なぜボンズの作品はハイクオリティで魅力的なのか? 創業20年の歩みを振り返る南雅彦氏ロングインタビュー 2ページ目 | アニメ!アニメ!

なぜボンズの作品はハイクオリティで魅力的なのか? 創業20年の歩みを振り返る南雅彦氏ロングインタビュー

アニメサイト連合企画「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」第2弾。ボンズの創業者で代表取締役の南雅彦氏に、スタジオの設立の経緯から現在まで、そして制作の現場について伺った。

インタビュー
なぜボンズの作品はハイクオリティで魅力的なのか? 創業20年の歩みを振り返る南雅彦氏ロングインタビュー
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■ボンズだったら自分が求めるもの、目標とするものを世に出せる



――ボンズがいま成功している理由は、何ですか?


成功しているのかな?(笑)、設立から今年10月で丸20年経ちます。その間のタイトルをずらっと並べてみると、ほぼ60タイトルあって。それはすばらしい事だと思います。

――すごい数ですね。


大ヒットしたもの、中ヒットしたもの、あまりヒットしなかったものもあるけど、それは結果であって、作品ごとに認められてるんじゃないかというのはあります。自分が言うのもなんですけど、この60タイトル全部がお客さんには届いていて、いろんな見方をしてもらって、アニメーションの魅力や幅を広げたのではないかと。それはうちの会社が愚直にやっている部分です。

――先ほどの「成功」って少し誤解がありそうで、会社の規模が大きくなったというより、どの作品にも「ボンズの個性が見える」のがひとつと、60タイトル並べたときに「みんな知ってるものばかりだよね」というのが凄く大きいと思います。


そう言ってもらえると嬉しいですね。60タイトルを並べた17分ぐらいのビデオがあるんですよ。これをドイツのイベントで流したんですけど、楽しかったですね。1タイトル10、20秒くらいで。ズラーっと並べたのをお客さんと一緒に盛り上がって。ひとつひとつの作品が受け入れられてきたのは大きいと思いますよね。

廊下に貼られたボンズ作品のポスター。『血界戦線』『僕のヒーローアカデミア』『ひそねとまそたん』など、世界中にファンを持つ名作を次々と生み出してきた。

――なぜそうした優れた作品が生まれて、それを制作する才能のあるスタッフがボンズの周りには集まってくるんですか?


ある種好き勝手にやれるって部分があるんじゃないですか(笑)。アニメーターや監督はアニメーションを作りたい訳ですよ。ボンズだったら自分が求めるもの、目標とするものを世に出せるんじゃないかと考えて、一緒にやってもらってると自分は思っています。
例えば五十嵐(卓哉)監督もロボットオリジナルをやりたい気持ちが昔からあったみたいで、『桜蘭高校ホスト部』と『ソウルイーター』では原作ものの監督をやって。その後に『Star Driver 輝きのタクト』という名作を作ってもらいました。
五十嵐監督はうちの作品をやっていく中で、アクション系とかロボット系のスタッフとも交流して、次のタイトルをこう作ろうとプラニングしてくれていました。動画を6千、7千枚使いますといった時に、それをどう使えば映像に反映されるか。美術や色彩も、監督がこの作品はどういう映像フィルムになるんだって最初にプランニングして、プロデューサーと共有する。そういうチームをうまく組めるようになっていったと思います。
「うるせー」って、監督陣からの声がちょっと聞こえてきそうだけど(笑)。でも気持ちとしてはね、そういうところで一緒に作っているつもりです。
制作のメンバーも、みんなそう思ってもらっているんじゃないかな。そういう積み重ねで、作品ができていると思ってます。

仕事現場のスタッフ。その目は真剣そのものだ。

膨大に積み重ねられた「カット袋」の山からも、ひとつのアニメーション作りにかける労力と熱量が伝わってくる

――作品の企画を立てる、決めるのはどうやっているのですか。


制作チームとスタッフがどういったものを作りたいか。1年後、2年後に放送され、お客さんに見てもらう時にどういう作品になるんだというのが企画の一番肝になると思っています。
プロデューサーがこういうオリジナルをやりたいとか、こういう作品やりたいとか、あるいは原作ものでこれをやりたいとか。企画が上がると、ここが足りないとか、じゃあそれをドラマとしてどう入れるのかを考えながら作っていっています。

――監督やアニメーターによく言っているみたいなことはありますか?


いや、作品ごとですね。「何言ってんだ」って大体言われますけどね。『モブサイコ』の時にね、立川(譲)監督とキャラクターデザインの亀田(祥倫)くんに、「高級感のあるフィルムにしてくれない?」って言って。「高級感すか!」みたいな(笑)
それを言ったら超能力発動がキラキラして、「わ、高級感あるね」って。そう言う意味で言ったんじゃないけど(笑)
あとはやはりオリジナルのほうが、監督達と話すことは多いんじゃないかな。

――長年やっていると企画のツボみたいなものは見えてくるんですか?


ツボっていう捉え方ではないですね。ポリシーみたいなものは多少あります。ただ作るのはスタッフであり、現場、スタジオごとでそれぞれ違う部分が多いと思うんですよね 。

――プロデューサーに対してはどうですか?


プロデューサーには口うるさい方じゃないですか。バランス感覚についてが多いかな。予算や作品をどのようなメディアで、どう出していくか。「オリジナルやりたい」と言っても、それだけでは誰も出資しないから。テレビでやるんですか、配信ですか、OVAですか、劇場というのもあるし。予算はいくらかかるのか、どう予算を振り分けるのかとか。監督とプロデューサーが作品全体の事を組み立てて、まずプロデューサーとしてどういう内容の作品にしていくか。
《数土直志》
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