「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る

あにめたまご2017よりSTUDIO4℃制作『RedAsh -GEARWORLD』について、佐野雄太監督と久江由華プロデューサーにインタビューを行った。

インタビュー
PR
注目記事
「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
  • 「RedAsh -GEARWORLD」新感覚のルックで魅せるフル3DCGアニメ 佐野雄太監督が見どころ語る
――キャラクター制作についてもお聞かせください。作画であれば描けばできあがり、という作業でも、CGではキャラクターモデリングが必要です。この辺りのスケジューリングはどのようにされたのでしょうか。

佐野
モデリングは1体に5日~10日くらいかけて作ってはリテイクして進めていきました。最初、正面からのイメージイラストしかなかったので、それを3Dにするためにモデリング用の3面図をCG班で作っていきました。

作画だったらキャラクターデザインありきでスタートするものですが、この作品はアニメーション(※)を作りながらモデルがどんどん最新版に更新されていき、最終的なルックが決まったのはアニメーション作業が終わってからでした。
(※アニメーション:この場合「演技付け/動き付け」を意味する)

――若手アニメーターさんにモデリングを担当させたりしたのでしょうか。

佐野
若手にはアニメーション部分だけをやってもらっています。さすがにモデリングは時間もテクニックも必要なので難しいだろうと。

――今回CGモデルを作るに当たって注意したところは?

佐野
動きに特化したシンプルなモデルを目指しました。最近の傾向ではゲームなどでもCGで甲冑とか、すごくたくさん身につけていますよね。でもCGアニメーターが演技をさせようとすると、めり込み(※)を注意しなくてはいけないんです。だから装飾品を少なくして動かしやすいモデルとしました。アニメーションの勉強に適したリグ(※)になっていると思います。
(※めり込み:体にオブジェクトがめり込んでしまう)
(※リグ:3DCGモデルを動かす為のシステム)


――美術面では、『キルラキル』や『ブブキ・ブランキ』の美術監督を務められた金子雄司さんが担当されています。

佐野
久江プロデューサーのおかげですね。いろんなところに声をかけてくれて金子さんにお願いすることになりました。

久江由華プロデューサー(以下、久江)
美術設定は絵コンテを担当したアニメーターに起こしてもらったのですが、美術ボードは金子さんに仕上げてもらいました。美術設定などが揃ってきた当初から、金子さんには声をかけたいと思っていたのでこの作品を面白がってくれて引き受けてくれる事が決まった時は、この作品の完成が楽しみになりました。

佐野
背景まで全てフル3DCGのシーンがあるんですが、当初は美術で描いたものと3DCGのギャップが大きくなるんじゃないかと不安でした。でも3DCGに深い理解がある金子さんがいろんなアイデアを出してくれたおかげで違和感なく仕上げることができました。すごく助かりましたね。

――アニメーションの方向性についてもうかがいたいのですが、本作はフルアニメーションとリミテッドアニメーション、どちらの方に寄せて制作されたのでしょうか。

佐野
3コマ打ちをベースに、と考えていました。そのため、レイアウトは作画監督の清水保行さんを中心に作画で描いてもらいました。3Dでは以降の過程でもカメラを動かせてしまうのでレイアウトに対するに意識が希薄になりがちです。作画の方にお願いするとやはり絵がバッチリ決まりますね。それは大切にしていきたいと思っていて、教育としても伝えていこうと思いました。ものの配置や構図の重要性を学ぶことにもなりますから。

とはいえ、作画でできるような作品にはしたくないという思いがあるんです。なにしろ自分はCGに魅力を感じてこの業界にいますから。できるだけCGならではの表現になるように心がけています。


――育成の面でもうかがいたいのですが、若手CGアニメーターさんたちはどこまでを担当されたのでしょう。

佐野
アニメーション(演技)部分をお願いしました。CGは作画のように原画と動画で分けることができないので、担当カットの演技は全て彼らに任せています。ただ、みんな本当にキャリアが浅い子ばかりなので、まずはイメージポーズというものを各カットで描かせました。

――イメージポーズ、ですか。

佐野
各シーンのアニメーション(演技)の打ち合わせをしたあと、各自でイメージしたレイアウトを紙に描いてもらうんです。やはり背景やパースの描き方で悩むんです。CG畑の人はすぐ3Dソフトで確認しようとするんですけど、「それはダメだよ」と(笑)。CGは嘘をつきませんが、CGの計算や事実だけで作ったものにしたくなかった。アニメは本当のことだけを描いているわけではないんです。「こう見せたい!」という思いが大切で、そのことをちゃんとわかってもらいたかったんですね。そうして描いたイメージポーズを、清水さんの描いたレイアウトと見比べて答え合わせをしてもらう。そういう意味ではレイアウトの勉強にもなったと思います。

――若手CGアニメーターさんは全員STUDIO4℃所属なのでしょうか。

佐野
全員所属です。6人中5人が去年(2016年)に入った若手で、もうひとりも2015年入社。あにめたまごの規定では「原画経験が3ヶ月から3年」とのことでしたが、ウチのスタッフはほとんどが3ヶ月でした。作画は原画になるまでに下積み期間があるので、CGスタッフに比べて現場の経験はありますよね。一方、CGはソフトの関係上、原画からスタートになるのでそれぞれ経験は3ヶ月ではありますが、実際は全然違うんですよ。
《細川洋平》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集