映画「虐殺器官」山本幸治Pインタビュー 時流の真逆を突き走る尖った映画になった | アニメ!アニメ!

映画「虐殺器官」山本幸治Pインタビュー 時流の真逆を突き走る尖った映画になった

インタビュー

映画「虐殺器官」山本幸治Pインタビュー 時流の真逆を突き走る尖った映画になった
  • 映画「虐殺器官」山本幸治Pインタビュー 時流の真逆を突き走る尖った映画になった
  • 映画「虐殺器官」山本幸治Pインタビュー 時流の真逆を突き走る尖った映画になった
  • (C)Project Itoh / GENOCIDAL ORGAN 
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  • (C)Project Itoh / GENOCIDAL ORGAN 
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『屍者の帝国』『ハーモニー』に続く、Project Itoh最後の映画『虐殺器官』が2月3日に全国公開となる
Project Itohはノイタミナムービープロジェクトの第2弾で、当初『虐殺器官』は最初に公開される映画だった。しかし2015年10月に制作スタジオのマングローブの倒産と共に本格的な公開延期に至った。

存続が危ぶまれた制作は、ツインエンジンの代表取締役・プロデューサーの山本幸治がジェノスタジオを立ち上げたことから再スタートを切り、制作を続行。この2月に公開決定となった。

もともと山本はフジテレビに籍を置いており、ノイタミナの立ち上げや企画に長年携わってきた。2014年に独立し、アニメーションの企画・製作を目的にツインエンジンを設立。サイエンスSARU、スタジオコロリド、WIT STUDIOなどとパートナーを組み作品を生み出してきた。

『虐殺器官』の公開にあたり、現在の心境やこれまでの振り返り、プロデューサーとしての立ち方など幅広く話を訊いた。
[取材・構成:川俣綾加]

『虐殺器官』
2017年2月3日(金)全国公開
http://project-itoh.com/

■ 今を楽しく生きている人も、観たあとに自問自答してしまうはず

──いよいよ公開ですね。心待ちにしていたファンも多いと思います。最初に公開される予定だった『虐殺器官』は、マングローブの倒産や公開延期など困難な局面がありました。

山本幸治さん(以下、山本)
マングローブで制作しているときも、ジェノスタジオで制作している今も毎日ヒヤヒヤしながら過ごしていますけどね(笑)。マングローブが破たんし公開延期が決まる前は、これが一体どんなクオリティで公開されることになるのか戦々恐々でした。マングローブが破たんした時は「大変なことが起きてしまった」という気持ちと、一方で「安心」と表現するとおかしいかもしれませんが、そんな気持ちがありました。あのままひどいクオリティのものが世に出ることを考えれば、最悪の事態は避けられたわけです。今は、制作を継続できているのでそう思えるのですが、破たんの話を聞いたときは、プロジェクトが中止になってしまう事態もありえたわけですけど。

──公開が延期になったことは、結果として悪いことではなかった?

山本
結果的に、続けられて公開まで進めることができたのでよかったですね。中止になってしまったら元も子もないですから。

──公開延期から、そのまま制作中止になるか、再びスタートするか選択肢があったと思います。

山本
延期の決定から1週間くらいはあらゆる可能性がありました。頓挫の可能性もあったし、他の制作会社に頼む手も理屈上はあった。結局は自分でスタジオを設立することになりましたけどね。でもそれぞれに問題もあります。受けてくれる制作会社が無い、スタジオを設立するにしてもお金がないとか。並行して色々と検討していくうち、自分でスタジオを設立することが現実味を帯びてきて、公開延期から3週間後には制作再開を決めることができました。


──ジェノスタジオ以前のお話ですが、2014年にフジテレビから独立してツインエンジンを立ち上げていますよね。独立しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

山本
テレビメディアの力に限界が訪れていて、ノイタミナの編集長としても、局のプロデューサーとしてもある種行き詰っているというか、よく言えばやりきった感がありました。ちょうどノイタミナも10年の節目だったんですよね。自分の中では次の10年に向けた仕事を、フジテレビに残ってすることも考えましたが、外に出てもっと大きな枠組みを作りたかった。発注側の立場で仕事をしてきていましたが、いずれ制作側にも進みたいとは考えていました。

──大きな枠組みとは?

山本 ノイタミナの頃は制作から悲鳴が上がっていても「作品のクオリティが最優先」という大義でフタをしていたところがある。今は制作側にもなって「クオリティを追うと赤字になる制作会社の宿命を、どうすれば仕組みとして支えられるか、強化できるか」と考えている。
若手が制作に専念できる環境作りや、村瀬(修功)監督のような才能をいかせる場所づくりをしたいです。いま一番モチベーションを持って取り組んでいるのは、制作現場が頑張ったことに応えられるビジネススキームを整えることです。

──メディアの力がどんな風に変わったと感じたのでしょうか。

山本
舞台としてのテレビさえあれば、みんなが幸せになる空気がなくなっていきました。昔は月9のラインナップだってもっとみんなの関心事だったんですよ。原作は何か、脚本家や監督は誰か、キャスティングは? ってみんなが楽しみにしていた。たぶん僕の世代がそういった意味でのメディアの力が強かった最後の世代。それが変わっていくことは明白だったけれどテレビの中の人たちはその変化を受け入れにくい。自分が、ノイタミナという、深夜であったりアニメであったり、テレビ局の中でいえばメインじゃないところをずっとやっていたので、変化がやってきている実感が強かったのと、このままでは通用しないという危機感も強かった。ノイタミナを強くしたい、何とかしたいということで手を打つことや、準備することが、結果独立に向け下地を作ることにもなっていたと思います。


《川俣綾加》
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