映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』が、2025年2月21日より公開。本作はキャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』初となる映画作品で、全48通りのルートで物語の結末が変わることが大きな話題になっている。
その注目度の高さから、これまでよく『ヒプマイ』を知らなかったけれど映画が気になるといった方も多いのではないだろうか。本記事では、『ヒプマイ』の世界観やキャラクターなど基礎情報や、楽曲、アニメ、舞台展開など数々の歩みをおさらいしていく。
◆『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』とは?
『ヒプマイ』こと『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』は、2017年9月に始動したキャラクターラッププロジェクトだ。始動第1弾となるミュージックビデオは、公開直後にYouTube急上昇ランキングに入り一気に話題に。楽曲のクオリティの高さ、斬新な世界観が評価され、音楽業界からも注目を集めた。
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数々のCDをリリースしていき、オリコン週間アルバムランキング1位を獲得したり、声優アワードを受賞したことも。声優陣が出演するライブイベントでは楽曲も生披露している。
そして2020年には、待望のアニメ化。そのほかにもコミックやゲームアプリ、舞台など、さまざまなメディアミックスがいまなお展開中だ。多くの熱狂的ファンを持つ一大コンテンツとなっている。
2月21日より公開の映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』こと『ヒプムビ』は、劇場映画としては日本“初”となる観客参加型“インタラクティブ映画”として誕生。劇場内で行われる観客の投票によって異なる7通りのラストが用意されており、全上映パターンは48通りとなる。その類を見ない展開のバリエーションは、公開前より大きな話題を呼んでいる。
◆ラップバトル=縄張り争い!「マイク」を通して日々戦う
『ヒプマイ』の世界では、キャラクターたちがラップバトルを繰り広げて日々縄張り争いを行っている。武力抗争が根絶され、男性に変わり女性が覇権を握るようになった“H歴”という世の中が舞台だ。男性陣は女性が占める「中王区」以外の「イケブクロ・ディビジョン」「ヨコハマ・ディビジョン」などの地域で生活しており、その中で自分の住むディビジョンをかけたラップバトルで争い続けている。
ラップバトルはただ歌って言葉を投げつけるだけではない。中王区が生み出した、精神に干渉するマイク「ヒプノシスマイク」を通してラップすることで言葉が力となり、バトルとして成立するのだ。そして勝ったディビジョンは、決められた分の他の領土を獲得することができる。
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ストーリーについてはドラマCDのほか、コミカライズや第2期まで放送されたTVアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-Rhyme Anima』でも楽しむことができる。アニメ放送時は、画面いっぱいに表示される歌詞テロップや、「ヒプノシスマイク」の持つ力を視覚的に見せた演出が毎週話題になっていた。
◆総勢18人!ディビジョンとキャラクターを紹介
登場するのは、総勢18人の個性豊かなャラクターたち。彼らは3人ずつ6つの「ディビジョン」と呼ばれるチームに分かれており、基本的にはディビジョンごとにラップで戦いつつも、楽曲によっては全員揃って歌うこともある。ここでは順にキャラクターを紹介していこう。
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まずイケブクロ・ディビジョンの「Buster Bros!!!」は、山田一郎(CV:木村昴)、山田二郎(CV:石谷春貴)、山田三郎(CV:天崎滉平)からなる山田家3兄弟のチームだ。3人ともほくろやオッドアイという特徴がある。長男である一郎が萬屋ヤマダを経営しており、弟2人は高校生と中学生と平均年齢が若い。
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続けてヨコハマ・ディビジョンの「MAD TRIGGER CREW」は、ヨコハマ界隈を仕切るヤクザ・碧棺左馬刻(あおひつぎ さまとき CV:浅沼晋太郎)がリーダー。メンバーは警察官の入間銃兎(いるま じゅうと CV:駒田航)、元海軍で一等軍曹の毒島メイソン理鶯(ぶすじま めいそん りおう CV:神尾晋一郎)と、驚きの肩書きを持つ3人組だ。
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そしてシブヤ・ディビジョンの「Fling Posse」は、リーダーでファッションデザイナーの飴村乱数(あめむら らむだ CV:白井悠介)、作家の夢野幻太郎(ゆめの げんたろう CV:斉藤壮馬)、ギャンブラーで賭けが大好きな有栖川帝統(ありすがわ だいす CV:野津山幸宏)の3人で構成されている。
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シンジュク・ディビジョンの「麻天狼」は、医師の神宮寺寂雷(じんぐうじ じゃくらい CV:速水奨)がリーダー。そしてお互いを幼い頃から知るホストの伊弉冉一二三(いざなみ ひふみ CV:木島隆一)、サラリーマンの観音坂独歩(かんのんざか どっぽ CV:伊東健人)が名を連ねる。
