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SFアニメで育った3人が語る「ID-0」の魅力 古典なモチーフのなかに新しさが光る現代的なスペースオペラ

現在好評放送中のTVアニメ『ID-0』。『コードギアス 反逆のルルーシュ』などのヒット作を持つ谷口悟朗監督が、3DCGでセルルック表現を追求することで知られる制作会社のサンジゲンとともに生み出す注目のSF作品だ。

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数土
あとは「チームもの」というところも魅力ですね。


『特攻野郎Aチーム』みたいな、アウトロー・チームものの一種ですね。


数土
アニメで言うと『銀河旋風ブライガー』から『カウボーイビバップ』の流れで。


そこは『星方武侠アウトロースター』と言って欲しかった(笑)。しかも、ひとり一芸がハッキリしている。導入も、賢いけど普通の女の子であるマヤと渋いけどロボの男であるイドという配置もよくできていると思います。

藤津
マヤ自身はドラマを持っているわけではなくて、あくまで見届人なんですよね。


主人公はあくまでイドなんですけど、でも導入の語り手視点を担う人物としてマヤが入っている。要はホームズとワトソンなんですよね。ワトソンになるにはフラットで普通の人なのが逆にいい。

数土
物語自体はオーソドックスな自分探求なんですよね。

藤津
種明かしを見ると、古典SFにあるアイディアを使ってドラマを構築していたので、こういう方向だったのかと思わされました。

数土
あと、オリジナルのTVシリーズで先が見えないということが大きいですよね。原作があると気になって読んだりしてしまいますけど、これはもう毎週待つしかないので、これほどドキドキすることはない。


どこにたどり着くかわからないからこそ、ずっと観る必要がある。

数土
その意味でオリジナル作品として、自分の謎を探すのが目的になっているというのはとても真っ当な作り方なんですよね。

藤津
お話は古典的で、しかも「人間は何をもって人間とするか?」というテーマも古典的。そしてその結論も古典的な方向に向かって進んでいるので、そう考えると設定は飛んでいるんだけど、やることはみんなが知っていることという感じで手堅いなと。新しい革袋に入れた昔ながらのお酒、という感じでしょうか。


数土
ホント、よく全12話でまとめましたよね。

藤津
ムダな話がないんです。いわゆるお当番回もないし、謎を持っているキャラは、基本的にはイドしかいないなかで話を進めている。他の謎に見える要素もあるけど、これは全部イドにつながるというのを早めに示してくれているので、すごく手堅いんですよね。


もし2クールだったら各キャラ回がもう1話ずつあるだろうし、単発で仕事を依頼される一話完結の話が3,4回あるはず(笑)。

藤津
逆に言うと、「SFだから手に取りづらい」というよりも、前半が地味だから観るのを辞めちゃった人もいると思うんです。もう何話か見れば派手になるし、終盤は怒涛の展開だから面白いよと言ってあげたいです。毎週のオンエアでのれなかった人は、続けて一気に見ると好きになる作品だと思います。

数土
Blu-ray BOXなりNetflixなりでまとめ見をしても、半日あれば見られますし。


今の視聴者にとってこのムダのない感じは大事だと思うんですよ。アメリカのTVドラマだって最近は1シーズン12話のものが増えてきてて、「ビンジ・ウォッチング」というまとめ見するのが流行っているし。日本のアニメファンはもっと時間がないので、これくらいできっちりまとまって、しかもムダな回がない方がいいんだと思います。これがBlu-ray BOXやNetflixで流れてまとめ見をされたときにどんな感想になるのか、その反響がすごく楽しみですね。


《日詰明嘉》
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