本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。
テキスト
――『異世界召喚は二度目です』という作品の第一印象を教えてください。
私が演じる夕陽が「ユキくん」と呼ぶ主人公のセツくんが、異世界に二度目の召喚をされるお話なので、すでに異世界の事情をいろいろわかっているところに意外性があっておもしろいなと感じました。それから、ユキくんと一緒に旅をする個性的で魅力的な女の子たちが次々と絶え間なく登場していくなど、物語のテンポがすごくいいんです。アフレコの前に原作コミックで作品に触れたのですが、一気に読んでしまうくらい作品に引き込まれました。
――アニメになって、印象が変わったところはありましたか？
原作のテンポのよさを引き継ぎつつ、キャストの皆さんのお芝居が乗ったことで、よりコミカルな部分が引き出されているなと感じました。第３話では、イカリングがインパクトのある登場をしましたし、よりおもしろさを感じられる作品になっていると思います。
――夕陽の第一印象は？
最初はかわいらしい女の子だなという印象でした。でも、まっすぐな意思を持った強さもあるんです。自分の思いに正直だし、きちんと考えながら行動することができる。幼なじみっぽいかわいいビジュアルではありますが、戦う女の子としてめきめきと力を付けていく姿がすごく素敵なんです。
――夕陽のどんなところが、とくに魅力的だと感じていますか？
妥協せず、自分のやりたいことに忠実に向き合うところと、ユキくんを大切にしたいとまっすぐ思っているところが魅力的ですね。ほかの女の子たちもみんなユキくんに強い想いを寄せていますが、私も夕陽ちゃんとして絶対負けないという気持ちで演じました。私はユキくん役の土岐隼一さん、女騎士・エルカさん役のかおりんさん（前田佳織里）と一緒にアフレコをすることが多かったのですが、エルカさんがグイグイ迫るタイプということもあり、とくにエルカさんには負けられないぞという気持ちが強かったです。
――夕陽を演じる際に、ほかに大切にしたことはありますか？
夕陽ちゃんは、周りから無理だと言われても、自分がこうしたいと決めたことは貫こうとするんですね。そういう強さは、しっかりお芝居でも出していきたいと思っていました。夕陽ちゃんは異世界に召喚されたのは初めてですが、順応性が高くてすぐ異世界に溶け込んでいくんです。ですから、普通の女の子感を出すよりも、ユキくんを守りたい、ユキくんに付いていきたいという気持ちを出していこうと思っていました。その一方で、ふとしたときに泣いてしまうようなかわいらしさもなくさないように心がけました。
――夕陽を演じる際に難しかったこととは？
夕陽ちゃんは第1話で炎魔法が使えるようになるのですが、魔法を使うときの声の強さを考えるのが難しかったです。あまり強く言い過ぎてかわいくなくなっちゃうのもイヤだったんです。中西基樹監督とも相談して、思いっきりやってから少し弱めてみるなどの調整をしました。最終的には夕陽ちゃんの思いを最優先して、力強く演じることになりましたが、第５話でそれを感じてもらえると思うので、ぜひ見返してもらいたいです。
――スタッフからのディレクションで印象に残っているものは？
第５話で「自分に言い聞かせるように言葉を発してほしい」というディレクションがあったんです。回りくどく考えずに演じようと思っていたので、外に向かって感情を発するお芝居が多かったんですね。でも、その指摘をもらって、内側に向けたお芝居も大事なんだなと思い、自分をがんばって奮い立たせるような、ちょっと弱さを感じさせるお芝居も加えていきました。
――夕陽に共感できるところはありましたか？
頑固なところでしょうか。私も、こうしたいと思ったらそれを貫きたいタイプなので、そこは共感できます。ただ、私は夕陽ちゃんのように度胸はないし、物事をまっすぐ捉えて努力できないので、そこは見習いたいです。
――主人公のセツへの印象は？
王子（ドＳ）という印象です（笑）。でも、本当はかっこいいんですよ。原作コミックを読んでいたときもアニメになってからも、とにかく「かっこいいな」と思うことばかりで。ユキくんは人に意見を押しつけないし、自分がこうしたいという理由で動く人なんですね。やさしくて裏がなく、強くて頼りになるし、人に寄り添ってくれる、本当に素敵な人です。でも、夕陽ちゃん目線からすると、いろんな女の子と関わるのはすごく複雑ですね。夕陽ちゃんが出演していないシーンでユキくんが無意識に人たらしをしている姿を見ると、気が気じゃなくなります。せめて第1話のように、髪の毛だけは夕陽ちゃんに切らせてほしいという気持ちでいます。
――放映は第７話まで進んでいますが、ほかに気になるキャラクターはいますか？
私、魔法使いのティアちゃんの見た目がすごく好きなんです。締めるところは締めつつ、やさしく接してくれるところも好きで。第５話では、夕陽ちゃんをフォローしてくれたし、でもツッコミは冷たいしで、つい目が追っちゃいます。それ以外だと、やっぱりエルカさんですね。夕陽ちゃんとはユキくんに対するマウントを取り合った仲なので（笑）。あと、かおりんさんとは共演する機会も多かったのですが、ドＭなキャラクターを演じるイメージがなかったので、キャストも含めて気になるキャラクターです。
