2022年4月4日(月)より、「めざましテレビ」内にて放送されるTVアニメ『ちいかわ』。かわいいだけじゃない、ちょっと不思議な世界観から人気を博し、TVアニメにも大きな期待を寄せられています。今回は、そんな本作にて主要キャラクターであるちいかわを演じる青木遥さん(なんと10歳!)と、うさぎを演じる小澤亜李さんにインタビュー!
青木さん演じるちいかわも、小澤さん演じるうさぎも、セリフ……というよりや掛け声や奇声がほとんど。そんな独特な世界の中で、二人はキャラクターをどのように演じたのでしょうか。まるで年の離れた姉妹のように仲睦まじい二人のインタビューを、ぜひお楽しみください。
[取材・文:Takuya Suenaga 写真:小原聡太]
――ちいかわたちの声を、どのように演じてほしいか、オーダーなどはありましたか?
青木:うーん……かわいく演じるようにとか?
小澤:あんまり言われないよね?
私もあまり言われていなくて、自由にやらせてもらっています。
――作品としての『ちいかわ』のことはご存知でしたか?
小澤:『ちいかわ』知ってた?
青木:見たことはなかったです。
小澤:私も、ナガノさんのイラスト自体は知っていたのですが、『ちいかわ』はオーディションのときに読ませていただいた原稿で改めて知りまして、「あっ、かわいい!」と心に来たんです。「いいな、これできたらうれしいな」と思いながらオーディションを受けてましたね。そこから『ちいかわ』がすごく流行っていることを意識するようにもなりました。
意識し始めたら、オーディションが進むにつれて緊張するようになってしまって。受かったときも、嬉しさ反面緊張が強かったです。
――ちなみに、原作はもう読まれましたか?
青木&小澤:はい。
――ちいかわもうさぎも、セリフが特殊ですよね。掛け声というか奇声というか……。実際演じてみていかがでしたか?
小澤:「フ!」とか「もしゃもしゃ」とか難しいよね?
青木:難しいけど、やっぱり挑戦してみて成功したらすごい嬉しい!
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――音響さんとかと結構お話しながら収録されていたんですか?
青木:はい。
小澤:音響のスタッフさんとかがきてくれるんだよね?私は一人で録っていたのですが(笑)。
日本語は喋らないですし、『ちいかわ』の世界にある独特な単語や咀嚼音など、「難しいな」と思うことはあります。でも、うさぎの発する声は、勢いのあるキャラクター性にすごくマッチしていて、あまり疑問を持つことはなく気持ちよく収録できましたね。
――巻き舌での奇声とか、すごいですよね。
小澤:巻き舌のセリフや「ヤハ!」のイントネーションも、オーディションで何パターンか出させていただいたんですが、何が正解かそのときはわからないんですよね(笑)。でも、一番自分にフィットしたものを出させていただいて、それで「イントネーションが違う」とも言われていないので、嬉しくなりますね。
ただ、「めざましテレビ」での『ちいかわ占い』放送の後に、関西の方が「ヤハ!」のイントネーションは別だと思っていたというのを見て、みんなの中のイメージはそれぞれなのかもしれないと、改めて気づくこともありました。私は東京出身なので、もしかしたら地域性などもあるかもしれませんが。
――もし、『ちいかわ』のキャラクターになれるとしたら、誰になりたいですか?
青木:私はハチワレかな~。
小澤:私も!なんか安定して生きてるよね(笑)。洞窟も頑丈だし……。ちいかわちゃんのお家も羨ましいけどね。
青木:ハチワレはしゃべれるし、私はネコが好きなので、ハチワレになれたらしっぽブンブンしたい!
小澤:まさかのハチワレ人気(笑)。うさぎとかはちょっと未知な部分が多いので、ちいかわちゃんかハチワレちゃんかで考えると、ハチワレちゃんのほうが人生の経験値が多そうだなと。
――キャラクターたちの設定も独特ですよね。ちいかわとうさぎ、それぞれ演じてみて、自分たちと似ているなと思うところはありますか?
