12月2日に東京藝術大学は、平成17年度4月より大学院の修士課程として新たに映像制作のためのクリエーターと技術者の育成を目的とした大学院映像研究科を横浜市に開設する。これまでの美術部、音楽部に加えて映像芸術・舞台芸術を教授することを目的としている。17年度は入学定員32名の映画専攻のみだが、大学は現在、アニメーション専攻とメディア映像専攻の申請を予定しており近い将来にアニメ制作、コンテンツ流通、知財管理を専門とする大学院が誕生する可能性が高い。また、博士課程の設置も視野に入れている。 今回設立された映画専攻の目的は国際流通に耐えうる映像作品を創造するクリエーターを技術的な面と芸術的な面で育成することである。カリキュラムは自主映画の作成と映画芸術研究が平行して行われる。映画専攻はさらに監督・脚本・製作領域(16人)と映画制作技術領域(16人)に分かれる。また、各領域はそれぞれが、監督、録音などに細分化しており少数精鋭を目指しているようだ。監督領域の教授には、ベネチア映画祭金獅子賞の受賞で知られる映画監督、俳優、タレントなど幅広い活動を行っている北野武氏が選任されたことが話題呼んでいる。 かねてより噂になっていた芸大のコンテンツ大学院であるが、アニメーション専攻の設立は来年度には間に合わなかったようである。今回設立された映画専攻の運営を見ながら残りの2専攻の具体的な方向性が決められていくのであろう。東京大学のコンテンツ創造コースがプロデューサー育成、コンテンツ管理の色合いが濃いのに対して、こちらは、クリエーター育成が主な目的とされており住み分けがかなり明白になっている。 海外の大学ではフィルムスクールと呼ばれる映像系の学科は日本の大学院では比較的少ない。大学教育で映画やアニメ・ゲームのクリエーターが育つのかという懐疑的な見方はあるのは事実だが、こうした分野も産業であり芸術でもあるのだとの認識を行政が持つことは重要ではないだろうか。東京芸術大学ではこれまでも、多くの学生がこうした分野に関心を示しながら、それを教授出来る場を持たなかった。メディア芸術に関心のある学生にとっては意味のある選択肢になるだろう。 現在の計画が順調に進めば、東京芸術大学は美術学部、音楽部、映像学部の3学部体制に進んで行き、その中でアニメやゲームも重要な位置を占めるようになるに違いない。/東京芸術大学 /東京大学大学院 情報学環 /Office KTANO
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