「バトルは?」「ダークな展開は?」…ニチアサっぽい!と話題の『魔法の姉妹ルルットリリィ』“ぴえろ魔法少女シリーズ”の遺伝子を持ったチャレンジ作品【プロデューサーインタビュー】 | アニメ!アニメ!

「バトルは?」「ダークな展開は?」…ニチアサっぽい!と話題の『魔法の姉妹ルルットリリィ』“ぴえろ魔法少女シリーズ”の遺伝子を持ったチャレンジ作品【プロデューサーインタビュー】

「女の子の願いを叶える」という昭和の王道・魔法少女アニメが令和に復活! クリィミーマミ役の太田貴子さんもゲスト出演した本作は「深夜なのにニチアサっぽい!」と早くも話題です。

インタビュー
注目記事
『魔法の姉妹ルルットリリィ』
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』
  • ぴえろ魔法少女シリーズ
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』Episode04「会いにきたルル」場面写真
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』Episode04「会いにきたルル」場面写真
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』Episode04「会いにきたルル」場面写真
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』Episode04「会いにきたルル」場面写真
  • 『魔法の姉妹ルルットリリィ』Episode04「会いにきたルル」場面写真

2026年4月5日に第1話が放送されるや否や、その内容に「深夜放送なのにニチアサっぽい!」と多くの反響があった『魔法の姉妹ルルットリリィ』

1983年に放送された「ぴえろ魔法少女シリーズ」の第1弾『魔法の天使クリィミーマミ』から約40年ぶりのシリーズ最新作としてスタートした『魔法の姉妹ルルットリリィ』は、なぜ今の時代にシリーズ第6弾として制作されたのか?

TVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』メインPV第2弾

また「魔法少女もの」の現在の主流と言えばバトル路線やダーク路線ですが、なぜそちらではなく戦闘のない王道路線に回帰したのか?

これまで数々の「ぴえろ魔法少女シリーズ」を世に送り出し、今作ではバンダイナムコフィルムワークスとのタッグで『魔法の姉妹ルルットリリィ』を制作した「スタジオぴえろ」より、本作の企画プロデューサー福井洋平氏に作品誕生までの経緯とシリーズの今後の展望をうかがいました。

「ネタバレすぎて書けない!(本当に書けなかった)」という衝撃的な構想も飛び出し、今後の展開が楽しみな本作。リリース予定の歴代「ぴえろ魔法少女シリーズ」グッズとあわせ、シリーズ全体の盛り上がりに期待感が高まります。

◆初の「姉妹もの」が登場! どんな魔法少女を描くのか?

TVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』ノンクレジットOP

――放送がスタートしましたが、今の心境はいかがですか?

福井洋平(以下、福井) 振り返ると大変なことばかりでしたね。企画を発表した時も、ファンの皆さんからいい反応をいただけて嬉しい反面、大きなプレッシャーもありました。監督も制作プロデューサーも嬉しそうに「ドキドキしてる」とおっしゃっていたのをよく覚えています。もちろんこの先も自信のある作りになっていますが、オリジナルでもありますし、どのような反応が返ってくるか気を引き締めて受け止めたいと思っています。

――ここに至るまでに相当ご苦労されたとか。

福井 約8年です。企画がスタートして約8年ですよ。2022年に亡くなった弊社創業者である布川ゆうじも、「ぴえろ魔法少女シリーズ」の生みの親のひとりとして「ふーん、そこそこやるじゃん」くらいは言ってくれるのではないでしょうか(笑)。バンダイナムコフィルムワークス(以下、フィルムワークス)の担当さんも、布川の墓前で手を合わせるためにわざわざおいでくださいました。嬉しかったですね。布川もきっと天から見守ってくれていると思います。

それに『ルルットリリィ』がきっかけで過去のシリーズに興味を持ってもらえれば、スタジオの人間としては「やりましたよ!」と胸を張って布川に報告できます。過去の「ぴえろ魔法少女シリーズ」もこれから新たにグッズが出ますし、今回の盛り上がりが次のシリーズの誕生につながると嬉しいですね。

ぴえろ魔法少女シリーズ

――そもそもなぜ新シリーズの企画が立ち上がったのですか?

