【文/アメコミ映画批評家 杉山すぴ豊】『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』の製作発表のニュースを僕のツイッターで紹介したら、あれよあれよという間にすさまじいRTの嵐となりました。マーベル映画が続々と公開され、「マーベル展」も大盛況で、確かに“マーベルきている!”状況なわけですが、それにしてもこの反響は予想以上のものでした。つまり、映画やイベントと同じぐらい、日本で作るマーベル・アニメにみな期待しているわけです。本国アメリカでもマーベルは数多くアニメ化されていますが、基本原作コミックス等のエピソードをベースにしています。それに対し日本発のマーベル・アニメは3年前の『マーベル ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』(これも素晴らしい作品でした)、今回の『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は全くのオリジナル作品。マーベルの世界を少年たちの視点で描くというジュブナイルとしての面白さがあります。こういう“子ども視点でマーベルの世界を見てみる”というのは、ありそうでなかったアプローチ。“ヒーローと友だちになれたらどんなに楽しいだろう”そういう子どもたちの憧れを描いたのが『マーベル ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』でした。そして『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は“自分がヒーローになれたらどんなに素敵だろう”的な子どもたちの究極の夢に挑戦しています。そう今度の『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は主役である子どもたちが、スーパーパワーを持っているのが特徴! 従ってよりアクションが派手! 子どもでありながら、ヒーローたちと一緒に戦えるわけですから見ているほうも盛り上がります。しかも一人一人に与えられた能力がユニークで各自異なる、というあたりもX-MEN的な感じでいいですね! また映画『スパイダーマン:ホームカミング』でアイアンマンと新米ヒーローのスパイダーマンのやりとりが面白いように、少年少女のヒーロー候補生と大人のアベンジャーズたちのかけあいのドラマで魅せてくれます。さらにシリーズを通じての大きな謎もあるようで連続ドラマとしても見逃せません。その一方で、アニメの制作がマッドハウスさんになり、アベンジャーズ等のヒーローたちがよりクールでスタイリッシュになった印象です。特にキャプテン・アメリカやソーは映画や原作コミックスのイメージにより近づいたかな。『マーベル ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』の時は、これから映画でメジャーになっていくガーディアンズ オブ ギャラクシーやデッドプール、ドクター・ストレンジ等のキャラが先駆けお披露目的に登場し、マーベル入門としてもよくできていました。今回もこの先映画でデビューするようなヒーローやヴィランが後々出てくるそうです。個人的にはブリー・ラーソン出演で19年に映画化される“キャプテン・マーベル”あたりが出てきてほしい。“フューチャー”というコトバが示すとおり、本作では少年たちが次の時代のヒーローになっていく様が描かれるわけですが、すぐれたヒーロー物は、ヒーローの強さだけではなくいかにヒーローになっていくのか、という成長部分をフォーカスしています。そういう意味で『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』は傑作の予感がします。個人的には第一話のヴィランがレッド・スカルだったことがツボ。恐らくマーベル・ユニバースの中でも最も邪悪で怖いスーパーヴィランです。のっけから彼が登場するなんて! 『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』やっぱり只者ではない!(笑)『マーベル フューチャー・アベンジャーズ』(C)2017 MARVEL
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