-今、「アニソンのなかのアニソン」という話がありました。ランティスをスタートされた1999年は、アニソンはジャンルはありましたが、今みたいに大盛況ではなかったと思います。なぜアニソンだったのですか?
-井上
話せば長いんです(笑)。まず、そのころのアニソンはタイアップが中心としたものが多かったんです。それはアニメーションのための曲でなく、レコード会社さんのタイアップとしてやられている曲が多かったんです。一方で、古いアニソン、今の時代にあまりあってないけど懐かしいアニソンというジャンルもありました。
そこで時代に合ったアニソンを、それぞれのアニメにきっちり合ったかたちでつくりたいというのがひとつですね。
あとは僕は昔バンドをやっていて、アニメソングに第二の人生を助けられた部分もあります。そうした仲間たちがたくさんいました。JAM Projectのメンバーもみんなそうです。みんなアニソンに出会ってワンステップ力をつけた人たちです。その人たちと一緒にやったら、何かできるんじゃないか、というのもありました。
-アニソンは、たしかに昔は全く別の曲と番組を結びつけて作品との関連は薄かったかもしれません。さらに昔はアニメのための音楽ですが、今はまた違うかたちですか?
-井上
いちばん違うのは、いまはアニソンを歌いたくてプロを目指す若い人たちがいることです。昔はなかったと思います。まわりまわって、アニメソングを歌うことになった人たちが多かったんです。いまはアニメの主題歌を歌いたいという若者がたくさんいます。
-アニソンが持つ力は何ですか?アニソンはとても大きいジャンルですが、よく考えると音楽というジャンルがあって、そこでアニソン自体が様々なジャンルの音楽を包み込んでいます。これは大変不思議なことにも思えます。
-井上
志としては、愛や勇気ということをちゃんと歌っていかないといけない。僕が子どものころは、アニソンでそういうことを教わりました。弱い者イジメをしてはいけないとか。そうしたテーマがあるアニソンがありました。それをきっちり歌っていくことも、今の時代に必要じゃないかと思います。
あと海外にいくとよく思いますが、ファンのかたが日本語で歌っていますよね。それを見ると、アニソンは何を歌うべきか、国を超えて何を歌うべきかも見えてくる気がします。

井上俊次氏
第2回 「アニソン、海外を目指す!」に続く