■魅力その2:女の子に好かれたり嫌われたりする女の子たちのリアル
“恋愛あるある”のネタ出し会議は大変盛り上がったそうだ。実体験も交えながら「あるある!」の声が多かったものの中から取捨選択をしてエピソードを厳選していったという。
美しい思い出だけでなく、苦い体験談もあわせて洗いざらい出して、各世代の恋愛の特徴を見い出していった。
広瀬「たとえば大学生の恋愛は、男の子も女の子もストレートなんです。高校生の頃と違って、お金も時間もある程度余裕があって、感情に素直だから。楽しいときは超楽しめるし、イラっとしたら急にテンションが下がる。この急上昇と急降下が大学生なんだね、というさえりさんの分析には、スタッフ一同が納得でした。それから、“背伸びをして年上の異性に好かれたくなる時期”というのもあって、そのときは“好きな人には完璧な姿の自分じゃないと会えない”というモードになるそうで、男性スタッフはみんな感心しながら会議に参加していましたね(笑)」

大学生のモエは、言わなければいいようなことも我慢できないストレートさがあるし、社会人になったばかりのユカリは、彼に自分を良く見せようと頑張り過ぎる面がある。
あるあるエピソードを出し合うだけでなく、その裏側にある本音と本質を浮き彫りにすることで、それぞれの年代特有の、憧れだけではない苦みを帯びたストーリーが生まれるのだとうなずける。
既に4人のキャラクターの年代を通り越してしまった筆者としては、若者たちの恋愛をほほえましく……見られればよいのだが、リアルなシチュエーションとやり取りに、よく言えば夢中に、悪く言えばヤキモキしてしまうこともしばしばある。そんな感想を素直にぶつけてみると、広瀬プロデューサーはこう語った。
広瀬「それでいいんだと思っています。僕らもキャラクターに腹を立てながら作っている時もあるので(笑)。女の子から好かれたり嫌われたりする女の子を描きたかったので、嫌いなキャラクターがいるのは正解です。それと、見る人によって彼女たちの成長は本当に小さく映るかもしれません。でも、現実で人が変わる時って、他人から見ると、そんなものだと思いますから」
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