福井 最初は『魔法の天使クリィミーマミ』(以下『マミ』)の40周年のタイミングで何かやりましょうと、フィルムワークスさんにお声がけいただいたのがきっかけでした。フィルムワークスさんとは「バンダイビジュアル」名義だった時代に「ぴえろ魔法少女シリーズ」の5作目『魔法のステージファンシーララ』でお世話になってからのお付き合いです。お声がけいただいた初期の段階はまだ具体的にどうするか決まっておらず、『マミ』を中心に既存シリーズをどう盛り上げていくかという宣伝プランやアイデアをたくさんいただきました。シリーズ第6弾に至ったのは、そうした会議の中でさまざまな可能性を探った結果でした。

――リメイク作品が増えてきた昨今に、オリジナル作品を手掛けたのはなぜですか?

福井 実は『マミ』のリブート企画もかなり以前から案としては出ていました。しかしどう作ってもお互い比較されるのは確実です。それはどちらに対しても失礼で、個人的にとても抵抗がありました。また、新しいものを作っていきたいというチャレンジの想いもありましたから、「ぴえろ魔法少女シリ―ズ」の遺伝子を受け継ぐという先人へのリスペクトを込めつつ完全新作でのシリーズ第6弾になりました。

――第1話を拝見すると、「ぴえろ魔法少女シリーズ」の中でも『マミ』を意識した作りになっていて「そうきたか!」と感じました。

福井 『マミ』を意識した作りは第1話だけですね。やりすぎると「やはりマミだけでいい」と思わせてしまい誰も得しません。ただ遺伝子の部分は分かりやすく伝えたかったこともあり、あのような展開や映像に落ち着きました。

アニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』第1話「星をつかんだ日」場面カット

――「新しいものを作る」とは具体的にどういったことを目指したのですか?

福井 「姉妹が主人公」というコンセプトの部分です。

――そういえば過去の「ぴえろ魔法少女シリーズ」にはない要素ですよね。これまですべてソロで物語が回っていました。

福井 そうなんですよ。ただダブル主人公は難しく、どちらかを立てればどちらかが沈んでしまうので、偏らないよううまく関係性を築きながら物語を構築しなければなりません。それに姉妹だけに注目すると、今度は周囲のキャラクターが沈んでしまいます。そこで全体のバランスに注意しながら姉妹の物語として成立するよう心がけました。

この企画が走り始めた7年前は、ちょうど『アナと雪の女王2』が公開された年でした。あの作品は当時のディズニー作品では異質の、「王子さまが助けに来る物語」ではありません。姉妹が物語を展開させていくという、新しい試みがヒットにつながった作品でした。当時、あの作品があったからこそ「姉妹」のコンセプトに自信が持てましたし、ある意味、背中を押してもらった作品でもあります。

――なるほど。

福井 「ぴえろ魔法少女シリーズ」といえば女の子の憧れを描く物語でもあります。バンダイナムコグループさんは『ラブライブ!』や『アイカツ!』で近代アイドルの知見も豊富ですから、その知見をお借りして「女の子がいま憧れるアイドル像」を描きつつ、デュエットで歌の厚みを出すことになりました。もちろんビジネス的な計算もあったわけですが、そうやって「今のアイドル像」を形にする中で、姉妹という要素が活きるよう物語を構築したんです。そのうえで大人でも見られる、しっかりとした物語作りを意識しました。

――事務所の現役アイドルがプロデューサーを兼任するという部分にも「今」を感じました。インディー系のアイドルだと自己プロデュースのグループが当たり前のようにいますし、VTuberも、たとえ企業所属であっても自己プロデュースが基本です。

福井 その部分は少し事情がありまして、既存シリーズでは昭和のアイドルらしく大人がスカウトしていたんです。しかしその図式だと、今は「大人にやらされている」という見え方もできてしまう。そこで自主的に、なおかつ楽しく活動しているという部分を表現したいこともあり、同じ目線の現役アイドルにプロデューサー役を務めてもらうことになりました。

あとはVTuberも勉強させていただきましたよ。監督がお好きで、どういったところが人気なのか2時間しっかりと語っていただきました。「別のVTuberとの関係性がチラッと覗くのがいいんですよね!」と(笑)。そういった要素が『ルルットリリィ』にも活かされています。

◆新たな試みの中に、『マミ』ファン必見のゲストも

アニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』第2話「はじめましてリリィです︕」場面カット

――また、近年の魔法少女ものはバトル系かダーク系が主流になってきました。あえて王道に回帰することに不安はありませんでしたか?