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後に追加チームとして加わったオオサカ・ディビジョンの「どついたれ本舗」は、リーダーでピン芸人の白膠木簓(ぬるで ささら CV:岩崎諒太)、教師の躑躅森盧笙(つつじもり ろしょう CV:河西健吾)、詐欺師の天谷奴零(あまやど れいCV:黒田崇矢)という組み合わせで現れた。
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同じく追加チームのナゴヤ・ディビジョン「Bad Ass Temple」は、僧侶の波羅夷空却(はらい くうこう CV:葉山翔太)がリーダー。そしてヴィジュアル系バンドのボーカル・四十物十四(あいもの じゅうし CV:榊原優希)、弁護士の天国獄(あまぐに ひとや CV:竹内栄治)もあわせた3人で活躍している。
そんな彼らにも過去がある。今は各チームでリーダーを務める山田一郎、碧棺左馬刻、飴村乱数、神宮寺寂雷は、かつて4人で「The Dirty Dawg」という伝説のチームを組んでいた。
またそれぞれ4人は因縁もあり、一郎と左馬刻、乱数と寂雷は犬猿の仲。「The Dirty Dawg」の活躍はコミックや、楽曲「T.D.D LEGEND」が収録されているCDの「Drama Track『証言』」で知ることができる。
そのほかにも一郎と空却、左馬刻と簓、乱数と寂雷がチームを組んでいたこともある。こちらについてもコミックで描かれているので、詳しく知りたくなったらチェックを。さらに深くキャラクターたちのことを知れるので、沼にハマっていくこと間違いなしだ。
◆著名アーティストも多数参加!耳から離れない楽曲の数々
そして『ヒプマイ』の最も大きな特徴であるラップ楽曲は、HIP HOP界の有名アーティストも作詞・作曲を手掛けている。これまでリリースされたCDは常に音楽ランキング上位にも入っており、『ヒプマイ』ファン以外から注目されることもある。
これまで関わったアーティストたちは、HIP HOP界を牽引してきたZeebraをはじめ、ケツメイシ、Creepy Nuts、女王蜂、ビッケブランカ、梅田サイファーや月蝕會議など、著名アーティストが多数並ぶ。また山田一郎を演じる木村昴は、好良瓶太郎という名義で作詞を手掛けたこともある。
『ヒプマイ』の始まりとなった記念すべき第1弾楽曲は「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」だ。本楽曲は何度かパートを追加して生まれ変わっており、このたびの『ヒプムビ』公開に合わせ、女性陣であるチュウオウ・ディビジョンも歌う「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- FINAL」が最新MVとして公開されている。
楽曲によっては、MV内に歌唱中の声優の姿が収められていることも。CDを購入せずとも、公式YouTubeや各種サブスクサービスで楽曲を視聴可能なので気軽に覗いてみてほしい。
今回、映画の新楽曲として、Buster Bros!!!の「Three Kings」をK DUB SHINE・Zeebra・DJ OASISが提供。MAD TRIGGER CREWの「Choice Is Yours」を山嵐・HAN-KUN。Fling Posseの「バラの束」をMCU・LITTLE・KREVA。麻天狼の「BLESS YOU」をSALU・JIGG。どついたれ本舗の「笑門来福」をR-指定とDJ松永。Bad Ass Templeの「シンジルチカラ」をHOME MADE 家族(KURO・MICRO・DJ U-ICHI)が手掛ける。
さらにBuster Bros!!!・Bad Ass Templeによる「Last Man Standing」。MAD TRIGGER CREW・どついたれ本舗による「Out of Harmony」。Fling Posse・麻天狼による「Stick To My Mic」の2ディビジョンが掛け合う楽曲にも注目だ。
◆舞台にコラボ展開…ヒプノシスマイクの勢いは止まらない!
そして2.5次元舞台『ヒプステ』こと「『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage」も、定期的に上演中。直近の公演は『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《MAD TRIGGER CREW & どついたれ本舗 feat. 道頓堀ダイバーズ》で、4月18日より大阪と東京で行われる。
こちらも人気コンテンツとなっており、ラップのほかダンスパフォーマンスやド派手な舞台演出など、その見どころは盛りだくさんだ。
また『ヒプマイ』が公開ということもあり、コラボも頻繁に行われている。マツモトキヨシ、ココス、ドン・キホーテ、ローソン、ラウンドワンなどなど続々と展開中。こちらもあわせてチェックしてみたい。
本記事で『ヒプマイ』をおさらいし、興味を持ったらぜひ全国劇場で公開中の映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』へ。インタラクティブ映画で『ヒプマイ』の世界を体験しよう。
(C)ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie
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