アニメ業界と仕事内容がよく分かる!Tooとサンジゲンが語る「あにつく」の開催意義 2ページ目 | アニメ!アニメ!

アニメ業界と仕事内容がよく分かる!Tooとサンジゲンが語る「あにつく」の開催意義

9月18日(土)から20日(月・祝)の3日間、アニメ制作技術の総合イベント「あにつく2021」がオンラインにて無料開催される。主催企業の担当者と出展企業にその意義と狙いについて伺った。

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「目的は技術ではない」松浦氏の語る「あにつく」の狙い


『劇場版「BanG Dream! FILM LIVE」』を企画した松浦氏は、同作を制作したアニメスタジオ・株式会社サンジゲン及び、株式会社トリガーなど複数のアニメ制作スタジオのホールディングスである株式会社ウルトラスーパーピクチャーズの代表取締役である。

サンジゲンはTooに協力する形で2015年から継続的に「あにつく」に参加しており、今回は上記動画シリーズの第1弾を飾っている。

【参考】サンジゲンがデジタル作画の魅力を語る あにつく2015レポート


「あにつく2015」に登壇した松浦氏(右)

サンジゲンが「あにつく」に協力し続ける狙いは何か。松浦氏は「現場のことを伝えたいから」と述べた。

「制作側のこと、特に我々のように手描きではなく3DCGを用いてアニメを作る特殊な現場の情報は、なかなか外に伝わりません。能動的に伝える側にならないと始まらない、というのが『あにつく』を続ける第一の理由です。一般の方、同業者、クライアントも含めて多くの方に参加していただきたいですが、中でもアニメに興味がある人やこれから作る側になりたい人には、サンジゲンだけでなくぜひ多くのセッションに参加して業界について知っていただきたいです」(松浦氏)

松浦氏の重視する業界側からの情報発信と並んで、「あにつく」には学生の就業支援というもう一つの側面がある。昨年からのオンライン化は、制作スタジオ側にとってはメリットになり得たのだろうか。

「オンライン化によって、昨年は全国の学生さんに情報を届けることができました。その結果、アニメーションドラフト会議とポートフォリオドラフト会議を通じて数十名の方を採用させていただきました」(松浦氏)

サンジゲンは東京の3拠点に加え京都、愛知、福岡、石川、兵庫にもサテライトスタジオを有しており、昨年は各人の希望にあわせて地方に残るか東京に来るかを決めたという。「あにつく」のオンライン化による全国展開とは特に相性が良かったと言えるだろう。

「あにつく」では毎回、各スタジオが独自に開発した最新作に関わる制作技術や最先端の環境構築ノウハウについてのセッションが行われている。数多あるアニメ関連イベントの中でも制作技術にフォーカスしている点に「あにつく」の特徴があるが、その場には当然他社の技術について学びたい同業者も多数参加している。

発表するスタジオにとって、最新の技術を同業者に明かしてしまうことは不利益にならないのだろうか?

その問いに対し松浦氏は「制作技術や環境構築ノウハウ自体は我々の目的ではありません。目的はあくまで大ヒットするような面白いアニメを作ることです。そのためには、作り方や失敗談などはなるべく業界で共有し、その先に進みやすくする方がいい」と答えた。

「作品や仕事に対しての愛がなければ、こんな発表はわざわざしません。特に業界外の方には、各セッションに登壇しているクリエイターたちが実際に話しているのを見聞きして、作品や仕事への愛をどうやって形にしているのかをぜひ見ていただきたいです」(松浦氏)

全セッションを見ることで業界と仕事が見えてくる


「あにつく2021」では、株式会社MAPPAや株式会社シャフト、株式会社小学館ミュージック&デジタルエンタテイメントなど、アニメファンにとって馴染みの深い企業が新規参入している。そのため会社名やセッションでテーマとして取り上げられる作品タイトルだけ見ても、アニメファンが興味を惹かれるセッションラインナップとなっている。


あにつく2021 公式サイト(https://www.too.com/atsuc/)より


このラインナップの狙いについて、Too執行役員の石井淳一氏は「多くの人に見ていただきたいから」と思いを述べた。

「まずはアニメが好きな方、作品が好きな方に参加していただくのが第一です。ファンの方々が見てくださって感想を拡散してくだされば、それだけそのセッションで紹介された技術や登壇者は『認められた』ことになります。制作者や企業を応援する第一歩として、まずはセッションに参加し、どのようにして作品を作っているのかを知っていただけたらと思います」(石井氏)

このようにビギナー向けの意図を説明する一方で、このラインナップには実は他にもアニメ業界就業希望者に対しての狙いがあるという。

「発表タイトルは作品名を中心に掲げていますが、実は登壇者は、監督、演出、アニメーター、CGモデラー、コンテマン、システム構築担当者など、発表ごとに中心になる職種と内容が分かれています。デジタル、アナログ問わず、これからアニメ業界を目指す人がセッションに参加した際、どんな仕事があるのかを一望することで自分が目指したい職種を見つけていただくのが狙いです」(石井氏)

このことから、アニメ業界への就業希望者は興味のある作品や企業のセッションに参加することはもちろんのこと、業界研究・企業研究のつもりでそれ以外のセッションにも参加することが非常に有効となる。それによって思いもよらなかった志望企業や仕事に出会えるかもしれない。

「あにつく2021」は、9月18日(土)から20日(月・祝)の3日間オンライン開催。参加は無料、事前登録制となっている。事前申し込みは下記公式サイトにて受付中。

「あにつく 2021」公式サイト
《いしじまえいわ》

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