「女神のカフェテラス」月島流星役・山根綺インタビュー「私にはこれしかないと思えるものに出逢えたからこそ大事にしたい」 | アニメ!アニメ!

「女神のカフェテラス」月島流星役・山根綺インタビュー「私にはこれしかないと思えるものに出逢えたからこそ大事にしたい」

TVアニメ『女神のカフェテラス』より、月島流星(つきしま りほ)役を演じる山根綺のインタビューをお届け。

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  • 『女神のカフェテラス』キービジュアル(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
  • 『女神のカフェテラス』本PV(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
  • 『女神のカフェテラス』本PV(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
  • 『女神のカフェテラス』本PV(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会・MBS
MBS/TBS系全国28局ネット「スーパーアニメイズム」枠で放送中のTVアニメ『女神のカフェテラス』。本作は、東大現役合格の秀才・粕壁隼と、亡き祖母が営んでいたカフェ・Familiaを舞台に、“おばあちゃんの家族”を語る5人のヒロインとの共同生活を描くシーサイドラブコメディ。

アニメ!アニメ!では、本作のヒロインの1人である月島流星(つきしま りほ)役を演じる山根綺にインタビューを実施。流星を演じる際に心がけたポイントやアフレコ時のキャスト同士のエピソードなど、お話をうかがった。

[取材・文・撮影:吉野庫之介]



流星は5人のヒロインの中で一番いろいろなことを感じ取れる子


――最初に原作を読まれた際の印象を教えてください。

ラブコメディ的な要素だけでなく、物語の核がしっかりしている作品だと感じました。女の子一人一人にちゃんとドラマがあり、その気持ちに共感する。だからこそ、各キャラクターに感情移入してより好きになれる。そんな部分に魅力を感じました。

――オーディションに受かったという知らせを聞いたときは、どんなお気持ちでしたか?

家にいるときにマネージャーさんから「流星役で決まりました!」と電話をいただいたのですが、近隣の方に申し訳ないくらいめちゃくちゃ叫びました(笑)。私は原作を読んだときから流星を演じたいと思っていたので、“全山根が大歓喜”という感じで。嬉しくて、幸せな瞬間でしたね。

――流星役を演じたいと思った理由は?

原作の「君が粕壁隼くんか」というセリフとコマを見た瞬間に、ビビッときたんですよね。私はキャラクターを演じるとき、ある程度その子に寄り添った声を作っていくんです。ただ、流星なら地声に近いところで演じられそうだと感じて。もしかしたら声を作らず、素に近いトーンで勝負してオーディションに合格したのは初めてかも。それくらいしっくりくるキャラクターでした。



――お芝居でとくに大切にしたいと思ったポイントはありますか?

流星のファーストインプレッションって、おそらく多くの方が「ちょっと小悪魔的ないたずらっ子」というものだったと思うんです。でも彼女は実はすごく繊細な子で、ひょっとしたら5人のヒロインの中で一番いろいろなことを感じ取れる子なのかなと。そんな周りを見て対応できる女の子だと思ったので、そこがお芝居で視聴者のみなさんにも伝わるように意識しました。

――山根さんご自身と重なる部分もあったり。

流星ちゃんにはちょっと頑張りすぎてしまう部分があって、自分の限界を超えても頑張りたいと思う子なんです。そんな彼女の生き様はすごく理解できますし、自分と重なる部分だなと思いました。

たとえば、「休みはいらないです」という彼女の気持ちが私にもすごく分かるんです。私も誰かがなにかを成し遂げるときの力になりたい、必要とされたいという気持ちが強くて。そうなると、休んでいる場合ではないなと思う節があって。そんな自分のパーソナルとも照らし合わせながら収録に臨みました。

――そのほかに本作のアフレコで気を配ったことはありますか?

私は声を作って演じることはあれど、お芝居自体はふだん喋っているような感覚でナチュラルに演じるのが好みなんです。ただ、この作品の場合はそれだと絵に負けてしまうときがあって。わかりやすく感情表現の上下を作らないと、流星の浮き沈みの激しさや、テンションの上下の差が伝わりにくくなってしまうというか。

その表現に苦労して、音響監督の本山哲さんからもよく「もっとわかりやすく」というディレクションがありました。6話ぐらいまではいつも本山さんが収録終わりにブースに来てアドバイスをしてくださって。それから7・8話くらいの収録で「いい感じですね」とポジティブな言葉をいただいた日は帰り道で泣いてしまうくらい嬉しかったです(笑)。

どうしたら流星の魅力が伝わるか毎話考えながら演じているので、どうかお芝居の変化も見守っていただけたらと思います。



人って、退路を断つことで勇気が出るものだと思うんですよ。


――ほかのキャストさんとの印象深い出来事はありますか?

