■やりたい仕事は曲が思い浮かぶ
――最近は音楽に限らず、声優、朗読劇など幅広く活躍されています。ご自身の活動に肩書をつけるとしたらどんなものにしますか?
天月:「なんでもやりまーす」と言っているので、僕(笑)。でも世の中には“マルチタレント”と呼ばれる方が多いと思うのでそうなれるように頑張りたいですね。
――仕事内容を選ぶとき、軸にしていることはありますか?
天月:自分がやりたいかどうか、を大事にしています。
原作もので知っている作品であれば「ぜひやりたいです」と言うこともありましたし、『コルボッコロ』のように企画を聞かせていただいたうえで引き受けることもあります。
音楽の仕事では、お話を聞いたときに「こういう曲がやりたいなあ」と思えるかどうかは基準にしていますね。「これをやっている自分が思い浮かばない」と感じたら辞退することもあります。
――同時上映の『サンタ・カンパニー』では声優としても参加しています。イケメン天使を演じていますが……。
天月:そうらしいですね(笑)。
――アフレコで難しかったことはありましたか?
天月:アフレコのときは、キャラクターの絵も映像もまだない状態で。台本も当日渡されたのですが、
イケメン天使の役だと説明されて「……はい!」と(笑)。「企業CMのような感じにしたいのでわかりやすくいい声で説明してください」と言われました。
「どれくらいの声がいいですか?」と何パターンかやってみて、最終的にあの感じに。
――今後挑戦してみたい活動はありますか?
天月:音楽でいえば、もっと大きな会場でやりたいと思っています。
声優としてはまだまだ新人なので。昔から大好きなアニメやマンガにもっと関われたらいいなあ、とは日々考えています。
ただ、大きな目標ってあまり立てないタイプなので。むしろみなさんどんな目標があるんですかね?
――たとえば、声優さんだと「子どもの頃から好きだったこの作品に出たい!」などですね。
天月:じゃあ『ドラえもん』に出たいです(笑)。子どもの頃は僕ものび太君みたいな人間だったので。
ドラえもんに来てほしくて引き出しのある勉強机を買ってもらったり、押し入れに住んだりしていました。
――サンタさんには「ドラえもん欲しいです」とお願いすることも?
天月:それはさすがになかったです(笑)。サンタさんには新しいおもちゃとかを頼んでいましたね。
■サンタにお願いしたいものは?
――出演された『サンタ・カンパニー』にちなんで、クリスマスの思い出を聞かせてください。
天月:そうですね……。中学生のとき、クラスでクリスマス会をするときがあって。でもたまたまクラス内でケンカが起こって、それを見ていた僕のところにケンカで使っていた学生カバンが飛んできたんです。ちょうど底面の固い部分が頭に当たって。
そのまま病院に行って何針か縫って、帰ってきたらクリスマス会が終わっていました。
――切ない思い出になってしまいましたね……。最近は、一緒に活動している仲間たちとクリスマス会をすることもあるのでしょうか。
天月:いや、なかなかないですね(笑)。
――ところで『サンタ・カンパニー』では役割ごとにサンタ部、トナカイ部、プレゼント部など部署が分かれています。天月さんが入るならどの部署がいいですか?
天月:ええー! ……サンタ部、ですかね。空を飛べるのはいいですよね。
――『コルボッコロ』でも謎の生物・コルボッコロに乗って空を飛ぶシーンがありました。飛行手段はソリとコルボッコロ、どちらがいいですか?
天月:安定性を重視したいのでソリです(笑)。
――もし今年サンタさんにプレゼントをお願いするなら、何がほしいですか?
天月:どこまでお願いしていいんですかね、サンタって(笑)。なんでもありなら、「才能」がほしいです。
――今でもこんなに多彩なのに!
天月:いえいえ、全部才能がほしいですよ。僕はわりとネガティブなタイプなので、日々悩んでいますし。
――そうなんですね! 曲からは全然想像できなかったので……。
天月:でも、音楽ってそういうものだと思うんです。
一度でも落ち込んだことのある人が、そこからわきあがるような想いを乗せて楽しい曲を歌っていると、やっぱり感じるものがあるじゃないですか。
――最後にこれから「アイビー」を聴くファンのみなさんにメッセージをお願いします。
天月:僕としてもすごく気に入った曲になりました。『コルボッコロ』は『サンタ・カンパニー』と同時上映なので、いろんな楽しみ方ができると思います。
僕がこういうことを言うのもおこがましいかもしれませんが、両方の作品を必ずしも大好きにならなくてもいいと思うんです。片方だけでも、キャラでも、言葉でも、自分が気に入ったものを何かひとつ持って帰ってもらえたらいいな、と。
「アイビー」は『コルボッコロ』のために作った曲なので、ぜひ作品と併せて楽しんでもらえたらと思っています。
天月さんからのエールが詰まった「アイビー」。試写を見せもらった筆者は、イントロが流れた瞬間に鳥肌が立ちました。
ぜひクリスマスシーズンは『コルボッコロ』や『サンタ・カンパニー』とともに、劇場の音響で楽曲を堪能してはいかがでしょうか。