――第７話までで、天野さんがとくに印象に残っているシーンは？
第５話で夕陽ちゃんが「誰の命も奪わない覚悟」をしたところです。夕陽ちゃん自身、異世界に召喚されてからそれほど時間が経っていないなかで、きっと迷いもあったと思うんです。でも異世界の人々と交流するなかで、逃げるのではなく、がんばって強くなりたいという思いから決断ができた。すごく大切に演じたこともあって印象深いです。第５話は、原作コミックだと番外編で描かれている、ユキくんと夕陽ちゃんの幼いころも描いてもらえていたのがうれしくて。幼いころの夕陽ちゃんや、そこからユキくんを守り抜きたいと決意を重ねていくところをていねいに演じられてうれしかったです。
――今後の見どころを教えてください。
ユキくんが一度目に召喚されたとき、一緒に戦っていた神代冬真というキャラクターと、ユキくんの思いがどう交わるのかを目を離さずに見ていただきたいです。それから、「二度目」というのが作品のポイントになっているので、二度目だからこその物語展開も楽しんでいただきたいです。また、覚悟を決めた夕陽ちゃんの戦いも、ぜひ見届けていただけたらと思います。
MegamiにQuestion
Q.自分のチャームポイント
A.立っている右耳
右耳だけめちゃくちゃ立ち耳で主張が激しいのですが、私は気に入っています。耳は大きいほうがいろいろ聞こえていいですよね（笑）。
Q.自分のニックネーム
A.トロちゃん、聡ちゃん、お聡
トロちゃんは高校時代からのニックネームで、入学式のあと、クラスで自己紹介をするときに「中トロが好きです」と言ったら「じゃあトロちゃんね」と言われてずっとそのままです。トロいからトロちゃんじゃないんですよ！（笑）それ以外だと、かおりんさんからは「聡ちゃん」、ほかの方からは「お聡」とよく呼ばれます。
Q.自分の声の特徴
A.空気成分の多いハスキー
素で空気成分が多い声なのですが、ビビットというよりはパステルだと思うので、「パステルハスキー」だと思っています。普通のハスキーだとかっこいいお姉さんという感じですが、それよりは高めですね。
Q.自分の性格
A.どマイペース
頑固でかつ超が付くほどのマイペースです。自分のペースで動きたいし、こうと決めたらそのペースを崩せないんですね。周りは同じくらいマイペースな子が多いので、わりと別行動をしていることも多いです。でも、許容してくれる友達が多くてありがたいです。
Q.いま、ハマっている趣味は？
A.銭湯、銭湯のサウナ
もともとお風呂に入るのが好きで、家でも1時間くらい入っていたのですが、銭湯に行くようになってハマりました。あと、サウナは自律神経がととのうと聞いて一度入ってみたら楽しくなっています。
Q.どんな魔法を使ってみたい？
A.瞬間移動
私、電車酔いが激しくて、15分くらい乗っているだけで辛くなっちゃうんですね。それから方向音痴もひどくて、駅から5分の美容室に１時間半かかったことがあるんです。なので、住所通りの場所に確実に行ける魔法があったら使ってみたいです。
Q.自分が異世界に召喚されたらどうする？
A.頼れる人を探します！
夕陽ちゃんはユキくんを守ろうとしましたが、私は絶対ユキくんの影に隠れちゃうと思います。とにかく知らない場所なので、誰かを探して頼らせていただきたいです。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.二期じゃないよ、一期だよ
『異世界召喚は二度目です』は第1話が第一期の最終話みたいで、第2話から第二期が始まるみたいな展開でしたが、一期だけど二度目というところがおもしろい作品なので、一期として見てもらいたいです。召喚二度目と一度目の子たちの違いを見るのも楽しいですし、夕陽ちゃんは一度目代表みたいなリアクションをするので、ぜひ追いかけていただきたいです。
取材・文／野下奈生（アイプランニング）
■Profile
あまの・さとみ／11月29日生まれ。神奈川県出身。ヴィムス所属。主な出演作は『アイドルマスター シンデレラガールズ』シリーズ 白菊ほたる役、『くまクマ熊ベアー』シリーズ ミサーナ・ファーレングラム役など。
■作品Information
毎週土曜日深夜2時よりABCテレビほかにて放映中
かつて異世界エクレールに召喚され、その世界を平和にしたセツ。その後、元の世界に転生して二度目の人生を歩んでいたセツだったが、またしてもエクレールに召喚されてしまう。平和だったエクレールは再び戦乱の兆しを見せており、セツは再度エクレールを救うべく奔走する。
あまの・さとみ／11月29日生まれ。神奈川県出身。ヴィムス所属。主な出演作は『アイドルマスター シンデレラガールズ』シリーズ 白菊ほたる役、『くまクマ熊ベアー』シリーズ ミサーナ・ファーレングラム役など。
■作品Information
毎週土曜日深夜2時よりABCテレビほかにて放映中
かつて異世界エクレールに召喚され、その世界を平和にしたセツ。その後、元の世界に転生して二度目の人生を歩んでいたセツだったが、またしてもエクレールに召喚されてしまう。平和だったエクレールは再び戦乱の兆しを見せており、セツは再度エクレールを救うべく奔走する。
（C） 岸本和葉・嵐山／双葉社・「異世界召喚は二度目です」製作委員会
