■ノミネートされた作品を読んだ、増田さんの所感は?
――ここからは増田さんに「みんなが選ぶ!電子コミック大賞2019!」の「男性部門」と「女性部門」でどの作品が大賞に選ばれるのか、予想していただきます。まずノミネートされた作品を読んでみて、いかがでしたか?
増田
男性部門は、「グルメもの」と「異世界転生もの」が印象的でした。グルメはやっぱり人間には欠かせないものだし、身近な存在なので共感を集めやすいんだと思います。「異世界転生もの」はもう完全に今の流行ですよね。
女性部門を読んでいて思ったのは、「オラオラ系」や「王子様キャラ」が多かったなと。それはやっぱり、女性の“夢の中の憧れ”なんだろうなと感じました。
――増田さんは声優としてキャラクターを演じるとき、「女性が憧れるような男を演じよう」といった意識はありますか?
増田
それはないですね。何が良いと感じるかは人それぞれなので、僕は表現者として、出来れば全ての人に向けて演じたい。だから「これがいいんだろう?」と決めつけて演じることはありません。
たとえば、普段はニヒルで冷たい男性キャラクターがいて、でも実はおっちょこちょいという一面があったとします。そのおっちょこちょいのところだけを切り取って可愛く演じたら、あざとくなる。作品全体で見たときに、そのキャラクターの行動が不自然に見えるようなお芝居はしないようにしています。
■増田さんが選ぶ、男性部門の大賞候補はどれだ!?
――男性部門で有力候補をまず挙げるならどれでしょう?
増田
まずは『空挺ドラゴンズ』です。表紙からグッとハートを掴まれましたね。
増田
実際に読んでみると、ファンタジーな世界観が素晴らしくジブリ作品が好きなアラサー・アラフォー世代はすごく好きなんじゃないかなぁと感じました。
表紙の絵柄的に「ファンタジーアクションなのかな?」と思ったらまさかの「食べる系」で驚きました。
龍を食べて「美味しい」と言われても味の想像はつかないんですけど、食べる描写で見せるわけではなく、龍を狩る人々の生き様がすごく丁寧に描かれていて、そこが面白かったですね。
――続いて、2作品目は?
増田
『迷宮ブラックカンパニー』です。もともと新刊発売のときから気になっていたタイトルではありました。
増田
最近流行りの「異世界転生もの」だなと思って読んでみたら、ほかの作品と違ったテイストで意外性がありました。
『迷宮ブラックカンパニー』は、主人公がぶち当たった壁をふとした発見やひらめきで乗り越えていくんですけど、それでもすんなりと上手くいかない。
先の展開がある程度予想つくと思ったら、「え?そうきたの?」という驚きがあります。想像していたのとは違う展開になるので、「次はどう驚かせてくれるのか?」と毎回楽しみなんです。
――では、3つ目の作品は?
増田
オンラインゲーム『ドラゴンクエストX』で知り合いルームシェアをしている男女2人を描いた『ゆうべはお楽しみでしたね』です。
増田
僕もオンラインゲームが好きだし、ひとつ屋根の下で男女が同じ趣味のゲームで遊ぶというシチュエーションがシンプルに羨ましいなと思いました(笑)。
あとゲームそのものの面白さを描くというよりは、人間ドラマが深く描かれている点も良かったですね。
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