青木:やっぱり、喧嘩とかしてよく泣くところ……。あとは、背低いところとか?
小澤:まだまだ大丈夫だよ!
――そうですね、まだまだ大丈夫だと思います。小澤さんはいかがでしょう。
小澤:動物感?情緒というより喜怒哀楽がはっきりしていて、ケモノっぽさが強いところですかね。私も喜怒哀楽がすごくわかりやすいので。あとは「イャッハー」とか、テンションの高いセリフはすごく自分的にもやりやすくて。テンションのベクトルが似てるのかなと思います。
逆に飄々としていて何考えてるのかわからないところは似てないかもしれません。
――TVアニメに先駆けて「ちいかわ占い」が放送されていますが、学校とかでお話されることはありましたか?
青木:名前は忘れてたみたいだけど、「あのキャラやってるんでしょ?」って言われたことはあります。「めざましテレビ」見てる人はちょっと少なかったかもしれない……。
小澤:まぁ、5時58分はちょっと早いよね(笑)。4月からは見ると思います!
――確かに早いですね(笑)。小澤さんはなにか周囲から反響を聞くことはありましたか?
小澤:ファンの方はもちろん、知り合いにも『ちいかわ』を知っている方がたくさんいまして。キャスト発表のときなどは、普段あまり連絡しない方からも連絡が来たりすることがありました。まだ始まってないのに期待値が上がってしまった、とより緊張しました。気が引き締まりましたね。
――原作の漫画が学校で話題になったりとかは?
青木:あまりないかもです。
小澤:小学校だとまだスマホとか持ってないですしね。
青木:私は家に共有のiPadがあるので、それでナガノ先生のイラストとかは見てました。
小澤:なるほど。小学校とかだとビジュアル面で人気が出そうですよね。グッズとか可愛いものも一杯出ているので。
――グッズ等はなにか持ってたりしますか?
青木:クリスマスの時にいっぱいもらいました!あとは、誕生日にお姉ちゃんからもらったりとか。
小澤:私は自分で買いました(笑)。
――(笑)。ちいかわ役が青木さん、ハチワレ役が田中さんときて、一番ファンキーなうさぎが本職声優の小澤さんという布陣になっていますが、声優として二人を引っ張っていく!というような意識はあったりするんですか?
小澤:むしろ、二人のピュアなたどたどしさみたいなところがキャラにピッタリじゃないですか。なので、逆に「変な人おじゃまします……」みたいな気持ちです(笑)。二人を立たせられるといいなと思っているので、うさぎの奇声で二人の声をかき消すときに、申し訳ないなと思っちゃいますね(笑)。
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――青木さんは、TVアニメの声優は初めて、ということになるんでしょうか。
青木:外国のアニメの吹き替えで声優をやった事はあるんですけど、TVアニメは初めてです。
――TVアニメの声優をやってみて、なにか感じたことはありますか?
青木:TVアニメはすごくたくさんの人が見るのかなと思うので、その分「がんばらないと!」と思うことはあります。でも収録はすごく楽しいです。
小澤:TVアニメはテンポが早いよね。すぐ(台本を)めくらなきゃって。
青木:うん。でも、最近は台本が見開きで終わるようにとか、工夫してくださっていたりします。
小澤:おぉ~。色々とやりやすいようにね。
大人でもそうなんですけど、台本見るよりも画面を見て覚える感じで、すごくテンポが早いんです。それについていくのは大変じゃないかなと一度思いましたね。
――小澤さんから先輩声優としてなにか青木さんにアドバイスなどはありますか?
小澤:何回かアフレコを見ることがありましたが、まわりのサポートも良く、もう何も言うことないなと(笑)。
青木:でも、収録の前にしゃっくりがでちゃったことがあって……。
小澤:しゃっくり?私しゃっくり止めるの上手だよ。しゃっくりって、止めようとするから止まらないんだよね。だから、しゃっくりが出そうになったら自分から「ひゃっ!」ってやっちゃうと、3回で止まる!我慢せず声に出しちゃう!
