結果として『アストロ・ボーイ』が、今でも一部のアメリカの人々にノスタルジックな愛情を持って思い出されるほど人気があったとしても、『アストロ・ボーイ』の作者として手塚治虫や日本という国が当時の視聴者に強く意識されることはなかった。その後、手塚によるアニメが何本かアメリカで放映され、特に『ジャングル大帝』、英名『キンバ・ザ・ホワイトライオン(Kimba the White Lion)』は人気を得たが、NBCは『アストロ・ボーイ』同様に、その作者や製作された国を積極的に示すつもりはなかった(11)。
----- 1. 「東京アニメ・マンガ カーニバル in としま2014」 https://www.city.toshima.lg.jp/kanko/kankoevent/033908.html 2. 「世界へ広がる手塚治虫 -手塚治虫の元マネージャー 松谷孝征氏を招いて-」 https://www.city.toshima.lg.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/033/908/talkevent.pdf 3. 「日本マンガの海外出版状況調査-手塚治虫・の海外出版リスト」 http://mediag.jp/project/project/list.html 4. 日本における「手塚神話」の形成については、学習院大学教授でマンガコラムニストの夏目房之介氏のブログに掲載されている手塚に関する講義のレジメが、概要を知るには簡潔でわかり易い。(残念ながら筆者はこの講義に参加していない。) 早稲田EX連続講義「手塚治虫の世界」第1回「手塚治虫をめぐる現在の課題」 http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2014/09/ex-40b5.html 夏目房之介の「で?」2014年9月10日 5. Schodt, L.Fredrik, The Astro Boy Essays: Osamu Tezuka, Mighty Atom, Manga/Anime Revolution, California, Stone Bridge Press, 2007. viii p. 6. Ruh, Brian, “Early Japanese Animation in the United States: Changing Tetsuwan Atom to Astro Boy,” 214p. (Mark I. West ed. The Japanification of Children’s Popular Culture: From Godzilla to Miyazaki, The Scarecrow Press Inc., Maryland, 2009) 7. 手塚治虫『ぼくはマンガ家』角川書店、200年、247p. 大和書房(1979年)改訂版 8. デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・フィフティーズ』1巻、231p. 新潮OH!文庫、2002年 9. 手塚治虫『ぼくはマンガ家』角川書店、200年、255p.(底本:大和書房、1979年) 10. フレッド・ラッド/ハーヴィー・デネロフ『アニメがANIMEになるまで』久美薫訳、26 p. NTT出版、2010年。(Ladd, Fred & Harvey Deneroff, “Astro Boy and Anime Come to the America: An Insider's View of the Birth of a Pop Culture Phenomenon,” McFarland, 2009) 11. 『アニメがANIMEになるまで』71p.