渡邉は「この映像の「ネットワーク化」や「ソーシャル化」の広範な文化的インパクトを真正面から引き受けた、包括的で本格的な文化論の仕事というのは、映像論や映画批評の分野でも、いまだまったくといってよいほど存在していない」(14頁)と述べたが、映画研究者の北野圭介が現代における「映像論的転回」を論じた(そのサブタイトルからもわかるとおり、アナログ/デジタルメディアの連続性と断絶を観察したマノヴィッチの再検討も多い)『映像論序説――〈デジタル/アナログ〉を超えて』(人文書院、2009年)を皮切りに、2010年代において、急速に整備が進みはじめている。だがそれに対して、アニメ論の分野では現在においてもなお、まったくといってよいほど存在していない。21世紀のアニメ論はまだはじまっていない。この議論もまだ荒い助走に過ぎないものだ。まだまだ語り足りない。2016年10月から開始されるというTVアニメ『響け!ユーフォニアム』の第二期、そして2016年9月17日公開の山田尚子監督・京都アニメーション制作による劇場アニメ『聲の形』をめぐり、この仮の枠組みをより精緻に語りなおす。
世界の長編アニメーションの新しい景色を語るための言葉 「GEORAMA 2017-2018」/高瀬司(Merca)のアニメ時評宣言 第11回 2018.1.13 Sat 13:00 アニメ批評家・高瀬司の月一連載です。様々なアニメを取り上げ…