鶴河秋水(つるが あみ)役の鈴代紗弓ちゃんのアドリブシーンがたくさんあったのですが、そのどれもが面白くて。しかも「これもやりたいと思っていたんですけど…」と、まだまだアドリブできる余地がありそうだったので、すごいなと(笑)。思いついたらそのお芝居をやってみるという彼女の姿勢はすごく勉強になりましたね。

鈴代紗弓ちゃんとは別作品でも何度か一緒になったことがあったのですが、まだ一度も二人でごはんに行ったことがなくて。でも本作の収録終わりに時間があったので「いく!?」となって、ランチに行きました。そこでもう“爆裂に”仲良くなりました(笑)。

前々から思っていたのですが、私たちは似ているところがあるんです。誕生日が一緒で、私がハマっているタイプ別診断も同じ結果で。同じ星のもとに生まれたような気がしています。

――それくらい意気投合したんですね。

そうですね! もう、すごくいい現場なんですよ。幕澤桜花役の青木瑠璃子さんは、私のスケジュールが詰まっていたとき「大変だと思うけど、頑張って!」というメッセージを送ってくださったり、小野白菊役の和氣あず未さんにも励ましのメッセージをいただきました。

鳳凰寺紅葉役の瀬戸麻沙美さんは会うたびに「あー!」って、優しくフレンドリーに接してくださいますし、隼役の水中雅章さんとは麻雀の話で盛り上がりました。「経験を積むと四暗刻(スーアンコウ)などの役満をあえて狙わなくなってくるよ」と言われた記憶があります(笑)。いつか打ちましょうというお話をしました!



――優しい方が揃っている現場だったんですね。また、海辺のカフェが舞台の本作ですが、もしも山根さんがカフェを経営するならどんなお店が理想ですか?

よくイメージされる喫茶店のメニューにはオムライスやクリームソーダが並んでいると思うのですが、私は“絶対に喫茶店にはないようなメニュー”を加えたいです。たとえば「子どもの頃に食べた思い出のスイカバー」みたいな。あとは夏は縁側の雰囲気を楽しめて、冬はこたつを置きたいですね。

――それは毎日通いたくなりますね(笑)。

Familiaのようなおしゃれカフェも素敵だと思うのですが、私のカフェは「ただいまー!」って言いたくなるような、お家に帰ってくるような気持ちになれるお店にしたいです。私、本当にカフェを経営するのが夢だったんですよ!

――その夢はいつ諦めたのですか?

22、3歳くらいのときですね。

――思いのほか最近なんですね(笑)。

そうなんです(笑)。人って、退路を断つことで勇気が出るものだと思うんですよ。逃げ道はあった方がいいと思うんですけど、自分の中で「最悪この道もある」と思っていい時期といけない時期があって。「ここまでやってきて自信がついてきたな」と思えるようになるまで、私は退路を断つべきだなと思っているんです。

夢を叶えるために必要なのは、それ以外を犠牲にする覚悟を持つことであり、それを持って行動に移せた人だけが目的地にたどり着けるものだから、20代前半で「私はこの道で生きていく」と決めました。こういう質問ではなかったのにすみません! お話をしている間に昔のことを思い出してしまって(笑)。

――いえいえ、すごくいい話の脱線をしたなと思って。表現者特有の思考というか、「自分はこれをしないと生きていくことができない」という感覚は私もとても共感を覚えます。

ネガティブではなくポジティブな意味で「私にはこれしかない」と思えるものに出逢えたからこそ大事にしたいと思えますし、藁にもすがる思いでしがみついていたいと思うから、泥臭くても頑張ります。

――最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いします。

キャストは現場でこの作品の話をずっとしているくらい、愛を持って演じています。制作スタッフさんも、いつも収録時間ギリギリまで「こうやりたいです、こうやりましょう」とこだわって作っていらっしゃいました。たくさんの人の大きな愛が詰まった作品なので、ぜひこれからの放送もお楽しみください!



TVアニメ「女神のカフェテラス」

■放送情報
MBS/TBS系全国28局ネット「スーパーアニメイズム」枠:2023年4月7日(金)より毎週金曜日25:25~
BS日テレ:2023年4月10日(月)より毎週月曜日23:30~
AT-X:2023年4月12日(水)より毎週水曜日21:30~ ※リピート放送あり、毎週金曜日9:30~、毎週火曜日15:30~

■配信情報
DMM TV、ABEMAで最速配信
dアニメストアほか各配信サイトで配信

■スタッフ
原作:瀬尾公治(講談社「週刊少年マガジン」連載)
監督:桑原智
シリーズ構成:大知慶一郎
キャラクターデザイン:野口征恒
音楽:兼松衆、櫻井美希
アニメーション制作:手塚プロダクション

■キャスト
粕壁隼:水中雅章
小野白菊:和氣あず未
月島流星:山根綺
鶴河秋水:鈴代紗弓
鳳凰寺紅葉:瀬戸麻沙美
幕澤桜花:青木瑠璃子
粕壁幸子:伊倉一恵

(C)瀬尾公治・講談社/「女神のカフェテラス」製作委員会
《吉野庫之介》
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