阿部記之監督×西尾鉄也氏 『NINKU-忍空-』対談―20年の時を超えて―前編 | アニメ!アニメ!

阿部記之監督×西尾鉄也氏 『NINKU-忍空-』対談―20年の時を超えて―前編

インタビュー

テレビアニメ『NINKU-忍空-』は1995年から96年にかけて一年間放送され、子どもたちに大人気を博した。原作は桐山光侍氏が「週刊少年ジャンプ」で連載したマンガだ。
大戦後、帝国軍の圧政が続く世界で、忍術と空手を組み合わせた武術・忍空を体得する「忍空組」の元・一番隊隊長・子忍の風助、元・十番隊隊長・酉忍の藍眺(※)、元・六番隊隊長・巳忍の橙次、そして橙次の妹・里穂子、風助の友だちであるペンギンのヒロユキを合わせた4人と1匹が、何者かにさらわれてしまった風助の母を捜す旅をする。出会いと別れが数多く描かれた。
練り込まれた物語や、際立ったキャラクターが人気を獲得した。のちに『BLEACH』や『アルスラーン戦記』を手がける阿部記之監督、キャラクターデザイン・作画監督には『NARUTO-ナルト-』や『人狼 JIN-ROH』『スカイ・クロラ』の西尾鉄也氏、各話スタッフにはいまでは業界を代表するようなアニメーターの名前が並ぶ。

本作がBlu-ray BOXとなり、6月26日に第1巻、8月26日第2巻がリリースされる。アニメ!アニメ!ではこのBlu-ray BOX発売を記念して実現した阿部記之監督とキャラクターデザイン・作画監督を務めた西尾鉄也氏の対談を届ける。さらに当時を知る『NINKU-忍空-』プロデューサー・スタジオぴえろの萩野賢氏にも加わっていただき、ほぼ20年ぶりにじっくり作品を語った。
[取材・構成=細川洋平]
(※ 眺=正しくは月に兆)

「NINKU-忍空-」 Blu-rayBOX 公式サイト

http://www.ninku-box.com/

abesan■ 『幽☆遊☆白書』からの流れではじまった『忍空』

―お二人が『NINKU-忍空-(※以下、忍空)』に関わられたきっかけを教えていただけますか?

阿部
僕の初監督だった『幽☆遊☆白書(以下、幽白)』の流れで、同じ制作班で「やってみないか?」という話だったと思います。『ナイフの墓標(※)』を作った時は、まだ『幽白』も放送中で同時進行でした。その当時はテレビシリーズの監督をできるのかは、あまり考えなかったと思います。
(※ 『NINKU‐忍空‐ナイフの墓標』。TVシリーズ放送前にジャンプスーパーアニメツアー’95で公開された)

西尾 
僕の場合は、プロデューサーの萩野賢さんに決め打ちでオファーしていただいたと聞いています。

萩野賢プロデューサー(以下、萩野P) 
どうだったかなあ。若いアニメーターでというのがあったんですよ。

―オファーを引き受けられた理由は?

西尾 
すごくおもしろいマンガでしたし、キャラクターデザインをやりたいという思いもありました。

阿部 
西尾くんは原作の絵からスタイリッシュにまとめたなと思いました。『幽白』の最後の方でもひときわ目立っていましたが、普段は別会社の方ですので、どういうキャラクターデザインを描く人なのか知らなかったんです。実際に『忍空』で上がってきたデザインを見て、全員が納得しました。

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■ 西尾鉄也のキャラクター

―キャラクターデザインはスムーズに進んだのでしょうか。

西尾 
当初は北山真理さんが風助、藍眺、橙次をデザインして、比較的原作に寄った絵だったと思います。当時の僕は原作の絵を再現できない未熟さと、二十代半ばという鼻息の荒さも手伝って「俺の絵で描いてやるぜッ!」と描き上げました。
『ナイフの墓標』では初作監(作画監督)でした。カッコいい言い方をすれば初のキャラクターデザイン、初作監として、自分で最後まで責任の取れる絵で勝負したいなと考えました。いま考えると、暴挙ですよね(笑)。

阿部 
北山さんと西尾さんの絵の違いは僕は全然気にしてませんでした。『幽白』の時から各話で作監が違うと絵は違っていました。原画マンの西田寛治くんも暴れてたし。(笑)

西尾 
いい時代だったなあ(笑)。

萩野P 
『幽白』は特殊でしたよ。当時から他のスタジオはキャラクターをきっちり合わせていました。『幽白』はカッコいい動きを追求してたからそうなっただけで、決して何をやってもいい時代ではなかったんです。

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《細川洋平》
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