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「妹さえ」連載インタビュー【第6回】大沼心監督「演出の指針は“必ずビターに終わらせる”こと」

TVアニメ『妹さえいればいい』連載インタビュー。第6弾は大沼心監督にアニメ化にあたっての工夫や演出面で意識されたことを伺った。

インタビュー
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■大沼監督の「◯◯さえあればいい」は?

――オープニングでは、絵コンテ・演出を手がけられましたが、とくにこだわった点は?

大沼
複数の狙いが込められているのですが、一番明確なのが「クリエイターの苦労」です。本編のテーマのひとつでもあるので、そこをはっきり描こうとしました。


――キャスト陣についても聞かせてください。アフレコ現場で実際にキャストさんの声を聴いていかがでしたか?

大沼
とくに違和感もなく、イメージ通りでした。演出するうえで納得できるパスをもらった感じです。
キャストさんの印象深いエピソードでいうと、第7話(「冒険さえあればいい。」)では日野(聡)さんに大いに笑わせてもらいました。

――メインキャラ以外の全てのTRPGキャラを日野さんが演じられて話題を集めましたね。


大沼
アフレコ時、ディレクションのために真剣に聴いていましたが、ゴブリンのシーンでは日野さん、A、B、Cと一体ごとに全部声質を変えられていて。仕事ながら楽しませてもらいました。

――本作のタイトルにちなんで、大沼監督にとっての「〇〇さえあればいい」というものを教えてください。

大沼
「嫁」って答えないと後でしばかれると思いながらも(笑)、やっぱり「ゲーム」かなと思います。ファミコン直撃世代なので、ゲームと一緒に育ってきたところがあるんです。

――今もプレイされているんですか?

大沼
最近だと『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『ファイアーエムブレム無双』、『スプラトゥーン2』、あと『モンスターハンター:ワールド』もPlayStation4を持っていなかったのですがハードと一緒に予約しました。……あ、コレ、現場から「お前、そんなゲームやってる時間あるのか!?」ってなりません?(笑)。

――(笑)。

大沼
睡眠時間を削ったり、なんとか時間をつくってゲームをやってるので……もうちょっとカッコいいこと答えた方がよかった気がする(笑)。

――続いて、理想の妹像を教えてください。

大沼
実際に妹がいるので、答えづらい質問ですね(笑)。あえて答えるなら、可愛くて素直なタイプで、余計なツンはいらない。それと、気を配ってくれつつ、グイグイ来ない奥ゆかしい感じがいいなと。

――それを聞くと、千尋が理想に近いと感じましたが、彼女はどうでしょうか?

大沼
料理も上手だったりと、千尋は色々と万能なので、ある種の劣等感を覚えそうで怖いなと。理想過ぎると、それはそれで難しいですね。


――ありがとうございます。では最後に本作を見直す際に注目してほしいポイントを教えてください。

大沼
いろんな要素を入れ込んでつくっているので、伊月や那由多など各キャラそれぞれの視点で見たりすると、新たな発見があるのではないかと思います。それは作品タイトルの『妹さえいればいい。』や各話サブタイトルにも言えることで、その意味合いを多面的に捉えると新しく見えてくるものがあるはずです。本作を再見する際にぜひそのあたりを意識してみてください。

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【「妹さえいればいい。」連載インタビュー記事まとめ】
第1回 原作・平坂読先生「伊月と春斗は両方とも自分」
第2回 キャラクター原案・カントク先生「平坂先生のフェチを理解して再現する」
第3回 音楽・菊谷知樹「クリエイターの日常を“渋谷系”で表現」
第4回 キャラデザ・総作画監督:木野下澄江「変態シーンがあるからこそ純愛が生きるんですよ!」
第5回 シリーズディレクター・玉村仁 「情緒を廃して奥行き感を演出する」
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