人だと感じたので、タクヤと同じように語り部は意図的に変えていきました。
――AR中では、オリジナルフィギュアという形でキャラクターが登場しますね。
左から車掌・カイル(カイ)、神官・リカルド(リョウガ)、青年・タク(タクヤ)、駅員・ユーリ(ユーキ)、車掌・ターナー(タカシ)
ユーキ:顔の肌色以外、ほとんどイメージカラーで埋め尽くされているんですよね。眉毛も髪の毛も全部ってなかなかないので新鮮でした。
リョウガ:チェスの駒みたいだよね。おしゃれさもあって。
タカシ:僕は個人的にすごく似てるなって思いました。
ユーキ:しっかり特徴を捉えてくださってるよね。
カイ:リョウガが一番似てると思う。
リョウガ:そう? 目が「><」ってなってるのに?
ユーキ:アフレコのときにこういう顔してたんじゃないの?
リョウガ:え、そういうこと?(笑)。
■「Asayake」は、聴く人の心に寄り添い、背中を押すような曲
――ニューシングル「Asayake」は、AR舞台のテーマ曲ですね。
タカシ:J-POP感の強い曲だったので、レコーディングでは超特急っぽさはあまり出さないようにしました。純粋に、すごく良い曲だと思います。
タクヤ:8月8日の“8号車の日”(※8号車は超特急ファンの愛称)以来のリリースなんですが、温かみがあって、舞台の世界観ともマッチした曲です。聴く人の心に寄り添って、いろいろなことを肯定してくれる、元気になれる曲になりました。
ユーキ:振り付けもすごくおしゃれなんですよ。「8」をいろいろな踊りで表現したり、みんなで星を作ったり……。かわいらしさもかっこよさもあって、すごくギャップがあるので、そこも見てもらいたいです。
カイ:言おうとしてたこと、みんなに言われちゃったな~(笑)。タイトルの「Asayake」は、物理的な意味での「朝焼け」でもありますが、それ以上に心のもやが晴れるとか、前を向けるみたいな意味もあると思うんです。
誰かの背中を押すような曲になっているので、ぜひそんな気持ちで聴いてもらいたいです。
リョウガ:いわゆる超特急らしい曲とは少し違う曲調ですが、今の時期だからこその曲だと思います。聴いてくれたらきっと力を感じてもらえますので、たくさん聴いて、曲も育ててもらえたら嬉しいです。
――コロナ禍でリアルでの活動が難しい中、皆さんは生配信や「超特急とお家デート」など、リモートの活動も積極的に行ってきました。8号車の皆さんはもちろん、多くの方と触れ合える可能性も秘めているリモートでの活動についての想いを教えてください。
カイ:もちろん、直接会えるのが一番だなと思います。でも、こうしてリモートでの活動がみんなに受け入れられて、楽しんでもらえるのは、今だからこそ、という気持ちもあります。なので、今の技術に感謝する気持ちがすごく大きいです。
タカシ:リモートであっても、僕としては直接会っているのと変わらない気持ちです。それに、いつもより近距離で話している気持ちにもなれるので、すごく楽しいですね。
AR舞台はオリジナルフィギュアという形でしたが、今後、実写でも何かできるんじゃないかと、いろいろな可能性が感じられました。
ユーキ:今の時代はARやVRが臨場感あふれるものになっているので、リモートもすごく面白いなと感じています。たくさんの人に愛されるアニメ作品のように、僕たちのARなどの活動も見てもらえたら嬉しいです。
リョウガ:ARやVRとライブを組み合わせたら、リアルとはまた違った面白いものができるんじゃないかって、メンバーとも話していたんですよ。リアルイベントやライブができないから残念で終わるのではなく、できないからこそ新しいことに挑戦していきたい。
8号車のみんなが寂しさや悲しさを感じるヒマがないくらいの活動をやっていきたいですし、リモートのコンテンツでもみんなで盛り上げていけたらと思っています。
タクヤ:外出自粛期間などもあった今年、家で一人でも楽しめるAR舞台という作品に携わることができたこと、発信できたことがすごく嬉しいです。
今回のAR舞台は、外に出かけたくなくなるくらい面白いし、ハマってしまう作品なので、すごく良いタイミングだったと思います。ハマりすぎてお家に籠っちゃう人を増やさなくて良かったと思うくらい(笑)。
そのくらいたくさんの方に楽しんでいただける作品になりましたので、8号車の方はもちろん、ほかの皆さんも外出できない時間のお供に楽しんでいただけたらと思います。
AR舞台『迷子は不思議列車で旅をする』
・配信/ダウンロード期間
チケット購入時に付与されるシリアルコードを使用して、以下の期間中にAR舞台をお楽しみください。
2020年12月11日(金)11:00~2021年1月31日(日)23:59
※AR舞台への入場はシリアルコードを入力してから7日間(168時間)となります。時間中は何度でも再入場可能です。
※期限を過ぎるとAR舞台は自動的にアプリから削除されます。
※チケット情報は、公式サイトをご確認ください。
声の出演:超特急
駅員 ユーリ(ユーキ)
車掌 カイル(カイ)
神官 リカルド(リョウガ)
車掌 ターナー(タカシ)
青年 タク(タクヤ)
テーマ曲:「Asayake」超特急
※12月16日(水)発売
監督:伊藤有壱
『迷子は不思議列車で旅をする』公式サイト
マルイのアニメ公式YouTube
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