2018年の初開催に続き2度目となる今回は、「男性部門」「女性部門」に加え、新設となる「BL部門」「TL部門」の4部門で実施。12月4日まで一般投票を受け付けている。
4部門から54のマンガ作品がラインナップされたが、大賞に選ばれるのはどの作品なのだろうか?
そこで今回、マンガを年間500冊近く読むというマンガ好きの声優・増田俊樹さんにインタビュー。大賞を受賞しそうなマンガ作品を予想してもらいつつ、さらにご自身のマンガ体験まで幅広く語ってもらった。
[取材・構成=乃木章]
「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2019」
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投票期間:~12月4日(火)23:59
部門:女性部門、男性部門、BL部門、TL部門
推薦作品数:54作品
投票方法:特設サイトの「投票する」ボタンをクリック ※会員登録不要
>特設サイトはこちら
■「マンガ主人公のマインドに触発を受けます」年間500冊近くマンガを読む増田俊樹のマンガライフとは?
――かなりのマンガ好きだそうですが、普段どのようなマンガライフを送っていますか?
増田俊樹(以下、増田)
少年マンガや青年マンガがとくに好きで、「週刊少年サンデー」(小学館)、「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊少年ジャンプ」(集英社)は購読しています。
この3誌は昔から読み続けていますね。そのほか、雑誌ではなく単行本で初めて触れる作品も多いです。
単行本も週刊誌も、もう紙ではなく電子書籍で購入して読むようになりました。
――電子書籍で揃えているんですね。
増田
やっぱり紙で全て揃えようとすると本棚が幅を取りますから。コレクション的な意味合いで紙は良いですけど、収集欲よりも「マンガを読みたい」という意識のほうが勝っているんです。
それに、お店に足を運ばなくていいのと、移動時間など暇な時間にすぐ読むことができるのは大きいですね。
僕の場合、日々の生活の中に「コミックシーモアで新刊チェックをする」と言うルーティーンが組み込まれています(笑)。
だいたい2週間に1回は新刊をチェックしては、表紙買いをしちゃいます。毎日2冊は新刊を読みたいぐらいで。
あと、マンガは「巡り合わせ」も大事ですね。表紙も1巻、2巻、3巻と巻数によって全然違っていて、どこで惹かれるか分からない。
3巻の表紙じゃ惹かれなかったのに、4巻の表紙で気になって読み始めたらすごくハマることもあります。
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――たくさんマンガを読まれるなかで、とくにどういったジャンルがお好きですか?
増田
心理戦のような駆け引きのある作品が好きです。たとえば、完結している作品だと『嘘喰い』や『LIAR GAME』、『ACMA:GAME』、連載中の作品だと『トモダチゲーム』あたりです。
用意されたゲームに対して主人公や仲間たちが色んな策を練って勝ちに行ったり、ダークヒーロー的な要素が入っていたり、読み手として想像の域を超えるどんでん返しがあったりするのが面白いんです。
あと福本伸行先生の作品も大好きで、『カイジ』シリーズはもちろん、連載再開が待ち遠しい『賭博覇王伝 零』も読んでいました。
――ちなみに、少女マンガなど女性向けマンガは読みますか?
増田
少年マンガや青年マンガと比べると、自分から進んで読むことは少ないですが、メディア化されたり、有名な作品だったり、周りの人たちに薦められて読んでみようと買うことはありますね。
少女マンガはジャンルの幅が未だに掴めていなくて、とりあえず気になった作品を読んでみる、という感じです。
――少年マンガとは違った面白さがありますか?
増田
少女マンガは、ヒロインと一体化する「体験型」と、ストーリーを一歩引いた視点で見る「俯瞰型」があると思うんです。僕は俯瞰型が割と好きですね。
『東京タラレバ娘』などは俯瞰でヒロインたちを見られるからこそ「あ、こういうこと考えてるんだ!」と女心を知ることができたりとすごく面白く感じます。
あと競技かるたを題材とした『ちはやふる』のように、恋愛だけでなく何かしらの軸がメインにあって、主人公の成長する過程で恋愛も描かれるような作品は最後まで読んでしまいますね。
――実生活でもマンガに影響されたことはありますか?
増田
たくさんあります。実は1年前ぐらいからゴルフをはじめたのですが、それも『ライジングインパクト』がきっかけです。読んでいた当時から「ゴルフをやりたい!」と思っていて、若い頃は手を出しにくいスポーツでしたが余裕もできてきたし、ちょうど周りにもはじめてみたいという人が増えてきたのでやりはじめました。
マンガから知識を得ることも多くて、同じゴルフマンガですが『ROBOT×LASERBEAM』でフックのかけ方が説明されていたので、「お!やってみよう!」と思って試してみたんです。それで知り合いの前でやってみせたら「どこで習ったの!?」と驚かれたので、「マンガで習った!」と(笑)。
――マンガから実生活に役立つ知識を得られていると。
増田
僕は没入型なので、よく主人公のマインドに触発を受けます。
声優デビューしたてのころに読みはじめた『グラゼニ』は、当時の自分と重なるものがあり、かなり刺さりましたね。
プロ野球選手はたった一球のミスで仕事を失ってしまうこともある。『グラゼニ』がグラウンドの下にゼニが埋まっているとしたら、僕ら声優はマイクの下にゼニが埋まっているようなものなんだなと。
それで気合いを入れてアフレコに臨んだものの、結局、リテイクを重ねてしまい……「なんて情けないんだ!」という気持ちになったことも(苦笑)。
これはいろんな作品に共通することですが、マンガで描かれる主人公たちのメンタルはすごく前向きなんですよね。だから僕も、彼らの姿を見て「頑張ろう」となるんです。
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