■ 芝居に集中したアフレコ現場の様子
―AA
本作では、収録を2回行ったそうですがこれはなぜでしょうか。
―三木
作品全体の尺が決まっているので、その尺をどうとるかという“合図”として仮アフレコをしたんだと思っています。決まっている総尺に対してセリフをのせた時、「このセリフはやっぱり無しにしよう」という場合もあるだろうし、音楽をのせる時の目安としての仮アフレコというのもあるのではないでしょうか。
―釘宮
他の作業のための合図という意味で仮アフレコをして、スタッフのみなさんに作業を進めてもらいつつ、期間をあけて本番の日があるという感じです。
―AA
本番のアフレコに入ってみていかがでしたか?
―釘宮
よくインタビューで質問いただくのですが、必死で会話はあまり無かったです。お互いが水島監督や音響監督の三間雅文さんを信じ、他のスタッフのことも信じて、とにかくやるしかない! という状況でした。少人数で収録したことのもあって、そういう意味ではわりと追い込まれた状況でした。
―三木
プレッシャーから解放されることはずっと無くて、でもフロンティア・セッター役の神谷君にしろ僕にしろ、みんな初顔合わせではなかったのでスタジオで、気を使うことなくのぞめました。
―釘宮
芝居に集中できて、周りに気を使うことなく1人でアップアップできました。
―三木
頑張って1日で録りきって、終わる頃には夜の12時も過ぎていて……もしあれが2日にまたがっていたらちょっと芝居も変わってたかも。アフレコ終えて飲みに行って、本当に酒がうまかった~!(笑)

―AA
アフレコするにあたって、セルルック3DCGならではの難しさはありましたか?
―三木
三木的には、カットを追うのが難しいなと思いました。手描きのアニメだとカット変わりがハッキリとわかるけれど。ただ視聴者として見ている分にはいいけれど、工程の中にはめこまれた時にこれは難しい。
―釘宮
カットの変わりが滑らかで繋がっているように見えます。カットが変わってもすごくしっくり見えるので目で追っていくのは苦労しました。特に色数が多いカットが続くと今自分がどこにいるのか方向感覚を失って迷子になってしまいます。
私たちもまだ完成版は見ていないので、この後さらに手が入って完全な状態になると思うと早く見たいです。
―三木
1人で5回は見ます、絶対に!
後編に続く
