10月19日より読売テレビ系・日本テレビ系全国ネットにて放送が始まるTVアニメ『青のミブロ』。13歳の少年・におと、のちの新選組である壬生浪士組を中心に、幕末京都の動乱を描いている。
新選組を題材にしつつも、現代の人々にも身近な「青春」という普遍的な要素も感じ取れる本作。主人公の「ちりぬ にお」を演じる梅田修一朗さんと、斎藤はじめ役の小林千晃さんも、「部活のようなアフレコ現場」だと感じたそうだ。
『青のミブロ』に命を吹き込む隊士たちの舞台裏を、梅田さんと小林さんにうかがった。
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[取材・文=ハシビロコ 撮影=Ayumi Fujita]
■『青のミブロ』に感じたワクワクと運命
――本作への出演と役が決まったときの心境はいかがでしたか?
梅田「半端なく熱い作品だな」と感じました。ですからテープオーディションの時点で、身体から気力を振り絞って声を吹き込んだことを覚えています。
「出演が決まったよ」と連絡をいただいたときは、まさに、におと同じ心境というか。におを任せていただけた嬉しさとともに、いい緊張感を抱きました。自分が歴史ものの作品にしっかり関わるのは初めてですし、これから新選組の方々との運命に巻き込まれていくような気持ちにもなって。すごい作品に関わらせていただけるんだな、と身が引き締まりました。
ほかのキャストはまだ知らなかったのですが、新選組にはそうそうたる個性の隊士たちが登場するので、どんな方々が集まるのだろう、といったワクワク感も強かったです。とくに、におと同じく「3匹の狼」と呼ばれることになる隊士をどなたが演じるのか、とても楽しみでした。
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小林学生時代から僕が好きなマンガを描いていた安田(剛士)先生の新しい作品ということで、オーディションでもかなり気合いが入りました。はじめ役しか受けていなかったこともあり、役が決まったときは運命めいたものを感じて。この役を全うできるように頑張ろう、と心から思えました。
アフレコもとても楽しみで。原作も読ませていただいたのでストーリーは知っていましたが、アニメでキャストが命を吹き込むと、僕のイメージとはまた違う表情を見せてくれるだろうな、と期待感がありました。
――ご自身の演じる役の第一印象や、演技で心がけていることをお聞かせください。
小林はじめは生意気な子ですが、根っこは芯が通っていて、人のいいところはきちんと認める柔軟な心も持っています。ですから、あまり「こう演じよう」と固めずに、さまざまな表情を見せてあげられるようにアフレコに臨んだ記憶があります。台本を読んだときのイメージをそのまま声にしよう、と。
はじめってこういう一面があるから、こういう強がりがあるから、と考えながら演じるというよりも、そのときに感じたインスピレーションを大事にしました。はじめ自身も意外と砕けた表情や、子どもらしい表情をしてくれるので、僕自身の心も緩やかにして、柔軟性を持って演じています。
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梅田におは白髪で、きれいな顔をしていますよね。でもそれだけではない。原作の第1巻を読むだけで、におがどういう男の子なのか伝わってくるものがありました。
におは13歳の少年ですが、現代を生きている13歳とはもちろん常識も違いますし、置かれた環境も違う。まずはにおという男の子がどういう世界で生きてきたのかを考えて、何を嬉しく感じ、何を苦しく感じていたのかなどに思いを巡らせました。
家族をすごく大切にしていて、命が今よりも簡単に切り捨てられてしまう時代や、守られるべき人たちが大事にされていないことへの怒りを抱いている。それだけでなく、そんな現状をどうすることもできない自分への怒りも抱えています。表向きはとても人当たりがよくて頭の回る男の子なのですが、実際は心の中に13歳という年齢以上の葛藤や、時代背景に起因する諦めや大人びた部分がある。そうした内面を心がけて演じました。