■キャスト陣もびっくり! 野沢雅子さんはリアル悟空?
――惑星に取り残されてからの数年間があえて描かれていないところも、またドラマを感じさせます。本作はサブタイトルにあるように、ブロリーがもうひとりの主役とも言える存在です。
島田
バトルシーンでは、戦闘民族ですから眼の前の敵に対して、真摯に・熱く・楽しく戦うという信条があると思うんです。ただ今回は、ひとたびバトルが終わっても、次、また次が出てきたか! という展開。
役柄的には、疲れることを知らないかのようなサイヤ人冥利に尽きますよね。でも、演(や)る側としては、それはもうしんどくて(苦笑)。
(一同笑)
島田
バトルの展開が、ものすごく速いんですよね。殴ったと思ったら即殴られての連続ですから。
リハーサルではゆっくりとチェックをするのですが、いざ本番となって台本を見ながらパッと顔を上げると、すでに2ページ分くらい先にすすんでいる(笑)。
しかも台本が3冊ありまして、背表紙の高さが40mmもあるんですよ。なので、攻めるときのセリフは赤鉛筆、やられるときは青鉛筆で囲っていたんだけど、それでも追いていかれるくらい。

――先日、野沢雅子さんに伺ったところ、「私、収録で疲れたことがないの」とおっしゃっていて、リアル悟空だって思わされました。
島田
戦闘シーンはテンションを上げて挑みますから、終わったあとは頭がガンガンしてくるんです。普段は痛みが引くまで休憩を取るのですが、最後の収録日にはそれを待っている時間がなくて次から次へと収録が進んでいったんですね。
それで収録を終えて机に寄りかかって息を整えていたら、野沢さんがケロッとした顔で「敏、元気か~!」なんて話しかけてくるんです。まさしくレジェンドですよ。
中尾
すごいなあ~。
宝亀
収録後からは「目指せ、野沢雅子!」になりましたね。普段からも動きが若々しい!
(一同笑い)

次のページ:悪役を演じるうえの心得