福井 とくにその意識はありませんでしたね。バトル系もダーク系も、すべて視聴者に楽しんでもらうために先人が知恵を振り絞って作り上げたものです。そこにあえて挑むような意識はありません。それに弊社でもバトルものを作っていますから、「戦いやダークな雰囲気だけでは疲れてしまうよね」という個人的な思いもあり、幅揃い年齢層に愛してもらうためにも、戦わないし、嫌な大人も出てこない、そんな作品にしたいと思いました。
そもそも「ぴえろ魔法少女シリーズ」は“誰も傷つけない”がひとつの“らしさ”なんですよ。

――今回、魔法の使い方でも新たな試みが見られました。これまでは「大人に変身できる」という要素がメインだったと記憶していますが、『ルルットリリィ』ではライブステージを作ってしまうなど、「変身」が幅広い用途の中のひとつの要素になっている印象です。

福井 魔法の扱いは本当に悩みました。魔法とはそもそも万能なものですが、万能すぎると何でもありになって物語として成立しません。そこで根本からそのあり方を考えなおし、悩み、葛藤した先で叶うような形にしました。ですから強い想いがないと完全な形では叶わないんですよ。例えばゲームセンターで「ぬいぐるみが欲しい」と思っても、想いが強くないと自動販売機から出てくるような、おかしな現象が起こります。反対に、想いが強いと誰もが釘付けになる凄いライブステージを作ることができる。魔法を使う人間の心が魔法を成功させる“鍵”になっているんです。

――「想い」という、あやふやなものが枷になっているのがいいですよね。システム化した方が絶対的に楽ではあるのだけど、あえてそうしないところにドラマ性を重視する姿勢が感じられました。

福井 監督もその部分は懸念していて、「貯めたポイントに応じて魔法が使える」みたいなシステムにはしたくないとおっしゃっていました。そういった確実性のあるものではなく、感情に紐づいた形にしたいと。ただそれを物語の流れの中で説明するのはとても難しいのですが、シナリオの柿原優子さんがうまいこと描写の中に織り込んでくれたおかげでわかりやすくなっているかと思います。

魔法が使えることを誰にも言えない状況で、どうしたら昔の仲のよかった姉妹に戻れるのか。その過程を含めてご期待いただきたいです。

アニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』第4話「会いにきたルル」場面カット

――魔法と言えばステッキも見逃せません。

福井 ステッキも既存のシリーズを意識したデザインになっています。進化ではなく原点回帰ですね。和菓子屋の娘ですし、お菓子のようなイメージも踏まえながら、監督が要素をそぎ落として極力シンプルな見た目に磨き上げました。そこは歴代のステッキと並べても違和感のないデザインになったかと思います。

――キャストについてもお聞きします。今回、主役の野々山 風(ののやま ふう)を演じられている橘 めいさんは17歳だとか。決め手は何だったのですか?

福井 応募総数が想定以上に多く、とても悩みましたが、最終候補に残った何人かの中から選ばれたのが橘さんでした。最終的にはキャラクターのイメージに沿っているか、姉妹でのバランスはどうなのか、歌声のバランスも考えてお願いすることになりました。親御さんが「ぴえろ魔法少女シリーズ」の直撃世代だったことで、ご本人よりも大喜びしていたそうですよ(笑)。その様子を見て、橘さんは「私はすごいシリーズに関わるんだ!」と気を引き締めたそうです。

――キャストといえば、なんと『マミ』の出演者も。太田貴子さんが第1話にご出演され、水島 裕さんも司会者として登場しました。

福井 実はそこに触れるべきかどうか、企画の初期段階からずっと議論していたんです。ただやはり第1話ですし、すでに歌姫という存在がシナリオ上で存在していましたから、ぜひご出演いただけないかと……! 水島さんが演じるキャラクター・バーナードけんとについてもお楽しみいただければと思います!

――それでは最後に読者へメッセージをお願いします。

福井 今回の『ルルットリリィ』は、フィルムワークスさんをはじめさまざまな方のお力添えのもと、ようやく形になりました。まずはその部分に感謝を申し上げます。

弊社は2025年8月に「株式会社ぴえろ」から、設立時の「株式会社スタジオぴえろ」に社名を戻しました。それは「ぴえろ」だけでは何の会社かよく分からないという事情があり、また「ぴえろ」はアニメーション制作スタジオなんだよという部分をもう一回自覚していこうという新社長の意向があり今回の社名変更へと至りました。その意気込みのひとつとして、フィルムワークスさんと力を合わせ、スタッフ一同、『ルルットリリィ』を制作しました。その、いろいろな方に支えていただいている構図がまさに『ルルットリリィ』とシンクロする部分です。その意味で我々にとってとても特別な作品になりました。

個人的には、毎週の放送を心待ちにしてほしいな、テレビの前で待っててほしいなと、昭和に戻ったような楽しみ方もこの作品でできればいいかなとすごく思っています。伏線もたくさん張っていますし、工夫もしています。それにファンの皆さんが喜ぶような演出をふんだんに盛り込んでいます。いつか劇場版もやりたいですし、キャラクターに会いに行けるようなライブもできたらいいですね。ですからぜひ、毎週の放送を楽しみにしていただければと思います。何卒、よろしくお願い申し上げます!

