「マイホームヒーロー」鳥栖哲雄役・諏訪部順一インタビュー 中年サラリーマンが家族のため、“非日常”に身を投じる | アニメ!アニメ!

「マイホームヒーロー」鳥栖哲雄役・諏訪部順一インタビュー 中年サラリーマンが家族のため、“非日常”に身を投じる

おもちゃメーカーの営業職として働く平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄。ある日、一人暮らしをする大学生の娘・零花に会った際、その顔にDVの痕跡を見つける。

インタビュー
注目記事
『マイホームヒーロー』ビジュアル(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』ビジュアル(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』キービジュアル(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会
  • 『マイホームヒーロー』場面カット(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会

おもちゃメーカーの営業職として働く平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄。ある日、一人暮らしをする大学生の娘・零花に会った際、その顔にDVの痕跡を見つける。

その相手が彼氏の麻取延人だとわかり、延人の恐ろしい計画を知った哲雄は、彼を衝動的に殴り殺してしまう。その様子をたまたま目撃した妻・歌仙とともに死体を処理し、証拠隠滅を図ろうとするが……。

講談社「ヤングマガジン」連載中、山川直輝・朝基まさしによるジェットコースタークライムサスペンスがアニメ化! 家族思いでミステリ小説好きの中年サラリーマン・哲雄を好演する諏訪部順一さんに、本作の魅力について語っていただいた。

――原作を読んでの感想をお聞かせください。
エンタテインメント性の高い、サスペンスストーリーですね。
哲雄の目線で物語に入り込んでしまうと、メンタルが大きく削れてしまいますね。
ハラハラドキドキの連続で、非常に面白かったです。

――本作は前々からご存じでしたか?
オススメされているのをよく見かけて、作品自体は知っていました。しかし、実際に読んだのはオーディションを受けることになって。既刊の単行本を全て買ったのですが、一気に読んでしまいました。
実は、制作サイドからは別の役でエントリーして欲しいと来ていたのですが、原作を読み進める内に「哲雄を演じたい」という気持ちが強くなりまして。「哲雄も受けさせてもらえないでしょうか?」とマネージャー経由でお願いしたんです。その結果……。アニメは若者が主人公の作品が多いので、実年齢に割と近い「大人」がそのポジションにいるのはとても貴重。哲雄役に決まって、本当にうれしかったです。

――諏訪部さんの考える、哲雄の魅力は?
妻と娘がいる、ごく普通の中年サラリーマンである鳥栖哲雄。しかし、家族を守るために命懸けで戦うその姿は、決してごく普通ではありません。文字通り「ヒーロー」です。しかし、そこには狂気も感じられて……。大きく感情が揺れ動く、振り幅の大きいキャラクターは演じていて楽しいものです。
単純に「善人」「悪人」と括れない、清濁併せ持ったところにリアルを感じます。そういった人間的な生々しさにも、演者として大いに魅力を感じますね。

――演じるうえで意識されたことは?
メソッド演技的なアプローチで役と向き合うことが多いのですが、今作はなかなか難しかったです。自分は人を殺したことはありませんから(笑)。哲雄に迫ろうとメンタルを寄せていくと、精神的にかなり追い詰められてしまいます。
とてつもないプレッシャーを感じ続ける状態を日常生活にまで引きずらないよう、気分転換をしっかりするよう心掛けました。アフレコが終わったら、いつも美味しいものを食べたり、面白いものやかわいいものを見たりして。

――哲雄の前に立ちはだかる延人の父親・義辰についての所感をお願いします。
義辰が息子に対して深い愛情を抱いていること自体は理解できますが、行き過ぎて歪みきったところに共感はできませんね。崩壊してしまった、幸せに思えていた過去とのつながりを失いたくない、そういう気持ちが根底にあるような気がするんです。実はあれって、息子への愛というより、むしろ強烈な自己愛なんじゃないかなと。
かわいそうに思う気持ちも多少はありますが、哲雄目線からしたら、やっぱり「目障りなヤツ」です(笑)。

