米国コミックス中堅出版社 来期39作品、出版資金をKickstarterで募集 「放浪息子7巻」も | アニメ!アニメ!

米国コミックス中堅出版社 来期39作品、出版資金をKickstarterで募集 「放浪息子7巻」も

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インターネットを通じて様々な企画・プロジェクトの資金を集めるクラウドファンディングが急激に広がっている。なかでも映画やアニメ、ゲーム、マンガ・コミックスなどのエンタテインメントの作品は、クラウドファンディングが活発に行われる分野になりつつある。
そうしたなかで、特に変わったプロジェクトが11月5日から米国の大手クラウドファンディングKickstarterに立ち上がった。米国の中堅コミックス出版社ファンタグラフィックス・ブック(Fantagraphics Books)が、2014年春/夏の新作グラフィックノベル(マンガ単行本)出版の事業資金を募集するものだ。このシーズンの出版予定は39作品、個別の作品でなく事業全体を対象としているのが特徴だ。

出版予定作品には、Charles Schulz やPeter Bagge、Dan Clowes、Joe Saccoなどの作家が含まれる。また、39作品のうち1タイトルは日本のマンガ家・志村貴子さんの『放浪息子』の英語翻訳版第7巻だ。
募集は11月5日スタート、12月5日まで1ヵ月間行われる。最低目標金額は15万ドル(約1億5000万円)となっている。集められた資金は2014年春/夏の出版に活用される。資金提供者に対するリワードは、様々な工夫を凝らしている。サイン入りを含む本(全39巻セットもあり)は勿論、シールやステッカー、作家による似顔絵やカートゥーンミュージアムの年間無料パス、ワークショップやパーティー参加、会社訪問にまで及ぶ。

ファンタグラフィックスによれば今回のプロジェクトは、現在の経営環境の厳しさによるものだ。2013年6月に同社の創業者のひとりで編集者であるキム・トンプソン氏が亡くなったことで、多くの作品で発売スケジュールが延期となった。これにより財政状況も悪化しているという。
来シーズンのスケジュールを維持するためには、資金のサポートが必要とクラウドファンディングの活用に至った。受付開始から5日間の段階で資金集めは1800人、12万ドルを超えて、目標金額到達の可能性は高そうだ。

ファンタグラフィックスは1976年に設立され、アルタネイティブコミックと呼ばれる大人向けの作品に強みを発揮、成人向け作品も発刊する。メインストリームではなく、個性が強く、作家性の高いものが多い。
日本のマンガでは、萩尾望都さんの短編集「『酔夢』他」(「A Drunken Dream and Other Stories」)がアイズナー賞にノミネートされた。同じ萩尾さんの『トーマの心臓』も刊行、2014年2月には浅野いにおさんの『虹ヶ原ホログラフ』の発刊も予定する。
志村貴子さんの『放浪息子』は、同社の代表作のひとつ。米国ヤングアダルト図書館サービス協会から10代向けに薦めるグラフィックノベルの1冊に選ばれたことがあるなど、現地での評価も高い。英語翻訳版は第6巻が2014年1月に発売予定が決まっている。第7巻以降の行方は、今後のファンタグラフィックスの経営方針にも左右されることになる。

ファンタグラフィックス2014年春夏:39作品(グラフィックノベル&本)
Fantagraphics 2014 Spring Season: 39 Graphic Novels & Books
/http://www.kickstarter.com/projects/fantagraphicsbooks/fantagraphics-2014-spring-season-39-graphic-novels

ファンタグラフィックス (Fantagraphics Books)  
/http://www.fantagraphics.com/
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