レントンの物語をまさに体験!4DX版「エウレカセブン ハイエボ1」は予想以上の没入感でした | アニメ!アニメ!

レントンの物語をまさに体験!4DX版「エウレカセブン ハイエボ1」は予想以上の没入感でした

全国ロードショー中の『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』(以下、『ハイエボ1』)が10月28日より4DX/MX4Dとなり、全国71館で上映開始となります。

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(C)2017 BONES/Project EUREKA MOVIE
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全国ロードショー中の『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』(以下、『ハイエボ1』)が10月28日より4DX/MX4Dとなり、全国71館で上映開始となります。

レントン・サーストンと人型コーラリアン、エウレカのボーイ・ミーツ・ガールを描いたTVシリーズ『交響詩篇エウレカセブン』から12年。今回制作された『ハイエボ1』は、再構成した当時の映像に約30分の新作カットを加えたもの。新しい物語に生まれ変わった劇場版3部作の第1弾です。その4DX版の先行上映を鑑賞しましたので、体験レポートをお送りします。


※本稿には作品のネタバレに繋がる内容が含まれています。予めご了承下さい。



■耳の後ろゾクッ!

場所はユナイテッド・シネマとしまえん。4DXが行われるスクリーン4は収容人数104人の中型劇場ですが、スクリーンサイズは約200人を収容するスクリーン9と同じ。4DX初体験のため緊張しながら座席に着きます。足置きも付いた座席はゆったりサイズで、右の肘掛けには「WATER ON/OFF」のスイッチ。そうか水も飛んでくるのか……。いや、水が飛んでくるシーンあったかな、などと思案しながら上映を待ちます。
気になるのは前の座席背面に付いている『父を探して』(アレ・アブレウ監督)の主人公の顔みたいな突起物。絶対何か出る……(何が出るかはご自身でご確認ください)。全席可動式のため、座席の前後は広めに作られています。収容人数に対してスクリーンサイズが大きいのは座席間のスペースの広さも関係しているようです。


さて、始まりました。冒頭、主人公レントンの父、アドロック・サーストンの印象的なシーンから始まるのですが、いきなり座席がブルッ! 耳の後ろを風がブシュッ! その後、相次ぐKLF(人型機動兵器の呼称)と情報生命体・スカブコーラルたちのバトルシーンではブルブルッ!ガンガンッ!グィーングィーン! 動く揺れる背中を叩く、風が耳の後ろにバンバン吹く、とさながらジェットコースター。
最初に揺れた時点で思わずニマッと笑ってしまったのですが、サマー・オブ・ラブ(本作で初めて描かれる重大事変)が発生するころには茫然自失、まな板の上の鯉状態です。スクリーンで進行している物語の求心力と、身体に走る衝撃が今までにない情報量として押し寄せてくるため、とにかく自分の身に起きていることを理解するのに必死でした。


Aパートの「10年前の出来事」が終わり、レントン・パートになるとある程度落ち着いて鑑賞できるようになりました。座席の動きにも慣れてきて、物語とのリンクをより体に感じることができて没入感が増してきます。クライマックスへ至るころには、義父、チャールズと一緒にレントンがSH-101に乗った淡いひとときを自分も体験していたような気持ちになり、強い感情がこみ上げてきて目頭が熱くなりました。エンディングテーマ「Glory Days」とスタッフロールが心に深く沁み入ります。

■まとめ

今回の『ハイエボ1』4DXで実感したことは、物語と座席の動きがリンクすることで、登場人物の心情が理屈ではなく伝わってくるということ。レントンの過ごした時間、アドロックの直面した出来事、鑑賞時間そのものが体験となって積み重なり、最後にレントンが見た景色が、通常の鑑賞とは全く違うものに感じられました。それは、「あなたの体験」という第三者的視点から、「ぼくの体験」という一人称視点への変化のようにも思えます。
鑑賞者は作品制作者と同じ感情を持ち得ませんが、座席が動いたり、(耳の後ろに)風を受けることで、制作者たちが込めた、キャラクターたちの感情を、その時々で擬似的に内在させられていた、そんな思いが残りました。


4DXとの親和性に驚くと共に、『ハイエボ1』の作品としての強度や、レントンの感情の組み立ての緻密さに改めて感銘を受けたことも大きな発見でした。『ハイエボ1』の新しい体験が、10月28日から始まります。
《細川洋平》
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