塚原重義監督「クラユカバ」「クラメルカガリ」で覗くレトロな世界【藤津亮太のアニメの門V 106回】
塚原重義監督の『クラユカバ』『クラメルカガリ』。大正時代後半から昭和初期あたりを思わせるレトロな風景とスチームパンクを組み合わせた独特の雰囲気の作品である。
第2回新潟国際アニメーション映画祭― ユニークな各賞に輝いた作品の“思い描いたビジョン”とは【藤津亮太のアニメの門V 105回】
3月15日から20日まで新潟市内で、第2回新潟国際アニメーション映画祭が開催された。同映画祭の今年の印象を振り返る。
「僕の心のヤバイやつ」市川と山田の距離がじれったい― 視線から見える2人の関係【藤津亮太のアニメの門V 第104回】
青春初恋ラブコメを丁寧に描いたTVアニメ『僕の心のヤバイやつ』。そのエモーショナルな演出とは?
「アニメ産業レポート2023」売上を伸ばすアニメ映画― 今後のヒット作、海外市場の広がりは?【藤津亮太のアニメの門V 第103回】
2009年から刊行されている、日本のアニメ産業に関する統計『アニメ産業レポート2023』。データから見るアニメ産業は、どのような動きがあったのか。
「窓ぎわのトットちゃん」「屋根裏のラジャー」で描かれる大人と子供の境界線【藤津亮太のアニメの門V 第102回】
『窓ぎわのトットちゃん』と『屋根裏のラジャー』は、舞台も時代も異なる2作品だが、大人と子供の境界をどう描くかという点については、ともに自覚的である。
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」昭和31年、閉鎖的な村で起こる奇怪な事件から見えてくるもの【藤津亮太のアニメの門V 第101回】
水木しげる生誕100年企画にふさわしい、『ゲゲゲの鬼太郎』第6シリーズのエピソードゼロを描いた衝撃作。
「東京国際映画祭」“日本のアニメ”の発信から、“世界のアニメ”を知る場所へ【藤津亮太のアニメの門V 第100回】
11月1日、第36回東京国際映画祭が閉幕。昨年まではジャパニーズ・アニメーション部門として国内作品を上映してきたが、今年から部門全体をリニューアル。アニメーション部門と名前を変えて、海外作品も取り扱うようになった。
「アリスとテレスのまぼろし工場」隔絶された街で見つけた少年少女の“生きる実感”【藤津亮太のアニメの門V 第99回】
『アリスとテレスのまぼろし工場』の舞台は、地方の小さな町である。ある時、そこの製鉄所で爆発が起き、どうしたことかその町は周囲の世界から空間的に隔絶されるだけでなく、時間からも切り離されてしまう。
「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」迷い道にある“繊細な感情”と“鋭い痛み”―【藤津亮太のアニメの門V 第98回】
『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』はとても繊細な物語だ。若者なら心のどこかに抱えている細やかな感情が、物語の要所に織り込まれ、若いということが不器用と同義であることを、思い出させる。
「君たちはどう生きるか」このタイトルでなくてはならなかった理由―【藤津亮太のアニメの門V 第97回】
『君たちはどう生きるか』は、シンプルなストーリーの上に、この世界の様々な要素をモザイクのように散りばめた作品だ。これらをひとつのルールで読み解いてしまうということは、それは単なる寓話化に過ぎなくなってしまうのではないだろうか。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」自分の“限界を知る”プロセス― 「逃げたら一つ、進めば二つ」の先へ【藤津亮太のアニメの門V 第96回】
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が最終回を迎えた。TVシリーズの『ガンダム』シリーズ――ここではガンダムというキャラクターの存在を前提とした派生作は除く――が、従来の半分の2クールということにまず驚かされたが、その内容もかなり特徴的だった。
「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」キャラクターの“存在感”へのアプローチ【藤津亮太のアニメの門V 第95回】
『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』が5月20日より公開中。本作のストイックなカメラの取り扱いと、そこから醸されるキャラクターのリアリティについて考えた。
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」シンプルな枠組みに詰め込まれたキャラクターの“アイコン”【藤津亮太のアニメの門V 第94回】
世界で1500億円を突破し大ヒットとなっている『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。本作は技の映画であり、アイデアの映画である。
「第1回新潟国際アニメーション映画祭」押井守監督が語るメッセージと“第2回”開催への課題とは【藤津亮太のアニメの門V 第93回】
3月17日から22日まで、第1回新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)が開催された。コンペを含め約50本のアニメ映画が、市内の複数会場で上映され、それに関連づいたトークイベント、シンポジウムなどが実施された。
「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」…松本零士作品の“アニメブーム”はいかにして起こったか?【藤津亮太のアニメの門V 第92回】
漫画家の松本零士さんが逝去。今回は、70年代後半から始まった“松本アニメ”ブームを振り返る。
「もういっぽん!」ごく“普通”に日常、喜怒哀楽を共有できる青春アニメ【藤津亮太のアニメの門V 第91回】
先日、ラジオで1月期の注目作のひとつとして『もういっぽん!』を取り上げた。そのときにはあまり説明しなかったが、これから書くような少々回りくどいことを考えた上で、『もういっぽん!』を推したいと思ったのだ。その「回りくどいこと」をこれから書こうと思う。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」花道、リョータたち湘北の“今”が動き出す―【藤津亮太のアニメの門V 第90回】
『THE FIRST SLAM DUNK』は「時間」をめぐる映画だった。そのような映画として出来上がったのは、『SLAM DUNK』という作品の特殊な立ち位置の上に成り立っているからだ。
「アニメ産業レポート2022」から読み取るテレビと動画配信の在り方【藤津亮太のアニメの門V 第89回】
11月上旬に2021年のアニメ産業の概況をまとめた『アニメ産業レポート2022』がリリースされた。こちらから、アニメビジネスの概況と、TVアニメと配信のこれからを考察していく。

