■声の表現について、歌うことについて
――声のお仕事は今回で2回目。声だけで感情を伝えるということをどう感じていますか?
千眼
初めて声優をしたのは『龍の歯医者』でしたけど、その時はボロボロでした。
壁をヨイショって登るところも自分の身体を使えば「ふんっ!」て踏ん張る感じも自然に出るのに、立ってるだけのアフレコだと出ない! しかもそういう声がないと、リアリティが出ないということをアフレコ現場で初めて知って、「なんてことだ!」って思って。
現場で泣いちゃったんです。もう「ごめんなさい、こんな出来損ないで!申し訳ありません!」みたいになって。でもその時に共演者の方やスタッフさんたちが「こう言うときはこうするんだよ」って凄く優しくアドバイスしてくださったんです。
だから今回は「前回できなかったことを克服する!」という課題を持って挑みました。
無意識のところも意識して声にしていかなくてはいけないというのは声のお仕事特有だなあとすごく実感しました。
もう奥が深い! 長い鍛錬が必要になるぞ、と思ってます。
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――最初にお話されていましたが、歌も本格的にはじめられていますね。
千眼
これもすごく難しくて……。私、元々すごく音痴で決まった音程が出せないどころか聞こえている音程がどこかも分からなくて違う音を出してしまう。ピアノの「ミ」を聞いて私は「レ」だと思って、さらにはその違いも分かってないくらい絶望的だったんです。
――ええー!!そこからですか!
千眼
ほんとそこからで(笑)。テンポも音程も取れない、もう難しくて「がんばれ、千眼!」って感じなんですけど、音楽は元々自分がいちばん好きだったというのもあって、ギターを弾くのが好きだし、歌詞を書くことだけは小さい頃からずっと続けてきたことだし、やっぱり好きなことは活かしていきたいと思って。
前回、映画『さらば青春、されど青春。』で出演だけじゃなく主題歌も担当させていただいた時に、難しさと同時におもしろさや楽しさも分かったので、続けていきたいなと思います。
――いやあ、そんなスタートだったとは全く思えないくらいの完成度で素敵な歌でした。
千眼
めっちゃ練習しました!
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