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水島精二監督×脚本・虚淵玄『楽園追放』インタビュー後編 「人の死なない話にしようね」

『楽園追放- Expelled from Paradise -』がいよいよ全国劇場上映を開始する。水島精二監督と脚本の虚淵玄氏にお話を伺った。今回の話は、果たして黒いのか、白いのか?作品の内容を探る。

インタビュー
■ 早い段階で決まっていたキャスト陣

―キャストについてですが、今回はプレスコなのですか?

水島精二監督(以下水島)
最初に絵コンテが出来た段階で、映画などでは仮アフレコをやることがあるんです。一旦仮で音声を撮って、映画全体の尺の検証とか、構成の検証をやらせてもらえているんですね。今回は早めにキャストの話を決めていたので、(音響監督の)三間さんから「タイミングが合うんだったら、直にやってもらったらどう?」って提案をいただきました。
三木(眞一郎)さんと釘宮(理恵)さんにご了承いただいたので、コンテの段階でセリフを撮っているんですよ。

水島
それを元に絵の開発をぼくらがやった上で、できあがった絵にアフレコしています。だから2度録音しています。そうなると2人は1回自分がやった演技によってふくらまされた演技に、さらに自分の演技を乗せることになります。三間さんといろいろお話しをしながら、もう1回ディレクションしてもらって。
すごい苦労なさったと思います。それは恵まれた現場だからこそ起きた苦労です。

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―キャラクターのイメージが、釘宮さんや三木さんの持っているイメージにすごく重なっている印象を受けました。

虚淵玄さん(以下虚淵)
初稿を書く前からキャラの声は考えていましたよね?

水島
そうですね。ぼくが最初にプロットやりながら絵の開発をしていくときに、自分の中でこの人にこういうふうに演じてもらったらこのキャラクターは絶対成立すると、アンジエラはかなり早めに「釘宮さんでやりたいんだけど」と虚淵さんに話したら「それいいですね」って言ってもらえたんです。

水島
そうすると、キャラクターのセリフ1つ1つが、こういう感情でこうしゃべるからとおのずと自分の演出プランが成立するんです。狙ってやっています。だからある意味では、当て書きに近いですね。たぶん、釘宮さんと決まった時点で虚淵さんの中にもプランが出てきていると思います。
三木さんも同じように、「このバランスで言うと、三木さんがいいと思うんだ。自分が安心できるし、信頼している役者さんになっちゃうんだけど?」って話したら「あっ、それでも合いますね」と虚淵さんが話されました。
フロンティアセッターは、「ちょっと冷たい感じの声で、よく響く声がいい」というのはお互いに言っていました。仮アフレコしたあとに「神谷(浩史)さんでいきたい」と話は出ださせてもらいました。だから神谷さんだけは仮アフレコじゃなく本アフレコからしています。

―今回の主人公はアンジェラですか?ディンゴも含めてですか?

水島
2人ですね。

虚淵
ロードムービーですからね。

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―それぞれのキャラクターってどんな人なのでしょう?

虚淵
ひと言で言うなら官僚とアウトローです。バディとしては鉄板の組み合わせかなと思います。それをSF的なガジェットで極端に持っていったのがあの2人です。

―それを受け取った監督はどう描くべきだと思われましたか?

水島
アンジェラが面白いなと思ったのは、実際の肉体年齢と本来の彼女の年齢の違いです。しかも彼女はデータであるから、その年齢すらもあやふやなんです。それが器としてあの中に入ったキャラクターって、どこかリアルじゃないんだろうなと。
逆にナノハザードがあったりとかして、すごくタフに生きなきゃいけなかった男であるディンゴをどういう経験を積んでいるキャラクターとして描写できるか?というバランスをすごく考えたました。ディンゴは言葉以上にいろんなことを経験してきている精神的に大人であろう。ただ、アンジェラと相対したときに、実際には実年齢でいうとアンジェラはディンゴより上かもしれないわけです。

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《数土直志》
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