――アフレコはどのような形で行なわれたのでしょう?
マイクの数の人数ごとで収録を行う、いわゆる分散収録形式でアフレコは行われました。掛け合える人数は最大4人。歌仙と零花はほぼ同じ組でしたね。一息つけるような家族の会話を一緒に録れたのはよかったです。
逆に、それ以外のキャストさんとはあまり一緒に収録できなかったので、完成品を観るのがとても楽しみです。

――アフレコ時の印象的な出来事を教えてください。
第1話の収録開始前のご挨拶で、監督が「正直テレビアニメにしにくい作品です」とおっしゃいました。「確かに!」と共感したのを覚えています(笑)。敢えてそこに挑もうとしている制作陣の情熱に応えられるよう頑張らなければ!と気合が入りました。

――アフレコを通して「家族」との絆が深まったのでは?
歌仙役の大原さやかさんは、事務所の後輩で付き合いも長いですから、もともとそれなりに(笑)。零花役の白田千尋さんは今回初めて御一緒したのですが、実際に親子ほどの年齢差がありまして。お父さんとの関係についてなど、休憩中にいろいろと教えてもらいました。年頃の娘がいる父の気持ちを作る上で大変役に立ちましたし、「鳥栖家」のチーム感も生まれたように思います。

――アフレコ時のディレクションについてお聞かせください。
第1話のアフレコで初めて哲雄を演じる際、おじさん感がわかりやすく出るような演技をしたんですが、演出サイドから「もっと若く」というディレクションが入りました。オーディションで受かった役なのですが(笑)。
それと、「そこはもっと格好良く」というディレクションもちょこちょこ入ります。哲雄を多面的に表現していくことが、本作における自分に課されたミッションです。

――半グレ組織のメンバーのひとり、間島恭一とのやり取りはどのように見えますか?
哲雄を執拗に怪しむ切れ者の恭一は、本当に目障りな存在ですね(笑)。恭一役の伊東健人さんとは序盤に少し掛け合って収録をすることができました。いい感じに駆け引きのシーンを作れていると思います。

――諏訪部さんの考える、理想の父親像は?
当たり前かもしれませんが、「必要なときに必要なことをする」というのが理想的な父親の姿でしょうか?「親の背を見て子は育つ」などとも言いますし、良き見本となるよう、日々人としてきちんとした振るまいをするよう心がけることが必要かと。
しかし、自分に娘がいて、一人暮らしを始めたとしたら……気が気じゃないでしょうね。過干渉してしまいそうです(笑)。

――哲雄は歌仙たちと「秘密」を共有することになりますが、諏訪部さんの持っている「秘密」エピソードを教えてください。
秘密……は教えられませんね。だから「秘密」なわけで(笑)。自分はこどもの頃、超常現象や都市伝説、心霊現象などのミステリー系ネタが大好きで、そういう本やテレビ番組にめちゃくちゃハマっていました。謎とか秘密は今でも好物です。
そういえば先日、「人魚のミイラと言われていたものが、現代の技術で検査したら実は造形物だった」というニュースがありましたが、秘密のままにしておいた方がいいことも世の中にはありますよね。人生には夢やロマンが必要です。

――最後に、メッセージをお願いします。
哲雄はとにかくしゃべりますので、毎話台本チェックが大変です(笑)。
物騒なキャッチコピーがつけられておりますが、本作はひとりの中年男性が家族を守るために戦う愛の物語とも言えるでしょう。手に汗握る展開を存分にお楽しみください。
テキスト情報量の多い原作なので、アニメの制作陣は本当にご苦労なさったことと思います。原作既読の方はぜひアニメとしての面白さをご堪能ください。そして、アニメから入る方は後ほどぜひ原作をお読みになってみてください。相互補完でお楽しみいただけるかと。
何はともあれ、ぜひラストまでおつきあいのほど、よろしくお願いします!

(C)山川直輝・朝基まさし・講談社/「マイホームヒーロー」製作委員会


マイホームヒーロー(1) (ヤングマガジンコミックス)
¥726
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
マイホームヒーロー(20) (ヤングマガジンコミックス)
¥726
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集