DIALOGUE+『連れカノ』OP曲「デネブとスピカ」MV撮影時の思い出語る“いつ撮られているかがわからなかったんです” | アニメ!アニメ!

DIALOGUE+『連れカノ』OP曲「デネブとスピカ」MV撮影時の思い出語る“いつ撮られているかがわからなかったんです”

雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。TVアニメ『継母の連れ子が元カノだった』OPテーマを務める8人組女性声優ユニット「DIALOGUE+」より、飯塚麻結、宮原颯希、鷹村彩花が登場。

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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。
2022年10月号には、TVアニメ『継母の連れ子が元カノだった』OPテーマを務める8人組女性声優ユニット「DIALOGUE+」より、飯塚麻結、宮原颯希、鷹村彩花が登場。

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

甘酸っぱさや切なさをポップな曲と共に楽しんで

――まずDIALOGUE+がどんなユニットかを教えてください。
宮原『CUE!』という作品をきっかけに集まった8人組の声優ユニットです。
鷹村「会話」や「対話」、「セリフ」など、声優としての特長を生かした曲をいっぱい歌っています。
飯塚歌う曲のジャンルも幅広く、声質も曲によって変えています。音楽プロデューサーを務めるUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんや、楽曲の制作陣の情熱に食らいついて、いい音楽を届けたいとがんばっています。

――「デネブとスピカ」の曲を聞いたり歌詞を見たりしたときの感想は?
鷹村曲調は明るいけれど、歌詞がところどころ切なくて、そのちぐはぐさで複雑な恋心を表しているんだなと思いました。
宮原音楽プロデューサーを務めるUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんはよく曲間でリズムを変えるんですが、今回もあった! と思いました。リズムが変わると歌うときに難しさもありますが、最近はそれがやりがいになっています。
飯塚私は曲を聞いて壮大な草原を駆け回っているような印象を受けました。実際にミュージックビデオ(MV)も広い緑の大地で撮影したのですが、すごくイメージどおりでした。
宮原DIALOGUE+っぽさを感じる曲になっているんですよ。
鷹村転調したり、めまぐるしくリズムが変わったりするところはDIALOGUE+ぽいよね。
飯塚8人で力を合わせて歌うパートが多いところも、これまでのDIALOGUE+っぽさを感じます。

――では、DIALOGUE+っぽさとはと言われたら?
鷹村デビューシングルの「はじめてのかくめい!」のような、がんばれ、がんばろうみたいな元気系の曲が“っぽい”んじゃないかなと思います。
飯塚明るくポジティブな歌詞が多いところですね。
宮原サビのキーが高いところ……? 1オクターブくらい飛ぶこともあるんですね。それから、自分たちに「私たちはできる」と言い聞かせるようなところもDIALOGUE+っぽさを感じます。

DIALOGUE+「デネブとスピカ」【歌い分け試聴Ver.】

――「デネブとスピカ」について、レコーディングの思い出は?
飯塚キーが高かったですね。私は高いキーを地声で歌うと、強く響きがちなのですが、もっと伸びのいい感じを意識して臨みました。
宮原私は高いハモリも担当したんですが、いままで歌ったなかで一番といってもいいくらいの高音だったので大変でした。田淵さんからは「この曲はみんなで一生懸命、高い声で歌って作り上げる曲だよ」と言われていたので、がんばって取り組みました。
鷹村私はもともとの声に特徴があって圧が強いので、柔らかく歌おうとしても声が強い印象になっちゃうんです。「恋愛の歌だからやさしくしようね」とか「思春期の男女が恋に迷走している感じで揺れ動く心を表現してほしい」というディレクションがあったので、そこに重きを置いて歌いました。
飯塚8人全員で歌うパートを聞いたときは、すごくしっくりきたよね。
鷹村うん。レコーディングでは、自分の前後を歌う人がどう歌ってくるかを予測するけど、それがしっかりハマっていたと感じられてホッとしました。
宮原8人の声が揃うと厚みが出るし、エネルギーが感じられて、歌い甲斐があるなって思いました。

――とくに聞いてほしいポイントは?
飯塚もどかしさやどっちつかずな心情を感じる歌詞ですが、サビの最後には強めのワードが出てくるんです。ずっとすれ違ったり、何もできずにいた人が強い意志を持てるようになったように感じられてキュンとしたので、そこを聞いてほしいです。
宮原切なさや人の心のもろさを込めて歌ったところです。Dメロでは、一旦物事がバシッと終わるような気持ちを表現したいとがんばったので、チェックしてもらいたいです。
鷹村自分のパートに本にまつわる歌詞が出てくるのですが、私は読書が好きで、そこを任せてもらえてすごくうれしかったので、そのパートがポイントです。それから、一番のサビだと自信がなくて切なげだったのが、二番のサビで明るくなって心境の変化が感じられたので、どうしてポジティブになったのかを考察をしてもらえたらと思います。

