■ ブランド力のあるスタジオを目指して竹中氏によれば、スタジオ設立は突然決まったのではなく、いまちょうどタイミングが整ったからという巡り合わせであった。そうしたなかで生れたスタジオは、まずどこから足を踏み出すのだろうか?― 今回の立ち上げにはどのくらい資金をかけているのですか。竹中箱だけなので、そんなにかかっていません。けっして敷地も大きくありませんし、機材関係もゲーム制作に比べてそんなにかかるものではありませんから。お金を多くかけて立ち上げると、アニメ制作の場合はどこか地に足が着かなくなると思っているんです。ただ働く方の給料等のベースはしっかりと考慮していきたいです。もしかしたら、期待を裏切る形になるかもしれませんが、制作自体は堅実に作っていきたいです。まじめにアニメ制作をやっていきたいなと思っています。― おそらく多くの人の頭の中には『神撃のバハムート GENESIS』のイメージがあります。ああいったハイクオリティな作品がどんどん出てくると、期待されている方も多いのかなとも思います。アニメシリーズを作る時に、これまでより多くお金を投じて、クオリティーを出していくという考え方でしょうか?竹中多少は今の業界基準よりも高い制作費で作っていきたいとは思っています。しかし、基本的な考え方としては作品やタイトルに合わせて異なります。Cygamesで関わる全ての作品が、『神撃のバハムート GENESIS』のような作り方が適しているとは思っていません。先日PVを出させていただいた『ウマ娘 プリティーダービー』には、むしろ『神撃のバハムート GENESIS』のような作り方は適していないと思います。ただ期待していただいているのも認識していますので、CygamesPicturesは『神撃のバハムート GENESIS』みたいなアニメを継続して作っていけるスタジオにはしていきたいですね。― ブランドとしてイメージされるスタジオはやはり強いですよね。竹中そこを目指さないと駄目だと思っています。しっかりと足場を固めないと長くは持たないですから。― Cygamesではこれからもたくさんのアニメを作られると思いますが、それを全てCygamesPicturesが制作するイメージではないのですね?竹中今お付き合いをさせていただいているスタジオさんとは継続的にずっとやっていけるといいなと思っています。全部自社で完結することは基本的に考えていないです。― 逆にスタジオが大きくなったならば、自社案件以外も受注するというイメージもありますか?竹中私の考えでしかありませんが、将来的にそういったことが出来るスタジオになればいいなと思っています。メーカーさんから作ってくれないですかと言われるようになれば嬉しいですね。― オリジナルの企画を立てる気持ちはあるのですか。竹中初期のタイミングで完全オリジナルは難しいかなと。ただ、ゲームと同時に始めて進めていける企画は、どんどん走らせていきたいです。今まではアニメ事業部がアニメ会社とゲームの制作現場をつなぐ役目をしていたんです。アニメのスケジュール的にはこうだから、このタイミングでシナリオを決めてくれないと間に合いませんよとか。ただ、CygamesPicturesなら、ゲームとアニメの現場の距離が近くなるので、ゲーム制作の担当者とアニメの制作担当者が直接、話ができるようになっていくと思っています。ゲーム制作現場もアニメとのやり取りの経験をためていき、ゲーム原作でも面白いアニメをどんどん作っていけるようになるといいですね。
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