広島国際アニメーションフェスティバルでは、多くのアニメーション作品の上映・コンペティション、ワークショップが企画されていた。一方で、アニメーションの専門家に向けたセミナーも行っている。8月26日に中ホールで行われた大手のアニメーション専門チャンネル・カートゥーンネットワークによるセミナーもそのひとつだ。セミナーのテーマは「様々な文化の中でどのように国境を超えるか?」で、世界中の子供たちから愛されるストーリーは何かついてである。また、広島でのイベントでもあり、日本のアニメーション業界に焦点を当てたものにもなっていた。広島国際アニメーションフェスティバルでは珍しい、業界的な視点を持ったものである。まず、最近の例として日本の『巨人の星』が『ライジングスター』として売り込まれていることでも話題のインド市場から話を進めていった。カートゥーンネットワークによれば、インドでは人々の多くがラジオで生活しているが、中間層の増加に伴いテレビの視聴や映画館へ足を運ぶ率も上がってきている。日本の作品では、『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』などがインドで視聴率が高い。特に『忍者ハットリくん』はインド用に新エピソードが制作されることも明らかにされている。しかし、一方で『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』と同じように人気のある『クレヨンしんちゃん』が、表現の仕方で問題になったこともある。一方カートゥーンネットワークでは、“インディメ”と同社が称する作品をマレーシアで制作しているという。日本作品をもとにした『ライジングスター』がテーマを野球からクリケットに変更しているように、同社でもインドの神話的や文化的なところに日本的なところも足している。その後のトークは、日本市場の戦略に続いた。や『ベン10』を例に、国境を超えるのはキャラクターを中心としたスラップスティックものであること、シリアスなアクションものでもコメディがいるといったことを指摘する。具体的にはダークやシリアスではなく前向きな作品で、仮にストーリーがダークだったとしても可愛らしいキャラや色合いで視聴者がダークであることに気づかない工夫が施されている。作品のプロモーションに際しては、「翻訳のコストがかからない」のも重要で、そのためにはやはり「ストーリー自体がシンプル」、「セリフが最小限」という要素が求められる。これについては、セミナーの中で何度も念を押されていた。このほかシナリオや絵コンテなどプリプロに関わる質の高い人材を求めていると話した。[真狩祐志]広島国際アニメーションフェスティバル/http://hiroanim.org/
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