―AA
『アオシグレ』でキャラクターデザインをされた新井陽次郎さんでしたが、本作では石田監督自らキャラクターデザインをされています。
―石田
今までコロリド作品ではやってなかったので今回は挑戦です。今回は新井陽次郎くんが忙しくてやれなかったものですから、それなら自分がなんとかしないと。
―AA
実際デザインされてみて、いかがでしたか?
『フミコの告白』や『rain town』から見てもタッチが変わっている印象を受けました。
―石田
その作品以来ですね。確かに変えています。みんなは『アオシグレ』の絵に慣れているだろうと、そんなに変えられないことはもあります。その中で新井くんがデザインしたものを土台に残しつつ、所々バランスを変えていたり、自分のテイストを入れたりしました。
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―AA
具体的にどういう部分になるのでしょうか。
―石田
まず、お06でこが広いところです。頭でっかちなんですよ(笑)。あと微妙なところですが、手が長かったり、首が細かったりです。スリムな骨格の中でメリハリを付けるのが好きなんです。
とはいえ、そもそも『アオシグレ』でも僕の要望を全て伝えた上でデザインしてもらっているので、ひとつの理想となっているんです。僕の要素はちゃんと入れてもらっている。今回のキャラクターデザインは、自分一人でデザインするときの“おさらい”という感覚です。今まで築いてきた要素を継承しつつ、ちょっと変えたらこうなるかな、こういうのもあっていいんじゃないかなって。
―AA
具体的なキャラクターに関してですが、ケイがメガネをかけているのは脚本にあったのでしょうか。
―石田
そこは田中さんの要望でした。ただ、最初ケイは男の子で「メガネをかけた弟」という設定だったんです。それを僕が『ケイをヒスパニックそのままに、女の子に変えてはダメでしょうか。アニメ的絵的に、華があるのと、兄弟から兄妹に変えても物語に破綻はきたさないこと、そして何より、女子がいた方が作り手としてやる気がでます!』とキャラ表に書き込んで直談判して(笑)。そしたら、YKKの人たちからも「女の子がいた方がいい!」って出て。それで決まったらしいですね。
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