映画の中心となる林由美香さんは、200本を超える映画に出演した女優、その圧倒的な存在感で知られていた。2004年に主演したピンク映画『たまもの』(いまおかしんじ監督)で、第17回ピンク大賞女優賞を受賞、ドイツのライプツィヒ国際映画祭にも招待されるなどの注目を浴びたが、翌年34歳の若さで亡くなった。 平野勝之監督はPFFなどで高く評価された後、アダルトビデオ(AV)『由美香の発情期』でデビュー、その後も多くのAVを手掛けた。1996年には、林由美香さんとの北海道自転車旅行を記録した『由美香』を発表、大ヒットとなった。また自転車旅行を題材とした「自転車三部作」を制作、『白 THE WHITE』をベルリン国際映画祭に出品する。今回は、自身の映画制作、そして私生活にも大きな影響を与えた林由美香のテーマにあらためて取り組む。