『プラネテス』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』など数々の作品を手掛けた谷口悟朗が監督を務め、『PSYCHO-PASS サイコパス』の深見真がシリーズ構成・脚本を担当。
キャラクターデザイン原案には『Wake Up, Girls!』の近岡直、アニメーション制作は『永遠の0』『ALWAYS 三丁目の夕日』の白組が務めることでも話題の“青春(ジュブナイル)災害(パニック)群像劇(アンサンブル)”だ。
主人公となるのは、幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生の堂嶋大介。その誘拐事件をきっかけに、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作との絆はバラバラになっていた。
そんな中、渋谷の中心部だけが300年以上先の「未来」に飛ばされるという不可思議な現象「渋谷転送」に巻き込まれる。
そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟…そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。
理由もわからぬまま化け物たちに蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの女性・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。
誘拐事件の際、ミロに言われた「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜。「現在(いま)」を取り戻すため、「未来」と戦うことになる――。
今回、人類が生き残る未来を守る組織アーヴの“バランサー”であるミロを演じる小松未可子さんにインタビュー。
実際に災害が起きた時のことをシミュレーションして制作されたというリアリティ溢れる本作の見どころや、「キャラクターが濃い!」と語る谷口監督作品の印象、さらに小松さん自身が描く声優・アーティスト業への“未来のビジョン”などもたっぷりと語っていただいた。
[取材・構成=米田果織/撮影=市原達也]
TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』
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2019年1月9日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24: 55から放送開始
NETFLIXにて1月10日(木)より日本先行全話一斉配信
■青春“災害”群像劇が意味するものとは?
――すでにアフレコは終えられているということですが、作品にどのような印象を持ちましたか?
小松未可子(以下、小松)
「青春“災害”群像劇」という初めて聞くジャンルで、どんなお話なのかまったく想像がつかなかったのですが、アフレコが終わった今、本当に「青春“災害”群像劇」の通りだなと感じました。
谷口監督作品の印象ってSFやロボットというイメージが強いと思うのですが、今回は未来に転送された人たちの“災害”の部分がメインとなってきます。
また、主要キャラクターとなる5人の男女の“青春”となる部分、そして災害に立ち向かっていく渋谷の人たちの“群像劇”となっていて。本当にいろいろな要素が散りばめられている作品です。
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――「300年以上先の未来」という舞台について、作品ではかなり衝撃的な“未来”が待ち受けていましたが……。
小松
そうですよね。いわゆる私たちが想像する未来って、現代よりさらにバージョンアップしているイメージだったんですけど、この作品の未来は荒廃して何もない状態になっていて……300年以上先の未来に未来がない!(笑)
しかも、人類の存亡をかけた戦いが繰り広げられているという。私だったら、どう生き延びていいかわからない。
本当にこんな未来だとしたら、絶望しちゃいますよね。
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――そんな未来で人類の生き残りをかけて戦っているというミロ。演じるうえで感じた魅力は?
小松
ミロは、いわゆる「組織の人間」で、自分の感情より組織の任務に命を懸けているので、
彼女には大介たちが送ってきたいわゆる「青春時代」というものはなく、本当に生きるためだけに尽くしてきたのだと思います。
そんな人生を送ってきているにも関わらず、ミロは、この物語の中で一番マトモなキャラクターだと思います。
作品を見てもらえばわかると思うのですが、大介みたいに“自分”を押し付けないというか……。真面目で、ブレがなくて、でも、その中に年相応の部分もあって。
「何のために戦うのか」とずっと自問自答していて、人間ならではの感情を持ち合わせているところが魅力だと思います。
組織に属していなくて、普通の人生を歩んでいたら、「普通の子」になっていたんでしょうね。
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――劇中、大介たちが過去に出会うミロ、未来で出会うミロ、という2つのパターンの出会いがあると思います。その際、意識して演じ分けた部分はあるのでしょうか?
小松
その通りで、第1話にはミロと大介たちとの「初対面」シーンが2カ所あります。
未来で出会った時、ミロは「過去に大介たちに会ったことはない」と言っています。その点に関しては、そのミロは果たして幼少期の頃に会ったミロなのか? 変化してしまったのか? ということを、推理して見ていただきたいです。
それが物語のキーとなってくる箇所でもありますので、演じ分けについては、あえてノーコメントで(笑)。
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