◆◆◆『魔法の姉妹ルルットリリィ』放送情報◆◆◆

【ON AIR】
地上波 4月5日(日)より分割2クールにてTVアニメ放送中
TOKYO MX:4月5日より毎週日曜22時30分~
ABCテレビ:4月5日より毎週日曜24時40分~
テレビ愛知:4月5日より毎週日曜25時20分~
BS日テレ:4月6日より毎週月曜24時30分~
AT-X:4月9日より毎週木曜20時30分~
※放送時間は変更になる可能性があります。

配信(見逃し無料)2026年4月5日(日)より毎週日曜 23:00~配信中
ABEMA、TVer、ニコニコ生放送

配信(見放題)2026年4月5日(日)より毎週日曜 23:00~順次配信中
アニメ放題、ABEMA、FOD、J:com STREAM、TELASA、dアニメストア、DMM TV、バンダイチャンネル、Prime Video、milplus見放題パックプライム、U-NEXT、

配信(都度課金)2026年4月5日(日)より毎週日曜 23:00~順次配信中
J:com STREAM、TELASA、ニコニコチャンネル、バンダイチャンネル、Prime Video、milplus

【STAFF】
原作:スタジオぴえろ・バンダイナムコフィルムワークス、監督・キャラクター原案:道解慎太郎、副監督:増原光幸、シリーズ構成・脚本:柿原優子、キャラクターデザイン:鳥井なみこ・錦 寛乃・袖山麻美、魔法キャラクターデザイン:山田起生、プロップデザイン:富田美文、アートディレクション:越阪部ワタル、メインアニメーター:福地和浩、美術監督:前田有紀、美術設定:伊藤 瞳、色彩設計:合田沙織、CGディレクター:神谷貴浩、撮影監督:今泉秀樹、編集:重村建吾、音響監督:大寺文彦、音響効果:古谷友二、音響制作:神南スタジオ、音楽:ha-j、音楽制作:バンダイナムコミュージックライブ、オープニング主題歌:「Bubee」ILLIT、エンディング主題歌:「Calling」ルルットリリィ[こんぺとリリィ(CV.橘 めい)、ましゅールル(CV.小鹿なお)]、アニメーション制作:スタジオぴえろ、製作:ルルットリリィ製作委員会

【CAST】
野々山 風&こんぺとリリィ:橘 めい、野々山 流&ましゅールル:小鹿なお、うぐいす:七海ひろき、あずき:茅野愛衣、神立塔子:和泉風花、青園せな:廣原ふう、ミーター:八乙女 光、瀬尾翔太:天崎滉平(崎は「たつさき」)、角谷久士:橘 龍丸、神立矢須王:杉田智和、野々山桂一:笠間 淳、野々山 汐:大原めぐみ、日の浦茉莉:遠藤 綾

◆◆◆「ぴえろ魔法少女シリーズ」関連情報◆◆◆

【シリーズ4作のAnniversary Blu-ray Box 発売!!】

■『魔法の天使クリィミーマミ』40th Anniversary Blu-ray Box

 2026年4月29日(水)発売/3万9600円(税込)

 高田明美描き下ろしBOX、ぴえろ描き下ろしインナージャケット、特製ブックレット、新規オーディオコメンタリー、各種映像特典

■『魔法の妖精ペルシャ』40th Anniversary Blu-ray Box

 2026年6月24日(水)発売/3万9600円(税込)

 岸義之描き下ろしBOX・インナージャケット、特製ブックレット、新規オーディオコメンタリー、各種映像特典

■『魔法のスターマジカルエミ』40th Anniversary Blu-ray Box

 2026年8月26日(水)発売/3万6300円(税込)

 岸義之描き下ろしBOX・インナージャケット、特製ブックレット、新規オーディオコメンタリー、各種映像特典

■『魔法のアイドルパステルユーミ』40th Anniversary Blu-ray Box

 2026年10月28日(水)発売/3万800円(税込)

 岸義之描き下ろしBOX・インナージャケット、特製ブックレット、新規オーディオコメンタリー、各種映像特典

「ぴえろ魔法少女シリーズ Anniversary Blu-ray BOX」発売告知PV

(C)ぴえろ・ルルットリリィ製作委員会



《気賀沢 昌志》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集