アニメ事業に力を入れるテレビ東京が、中国向けのアニメ配信の拡大に乗り出した。テレビ東京は2016年1月から新たに3つの有力サイトに日本アニメ作品の提供を開始した。新たに配信するのは、愛奇藝 (iQIYI)、楽視(LeTV)、ビリビリ(bilibili)の3サイトである。テレビ東京はこれまで合一集団(1 Verge Group)が経営する土豆(Tudou)と優酷(Youku)を通じて動画配信をしてきた。今回の3サイトも含めて、5サイトはいずれも中国を代表する動画配信サイトばかりである。配信サイトの増加で、中国ファンへのアクセスがさらに広げる。中国では2000年代半ばより、日本アニメのテレビ放送を厳しく制限している。また劇場公開できる作品や映像ソフト発売も限られている。これらが日本アニメビジネスの中国展開で大きな障害となっていた。また同国で海賊版が氾濫する理由でもあった。風向きが大きく変わってきたのが、2010年代に入り正規の動画配信の急激な普及である。中国の動画配信会社各社が日本の権利者より正規にライセンスを獲得し、無料で配信している。早く、安く、公式な作品が見られるとあり、幅広く利用されている。こうした試みにいち早く乗り出したひとつがテレビ東京である。テレビ東京は2011年末に、まず土豆で『NARUTO』など人気作で日中同時展開をスタートした。その後、番組数を増やし、さらに2012年の土豆と優酷が経営統合したことをきっかけに優酷でも配信、一気に中国でのアプローチを広げた。土豆は毎日1億人超、優酷は5億人超のユーザーを抱えている。一方で1月から配信を初めた愛奇藝は、中国最大手の検索サイト百度の動画部門にあたる。また楽視はスマホ端末やスマートテレビも製造するメーカーの側面も持つ。ビリビリは日本のネット文化の影響設けたアニメ専門の動画配信サイトでコアファンから高い支持を受けている。いずれも土豆と優酷とはまた異なるユーザーを抱えている。各社ともユーザーに人気の高い日本のアニメの配信権獲得には大きな力を入れている。『NARUTO』を初めてとする人気作品を多く持つテレビ東京の番組提供開始は、ユーザーのニーズにも応えるものになるだろう。[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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