ファンタグラフィックスは1976年に設立され、アルタネイティブコミックと呼ばれる大人向けの作品に強みを発揮、成人向け作品も発刊する。メインストリームではなく、個性が強く、作家性の高いものが多い。 日本のマンガでは、萩尾望都さんの短編集「『酔夢』他」(「A Drunken Dream and Other Stories」)がアイズナー賞にノミネートされた。同じ萩尾さんの『トーマの心臓』も刊行、2014年2月には浅野いにおさんの『虹ヶ原ホログラフ』の発刊も予定する。 志村貴子さんの『放浪息子』は、同社の代表作のひとつ。米国ヤングアダルト図書館サービス協会から10代向けに薦めるグラフィックノベルの1冊に選ばれたことがあるなど、現地での評価も高い。英語翻訳版は第6巻が2014年1月に発売予定が決まっている。第7巻以降の行方は、今後のファンタグラフィックスの経営方針にも左右されることになる。