――『連れカノ』という作品にはどんな印象がありますか?
飯塚元カノときょうだいになるっていうのがすごいです!
宮原関係性が複雑だよね。「元カノ」とか「継母」がタイトルになることはあまりないんじゃないかと思うので、そこがおもしろいです。
鷹村ビックリするような設定だけど、本人たちはすごく真面目だし、もどかしい恋をしているんだよね。年相応のドキドキやキュンキュンを感じているのかと思うとほっこりします。でも、どうしても女の子側の味方になっちゃうから、主人公の伊理戸水斗くんには、「何その言い方」って不満を持っちゃうこともあります。
飯塚それもわかる~。でも、第三者というか神の視点でアニメを見ているから、微笑ましいなぁと思うところも多いよね。水斗くんも結女ちゃんも素直になれなくてかわいいなって。
宮原年相応の恋をしているところが感じられて、甘酸っぱいよね。

DIALOGUE+「デネブとスピカ」Music Video

――ミュービックビデオの見どころを教えてください。
鷹村疑似デートができます!
飯塚「夏の花火と君と青」という曲でも浴衣デートのようなMVを撮ったのですが、そのときはみんなぎこちなかったんです(笑)。でも、今回はすごく爽やかで、本当にこんな表情でデートをするのかもと思ってもらえます。
宮原私たちも成長したよね。
鷹村うん。大きな公園でそれぞれ撮影したんですが、テンションがあがってきて思わず滑り台を滑りました(笑)。小学校時代の同級生と成長してから再会してデートをしているような、そんなリアルさを感じてもらいたいです。
宮原撮影の日はお天気がよくて、自然のなかでの撮影と言うこともあって、すごくリラックスできましたし、リフレッシュもしちゃいました。
飯塚メインのカメラのほかに、監督が手持ちの小さなカメラを持ってきていて、いつ撮られているかがわからなかったんです。だからこそ自然な表情もたくさん見られると思います。それから、ダンスシーンはレース場で撮影したんですが、カメラが遠くに置かれすぎて見えないほどで。撮られているのかどうかわからないから、ドキドキしていました。メイキング映像にも残っていると思うので、ぜひ見てください。

――カップリング曲の「シャーベットマーメイド」についても教えてください。とてもアンニュイな曲ですが、レコーディングにはどう臨みましたか?

鷹村ささやくような歌い方がいいかなと思っていたら田淵さんから、「サビ以外は無感情、無気力、死んだ目で歌ってください」というディレクションがあったんです。それを聞いて、死んだ目になるような気持ちを心がけました。ただ、油断すると魂が戻ってきちゃうので、マイクの中央にある黒い部分をじっと見つめて歌っていました。
宮原私は、素の自分がぼんやりと歌うイメージで練習していたのですが、その声だとほかのメンバーと被るとスタジオで言われたんです。すぐに違う歌い方を考えなければいけなくて、最終的には、陰湿な感じのキャラクターを作って歌いました。
飯塚いま宮原さんの話を聞いて、納得がいきました。やかんちゃん(鷹村さんのニックネーム)が「無気力に真顔で歌ってと言われた!」と言っていたので私も低めに歌ったのですが、完成した曲を聞いたら、宮原と稗田(寧々)だけ声を作ってる、と思って(笑)。
宮原私は「無気力とか無感情って言われた」って聞いたのに、ディレクションが違う! と思って。試行錯誤して、あの歌い方になったんです。

――初回限定版には、今年1月に行われたアコースティックライブの模様が収録されたBlu-rayも付きます。ライブの思い出は?
鷹村普段の曲と違うアレンジでたくさん歌えたのが新鮮でした。個人的には、「I my me mind」の合いの手を入れるシーンで、メインステージではない2階から登場したんですね。そこは皆さんがどんな反応をするかにドキドキしていました。
宮原アコースティックライブは一度挑戦したかったので、念願が叶ってうれしかったです。普段のライブよりも、メンバーの声をすごく意識しましたね。声に集中できたので、すごくいい勉強にもなりました。
飯塚イヤモ二を付けずにみんなで目を合わせながらのライブだったのが楽しくて。途中、何人かで楽器にも挑戦したんですが、次は誰か音を入れてくれるかなとか、入れてくれた! とかいろいろ予想できないことが起こって楽しかったです。