――逆に青木さんから小澤さんへ聞きたいことはありますか?
青木:声を低くするときはどうすればいいですか?学校の音楽の授業でも、アルトの音程がどうしても地声になっちゃって曲の中の低い音程があんまりできなくて。
小澤:自分が低く出したときの声を録音しておいて、後で聞いてみる。低い音って腹筋がいるから難しくて、最初は「(低く)ならないんだ」ってなるかもしれないけど、それを続けていくと、イメージと出る声が一致してくるの。
青木:へ~!
小澤:セリフと音楽だと低い音の出し方はまた変わってくるから、それぞれで練習したほうがいいかも。いっぱい練習して、聞いてみるといいと思います!
青木:ありがとうございます!
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――この作品がお二人の代表作になるかもしれませんが、『ちいかわ』をお二人はどのように育てていきたいですか?
小澤:難しいよね(笑)。
青木:(笑)。
小澤:でも、ちいかわちゃんとずっと一緒にいられたら嬉しいよね?
青木:嬉しい!
小澤:そうだよね。思い出になるような作品になってくれたら嬉しいよね。ちいかわちゃんはものすごい冒険する感じではないですけど、ずっとその世界は続いていくので。あ、映画館では見てみたい?
青木:見てみたい!
小澤:映画化希望します!ナガノさんがもし、ちいかわちゃんの冒険を描いてくれるなら、それはとっても見てみたいですね。
――不思議な作品だと思いますが、『ちいかわ』の魅力はどこにあると思いますか?
青木:臆病だけど、時に勇敢ってところに注目してほしいです!
小澤:うんうん。確かに。
――さすまた持って……。
小澤:さすまたなんて、なかなか使えませんからね。あと、失敗しても何度もチャレンジするもんね。
青木:草むしり検定!
小澤:草むしり検定ね。結構落ちたよね。
とにかく、「かわいい!」がすごく全面に出ている印象ではあるんですけど、世界観がちょっと不気味で未知の部分が多かったりするようなところもあります。その絶妙なバランスがクセになるんじゃないかなと私は思っています。アニメでもそこはしっかり描かれるので、楽しみにしていてください!かわいいだけではなくたまに「もやっ」とする朝になるかもしれませんね。
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――もやっとする朝、楽しみです。ちなみに、「草むしり検定」受けてみたいですか?
小澤:受けてみたい!草むしりやったことある?
青木:あんまりないです。
小澤:そっか。結構大変ですよね?
――大変ですね。
小澤:なにがどうしたら(級が)上がるんだろう……。タイムアタックなのかな……。自分が何級なのか体験できる所が欲しくなりますね。
青木:あったとしても、9級くらいかも……。
小澤:そんなに……(笑)?5級くらいは取れるんじゃないかな?
青木:(草むしり)やったことあるのはママくらいで……。
小澤:そっか。確かに、東京だとむしるほど草ないしね。
青木:ママならうさぎと同じ(3級)くらいあるんじゃないかな?袋に一杯になるくらい草詰めてたので。
小澤:おぉ~!すごい!
――ぜひ受けてみてほしいですね。
小澤:ちいかわちゃんたちの他の検定も気になりますよね。なにか持ってたりするんでしょうか。
――確かに気になりますね。色々とお話ありがとうございました。それでは最後に、視聴者へのメッセージをお願いいたします。
青木:ちいかわはよく泣くし臆病だけどかわいいし、時に勇敢でかっこいいところもあるので、そこを見てほしいです!
小澤:不思議な『ちいかわ』の世界観、そして「声がついたらどうなるんだろう」という生き物たちまでアニメで描かれるので、知ってる方も知らない方も、ぜひアニメ『ちいかわ』を楽しんでもらえればと思います!