アニメコンテンツをヒットさせる“企画術”とは? ぴえろ布川氏×ポリゴン・ピクチュアズ塩田氏が明かす | アニメ!アニメ!

アニメコンテンツをヒットさせる“企画術”とは? ぴえろ布川氏×ポリゴン・ピクチュアズ塩田氏が明かす

4月4日(水)から6日(金)にかけての3日間、東京都港区の東京ビッグサイトにて国内最大規模のコンテンツ関連の展示会「コンテンツ東京2018」が開催された。今回はその中のひとつ、コンテンツビジネスコースにて開催された「気鋭のプロデューサー対談」についてレポートする。

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左から布川郁司氏、塩田周三氏
  • 左から布川郁司氏、塩田周三氏
  • 左から布川郁司氏、塩田周三氏
4月4日(水)から6日(金)にかけての3日間、東京都港区の東京ビッグサイトにて国内最大規模のコンテンツ関連の展示会「コンテンツ東京2018」が開催された。アニメやゲーム、キャラクターなど、コンテンツに関わる様々な企業やクリエイターがビジネスマッチングを目指す展示会だが、アニメビジネスに関わる特別セミナーも数多く開催された。
今回はその中のひとつ、コンテンツビジネスコースにて開催された「気鋭のプロデューサー対談」についてレポートする。

4月5日(木)に開催されたセミナー「気鋭のプロデューサーが語る、ヒットするコンテンツの"企画"と"流通"」では、アニメ制作スタジオ・ぴえろの最高顧問、布川郁司氏と、ポリゴン・ピクチュアズの代表取締役、塩田周三氏がパネリストとして登壇。モデレーターは青山学院大学総合文化政策学部の内山隆教授が務めた。

セミナーは布川氏のプレゼンテーションから始まった。1983年放送のぴえろ初のオリジナルTVシリーズ『魔法の天使クリィミーマミ』、2002年から続く『NARUTO -ナルト-』シリーズ、2015年放送の『おそ松さん』などを例に、アニメファン層の拡大やそれに伴うスポンサー企業の変化、放送時間帯の深夜帯への移行など、35年間のアニメ産業の変化を紐解いた。
『おそ松さん』企画時の苦労として、出資を求めた際にスポンサー候補企業の担当から「今どき(おそ松)ですか?」と何度も言われたことを明かした。また、社内では同作のヒットの予感は掴んでいたが、ヒットの規模までは分からなかった、と振り返った。

続いて塩田氏のプレゼンテーションでは3DCGスタジオであるポリゴン・ピクチュアズ創業の理念「誰もやってないことを圧倒的なクオリティで世界に向けて発信していく」に基づき海外企業と作品制作をしてきた経験から、海外とのコンテンツビジネスの成功法則を「姿勢」「品質」「人脈」「透過性」「価格競争力」「商習慣」「交渉力」の7つのポイントで語った。

「透過性」のパートでは、日本のアニメ制作プロセスは海外から見ると非常に不透明であり、ハリウッドのような完成保証会社との契約もないため、ビジネスを敬遠されるケースがあること、海外とのビジネスを増やすのであれば制作プロセスも合理化・透明化する必要があることなどが語られた。
また「交渉力」のパートでは海外企業との法的・権利的な交渉を担う弁護士「エンタメロイヤー」の重要性について触れ、その一例としてポリゴン・ピクチュアズでは現在雇用しているエンタメロイヤーと出会うまでに30人との面接を行ったことを明かした。

左から布川郁司氏、塩田周三氏
セミナー後半は内山氏からの質問に応じるコーナーとなった。アニメプロデューサーの現状について問われると、布川氏は「昔のアニメは放送時間帯がある程度決まっており視聴対象の幅も狭かった。今は漫画原作だけでなくオリジナル作品も含めて、音楽を前面に出したりなどいろいろ工夫ができる。感性を常に研ぎ澄ましていないといけない、という大変さはあるが、面白いことを考えているプロデューサーが増えているように感じる」と答えた。

「自由すぎるクリエイターにイライラすることは?」という問いに、塩田氏は「(ポリゴン・ピクチュアズでは)今むしろ自由にやれるよう少し形を崩している」と答えた。その理由として「サッカーと同じで、ディフェンスにはロジカルさが、オフェンスにはひらめきが必要」と語り、アニメ制作においてディフェンスにあたるエンタメロイヤーの雇用や制作工程のシステム化と並んで、オフェンスと言えるクリエイターの感性やひらめきを大事にすることの重要性を説いた。

最後の質問「アニメは世界に合わせるべきか?」には、布川氏は「いい作品を作るためにはもっとグローバルなやり方を学ぶ必要がある」、塩田氏は「週1回放送30分という日本式のフォーマットは世界でも受け入れられているので、それを楽しんでいる人に届けるのがいいのでは」と答えた。
塩田氏は最後に「5年間アニメ産業に携わって感じるのは、世の中の価値がモノからコトへと体験経済に変わってく中で2.5次元ステージや声優の握手会など新たなコンテンツが生まれており、マーケティングが常に顧客目線で斬新。ビジネスパーソンもぜひこれを活かしてほしい」とさらなるコンテンツビジネスの活性化を呼びかけ、セミナーを締めくくった。

[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]
《いしじまえいわ》
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