25年にわたり創造されてきた『攻殻機動隊』の世界をアニメやマンガの原画といった制作素材から紹介する企画展が8月8日から西武池袋本店別館2階西武ギャラリーでスタートした。 会場に並べられたのは、士郎正宗さんの描いたマンガの原画、アニメの原画、背景美術、セル画、設定、ポスターやパッケージの表紙などのイラストである。作品も映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、『イノセンス』、「S.A.C.」シリーズ、「ARISE」シリーズなど初期から最新作を網羅している。
とりわけ注目したいのは、1995年の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、2004年の『イノセンス』の関連資料だろう。数々の名場面を生み出したレイアウト、原画、背景美術など、トップアニメーターの筆致、綿密に描き込まれた見どころのあるものばかりだ。アニメの制作素材が散逸しやすい環境のなかでこれだけのものが残っているのも驚きだ。 それと対比して、「S.A.C.」シリーズ、「ARISE」シリーズを眺めるとまた面白い。同じ『攻殻機動隊』でありながら、そのキャラクターや造形にそれぞれの解釈があり、それぞれの個性を放っているからだ。それでいて全てが『攻殻機動隊』であると見るものに納得させる。作り手の技の素晴らしさが存分に堪能出来る。『攻殻機動隊』ファンは勿論だが、モノを作る人全てに薦めたい企画展だ。