話題の企業PRアニメ「そばへ」丸井グループの“インクルージョン”をどう表現? 東宝&オレンジPが語る | アニメ!アニメ!

話題の企業PRアニメ「そばへ」丸井グループの“インクルージョン”をどう表現? 東宝&オレンジPが語る

丸井×東宝×オレンジによるショートアニメ『そばへ』より、東宝の武井克弘プロデューサーとオレンジの和氣澄賢プロデューサーにインタビュー。企画コンペから制作時のエピソード、本作に込めた熱い思いを訊いた。

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和氣澄賢プロデューサー、武井克弘プロデューサー
  • 和氣澄賢プロデューサー、武井克弘プロデューサー
  • 武井克弘プロデューサー
  • 和氣澄賢プロデューサー
  • ショートアニメーション『そばへ』(C)2019 MARUI GROUP CO., LTD.
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  • 和氣澄賢プロデューサー、武井克弘プロデューサー
丸井グループが製作、東宝映像事業部が企画をし、オレンジが制作したオリジナルショートアニメーション『そばへ』。
3月6日よりマルイノアニメ公式チャンネルにて配信スタートした本作は、「雨」をモチーフとしており、その美麗な映像や、解釈の分かれる内容から話題を呼んでいる。


本記事では、そんな『そばへ』でタッグを組んだ東宝の武井克弘プロデューサーとオレンジの和氣澄賢プロデューサーにインタビューを敢行。
2017年の『宝石の国』で初めて共に仕事をしたふたりは、丸井グループの掲げた本企画のテーマ「インクルージョン」をどのように解釈し、石井俊匡監督と共に作品を作り上げていったのか。企画コンペから制作時のエピソード、そして本作に込めた熱い思いを語っていただいた。
[取材・構成=山田幸彦/撮影=小原聡太]

『そばへ』インタビュー特集
>第1弾:丸井グループ×東宝×オレンジ「そばへ」 石井監督&福原遥が明かす、制作秘話と見どころ【インタビュー】

■ふたりの出会いは? 映画好き同士で意気投合!


――まずは、業界内でのおふたりの出会いについてお聞かせください。

和氣
私がオレンジに来る前、スタジオ地図に在籍し、『おおかみこどもの雨と雪』で制作デスクをしていた頃ですよね?

武井
そうですね。僕は東宝の関西支社で『おおかみこども』のローカル宣伝を担当していたのですが、映画公開の翌年に本社へ戻ってきたタイミングで、『おおかみこども』の製作担当者が、和氣さんを紹介してくれたんです。
同い年ということもあって話が合い、しばらくはただの飲み友だちとしての付き合いが続きました(笑)。

和氣
そのときからお互いに映画が好きで、「いずれは映画を作りたい」という話はしていました。

――初めて一緒にお仕事をされたのは、2017年のTVアニメ『宝石の国』でしょうか。

武井
はい。『宝石の国』をオレンジさんとつくりたいと考えていたのですが、当時はまだアニメ制作の元請けはやられていなかったので、制作プロデューサーがいなかったんです。
そのとき「どなたか紹介してくれませんか?」と和氣さんにお願いしたら、和氣さんご自身が立候補されてお手伝いいただくことになりました。

――そこから今回の『そばへ』で再びタッグを組むに至るまでは、どのような流れがあったのでしょう?

武井
丸井さんがアニメを作るにあたってコンペを開催し、いろんなところに企画を出してほしいと呼びかけたんです。
その中で、昨年の7月に弊社東宝にもお声がけいただきました。

「2Dアニメ、3Dアニメは問わない」とお聞きしたので、これはひとついいきっかけをいただいたと思い、和氣さんに相談したんです。
『宝石の国』の後、「もっと新しい表現でアニメをつくりたい」と日頃から和氣さんと話し合っていたものの、アニメって試したいことがあっても、通常のシリーズアニメや劇場アニメだとどうしても実現までに時間がかかってしまう。

でも、ショートアニメーションならば、いいスピード感で面白いことにチャレンジできるかもしれないなと。


――石井俊匡監督を中心としたスタッフィングはどのように決められていったのでしょうか?

武井
打ち合わせの中で、和氣さんがまず一緒にやりたいとおっしゃった方が石井監督だったので、それを軸にスタッフィングを進めていきました。それから、「これを機に若い才能とご一緒したい」という思いを丸井さんが快く認めてくださって。石井さんに承諾いただけたら初監督ということになるので、そういう意味でもチャレンジができて良いなと思ったんです。

和氣
もともと石井監督は2016年の『僕だけがいない街』で第2話のコンテ・演出を担当され、その回がとても面白かったんです。
それでスタジオ地図の人に「こういう面白い人がいるよ」と話していたら『未来のミライ』の助監督をやられることになり、その作業が終わるタイミングでオファーをかけたんです。
それで快諾いただき、一緒にコンペに提出する企画を考えていきました。

――キャラクターデザインの秦綾子さんの抜擢に関しては?

和氣
秦さんもキャラクターデザインを手がけるのは今回が初めてなんです。
絵の魅力はもちろんですが、『未来のミライ』制作時に石井監督と席が隣同士だったので関係性ができており、意思疎通もしやすいだろうと考えました。

武井
あとは、彼女のコテコテしてない、スッキリとした絵が作品のコンセプトにもバッチリはまっていましたね。広く受け入れられやすいビジュアルにしてほしいと、丸井さんから要望をいただいていたので。そういった意味でも、ステキなキャラデザを上げていただきました。

――福原遥さんの声もマッチしていましたね。

武井
声質はまさにおっしゃる通りで、彼女はアニメ専門でなく所謂“顔出し”の女優としても活動しているので、丸井さんの求める方向性や秦さんのデザインしたキャラクターにちょうどいいバランスの声だと思い、キャスティングしました。
セリフが少ないので、せっかくお呼びしたのにもったいなかったなと思い(笑)、劇伴にも声を入れてはどうかと提案しました。結果的にはそういった新しいことにもチャレンジできてよかったですね。


→次のページ:「インクルージョン」というテーマを雨で表現
《山田幸彦》
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