子どもの何気ないひと言にハッとさせられた、意外な視点に感心した、などの経験はありませんか?
現在放送中の『SPY×FAMILY』や2022年7月より放送予定の『組長娘と世話係』でも、これまで子どもと接点のなかった大人が、次第に変わっていく過程が描かれています。
子どもだけでなく大人も一緒に、共に成長する“共育アニメ”は、どれも名作ぞろい。おすすめの6作品をチェックしてみましょう。
なりゆき任せにするしかない楽しさ『SPY×FAMILY』
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緊張感漂う冷戦下で、スパイ活動の一環として偽装家族を作ることになったロイド・フォージャー。孤児院から引き取った娘・アーニャを利用して、平和を守るために暗躍しています。
敏腕スパイとして数々の高難易度ミッションをこなしてきたロイドですが、子ども相手では思い通りにいかない様子。予想外の行動ばかりするアーニャに任せるしかない状況に、当初は不安やいらだちを感じていました。
しかしアーニャと関わるうちに、自分がスパイとして働く理由を思い出したロイド。作戦を順調に進めることよりも、アーニャに根気強く向き合うことを選びました。
偽装結婚した妻のヨルも加わり、少しずつ家族らしくなっていくフォージャー家。
振り回される場面は増える一方ですが、「MISSION:6 ナカヨシ作戦」で「最近わりとなりゆき任せですので」と言うロイドは、あきれつつもとても柔らかい表情をしていました。他人に心を許しはじめたロイドの今後から、目が離せません。
忘れていたつながりを取り戻す『うどんの国の金色毛鞠』
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血のつながらない子どもと、親子のような関係を築いていく『うどんの国の金色毛鞠』。ただし子どもは人間ではなく、タヌキの男の子です。
東京で働いていたウェブデザイナーの俵宗太は、父親が亡くなったため休暇を取り、久しぶりに故郷の香川県に帰省します。
うどん屋だった実家で見つけたのは、人間に化けたタヌキのポコ。ポコの正体を知り驚いた宗太ですが、外は危険だからとつい面倒を見てしまいます。
端から見れば親子のような2人。同じく子育てをしている地元の同級生と再会したときは、共通の悩みで盛り上がっていました。
ポコを育てはじめたことがきっかけで、友人とのつながりを大切にしはじめた宗太。東京にいた頃は忘れていた、故郷の魅力にも目を向けるようになります。
休暇後は東京に戻るか、このまま故郷でポコを育て続けるか……宗太が下した決断に注目です。
食事でつむがれる親子の絆『甘々と稲妻』
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実の親子でも、お互いをわかりあうのは一苦労。『甘々と稲妻』では、高校教師の犬塚公平が、娘のつむぎと食事の時間をともに過ごすことで絆を深めていきます。
仕事が忙しく、つむぎと一緒に食事をとることが減っていた犬塚先生。妻が亡くなってからは手作りのご飯を食べる機会もほとんどなく、市販の弁当に助けられています。つむぎもそんな犬塚先生に迷惑をかけまいと、文句を言わずに成長しました。
ある夜、つむぎがテレビの料理シーンを食い入るように見つめている姿に出くわした犬塚先生。つむぎの本心を知り、温かい手作りご飯を食べさせたいと思いはじめます。
その後“ごはんやさん 恵”の娘、小鳥にも助けてもらいながら、犬塚先生は料理にチャレンジ。つむぎの嫌いな野菜や、我慢していた本当に食べたいものを知り、料理の腕を磨こうとしたこともありました。
お互いを思いやり、ご飯を通して心の距離を縮めていく2人を見守りたくなる作品です。
守るだけが愛情ではない『サクガン』
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「かわいい子には旅をさせよ」というものの、実際に子どもを危険な場所につれていくのは勇気がいるもの。『サクガン』のガガンバーも、娘のメメンプーを安全な“コロニー”で育てようとします。
ところが未開の地“ラビリンス”に旅立ちたいと、何度も家出をはかるメメンプー。それを阻止するのが、ガガンバーにとっての日常になっていました。
メメンプーはとある事件をきっかけに、ラビリンスの恐ろしさを知ります。
命がけだとわかっていながらも、好奇心が抑えられないメメンプー。ガガンバーはそれでも娘をひとりで送り出すことができず、一緒に旅立つことを選びました。
過保護な部分があるガガンバーですが、旅をするうちに守るだけが愛情ではないのだと気づいていきます。
第9話「END OF VACATION」で2人がたどり着いた、相棒としての親子関係には心を揺さぶられるはずです。
視野を広くする大切さを知る『ばらかもん』
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親子以外にも、大人と子どもの関係性はさまざま。『ばらかもん』では書道家の半田清舟が、移住先で出会った近所の小学生・なるをはじめとする子どもたちに影響を受けて成長していきます。
書道の実力はあるものの、性格に少々難ありの半田先生。都会での人間関係がうまくいかず、長崎県の五島で頭を冷やすことになりました。
書道に集中できると思ったのも束の間、なるに平穏を邪魔されてしまいます。何度つまみ出しても家に侵入されたり、書道の道具を勝手に使われたりとペースを乱されてばかりです。
最初はいらだっていましたが、なると過ごすうちに視野が広がっていく半田先生。自然の中で遊ぶ、子どもに書道を教えるなど、都会では得られなかった体験をするきっかけをもらいます。
その結果、「型にはまった基本通りの字」だと指摘されていた作品がどう変化していくのか、見守ってみてください。
誰かのためを想う優しさに気づく『組長娘と世話係』
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“桜樹組の悪魔”として恐れられる若頭・霧島透が、組長の一人娘である小学生・八重花の世話係に任命される作品。若頭としての実力はあるものの、子どもと接するスキルは皆無の透が、八重花と打ち解けようと努力を重ねていきます。
敵対する人物に対しては容赦なく暴力を振るい、スピーディーに片付けてきた透。しかし八重花の髪をうまく結べずぐちゃぐちゃにしてしまうなど、子どもの世話に関しては慣れないことばかりです。
八重花も仕事の忙しい父親を困らせないようにと、知らず知らずのうちに本心を隠すようになっていました。
難易度の高い仕事に頭を抱える透ですが、あきらめずに向き合ううちに変化が。透の中に優しさが芽生えていく様子を、7月から始まるアニメで見届けてください。
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大人と子どもが、お互いにないものを補い合って成長していく光景には、きっと胸を打たれるはず。みなさんもお気に入りの“共育アニメ”を見つけてみてはいかがでしょうか。