――今回3人での座談会なので、改めてそれぞれの歌の好きなところなど、教えてください。まずは、鷹村さん。
飯塚明るめで強い歌声だけど、いじけパートを担当することが多いんですよね。でも、歌っている姿がすごく想像できるんです。きっと鷹村は口をすぼめて歌っているんだろうなって。そこがいいんです。
宮原やかんの歌はセリフっぽいところが魅力的だよね。しゃくったり、強めのアクセントを付けたりもせず、喋るように歌える。そのナチュラルさが素敵だなと思います。
鷹村うれしい……いいインタビューですね(笑)。

――では、続いては宮原さん。
鷹村私は、真っ直ぐな歌声が好きです。彼女のナチュラルでストレートな歌い方は、私にはマネできないんですね。自分が行けない場所にいるので、すごく憧れます。
飯塚宮原さんは自分の歌がわからないってよく言うんですが、私からするとすごく複雑な声の持ち主で。それは私が遺伝子レベルで宮原さんの声を好きだからかもしれませんが(笑)、友達も家族も「宮原颯希の歌声はいいよね」って言うんですよ。言葉で説明できない曖昧さに引かれます。
宮原自分でも声をわかりたいです。

――では、最後は飯塚さん。
宮原パワフルですね。おなかからめっちゃ声が出ている感じがする。CDで聞くときもですが、ライブのときにとくに強く感じるんです。ダンスを激しく踊って、体が持ち上がっている状態でおなかを下げて歌うから、力強さが感じられるし、すごくかっこいい。
鷹村麻結はカメレオンなんですよ。だいたいみんなこういう歌い方をするだろうなって想像できるんですが、麻結だけは毎回裏切られる。すごく元気でパワフルな声もあれば、ドスを効かせていたり、やさしく自然になじむ声もある。飯塚麻結としての芯はありつつも、自在に歌を変えられるところが大好きです。
飯塚本当にいいインタビューですね!(笑)

――改めて皆さんが感じるDIALOGUE+の持ち味と言われたら?
鷹村全力なところ。曲に声優らしくセリフを盛り込ませたりして、アーティストと声優のいいとこ取りをしている印象があるんです。そこがほかにはない魅力かなと思います。
宮原歌声も性格も、声優になった経緯もばらばらなメンバーですが、だからこその化学反応があるんです。それが刺激的で、だからこそ飽きの来ないユニットになっていると思います。
飯塚最近はアイドルの方のフェスに呼んでいただいたり対バンをやったりと、どんどん新しいことに挑戦できています。何かにこだわりすぎるのではなく、何にでも挑戦して何にでもなれる。以前、別のインタビューで「行けるところまで行きたい」とみんなで話していて。目標を決めずにどこにで行けるし、何にでもなれる。それが持ち味だと思います。

――では、最後に読者にメッセージをお願いします。
鷹村「デネブとスピカ」は揺れ動く思春期の青春が感じられる曲です。主人公たちと同世代の方は、自分に置き換えて聞いていただけたらと思います。また、主人公たちよりお兄さん、お姉さんになった方は、当時のことを思い出したり、青春感があってかわいいなと大人目線で聞いたりしてください。
宮原「デネブとスピカ」と「シャーベットマーメイド」で私たちを初めて知ってくれた方もいると思います。私たちはこれまでもいろいろなジャンルの曲に挑戦しているので、YouTubeの公式チャンネルなどをチェックして、もっと私たちを知ってください。
飯塚DIALOGUE+はどこまででも突き進むユニットです。これまで応援してくれた方も、初めて聞くよという方も、楽しいことが待っていますので、私たちに付いてきてください。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
DIALOGUE+(ダイアローグ)/村上まなつ、内山悠里菜、飯塚麻結、緒方佑奈、稗田寧々、宮原颯希、鷹村彩花、守屋亨香が2019年に結成した8人組女性声優ユニット。同10月にシングル「はじめてのかくめい!」でデビュー。これまでにシングル6枚、限定シングル3枚、アルバム1枚、ミニアルバム1枚をリリースしている。


■「デネブとスピカ」
発売中
ポニーキャニオン
初回限定盤4400円(税込)
通常盤1400円(税込)

表題曲はテレビアニメ『継母の連れ子が元カノだった』のオープニングテーマ。恋する2人のもどかしさをポップなメロディに乗せて歌う。初回限定版には、12Pのフルカラーブックレットのほか、同曲のMVやメイキング映像、今年1月23日に行われた『DIALOGUE+Acoustic Live「moon-side」』を収録したBlu-rayが付く。



デネブとスピカ【通常盤】(CD)(特典なし)
¥1,400
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)


メガミマガジン2022年10月号 [雑誌]
¥1,137
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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