記者会見には、押井監督と主役・グレイ役の黒木メイサさん、ルシファ役の菊地凛子さん、カーネル役の佐伯日菜子さんが臨んだ。
『アサルトガールズ』のロケは伊豆大島で行われたが、黒木さん、菊地凛子さん、佐伯さんなどのキャストは別々に撮影が行われた。そのため現地でキャストが一緒に居合わせることはなく、特に黒木さんと佐伯さんは、この記者会見で初めて菊池さんと出会ったそうだ。
そうして撮影された映像を素材として、CGやアフレコなどを合成していった。「完成するまでどうなるか分からなかったので、完成品を見てビックリした」と押井監督は言う。
押井監督とは初めての仕事となった黒木さんは「最初は現場で何が起こっているのかを把握するのにいっぱいいっぱいでしたし、監督とのコミュニケーションも上手くとれているのか分からないまま」、「やっと監督と通じ合えてきたかなと思った頃に撮影が終わるという感じだった」
と撮影を振り返った。
一方、菊池さんの演ずるルシファは一風変わったキャラクターである。菊池さんは『スカイ・クロラ』で初めて押井作品に関わった。
「『スカイ・クロラ』の時に行ったベネチア国際映画祭で、サンマルコ広場で監督と待ち合わせていた時に、お酒を飲んでて楽しくなって広場で踊っていたところを監督に見られた」と、菊池さんはルシファのキャラクターが誕生した経緯を述懐した。「サンマルコ広場で踊ってた感じで自由にやってくれればいいからと言われて」。
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この『アサルトガールズ』は、2007年に公開されたオムニバス映画『真・女立喰師列伝』の一篇『ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子』が源流となっている。
佐伯さんはそれに出演していたことを踏まえて「前回はコックピットの中で気を失いそうになりながら1人で撮影してたけど、今回は仲間が増えて非常に心強く楽しい」と感想を述べた。
そして『アサルトガールズ』は、『アヴァロン』の世界とも繋がりがある。押井監督は「『アヴァロン』の時は陰湿な映画を作っちゃって、あれはあれで好きなんですけど」と前置きしつつ、「僕にしては珍しく明るい映画になった。アンタもまだこういうの作れんじゃん、というようなことを言われて僕にも意外でした」と打ち明けた。
その一方で「試写の感想を聞くとプロローグとラストが全然違うじゃんって言われるけど結果的にそうなっちゃった」と語り、「プロローグとChapter4は寝てもらって結構」など、いつも通りの押井節で記者会見を終えた。
『アサルトガールズ』は、2ヶ月後の12月19日に公開予定となっている。
【真狩祐志】
アサルトガールズ /http://assault-girls.nifty.com/
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