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トークではコラボイベントの魅力だけでなく、自身の書いている作品に対する考え方や、気になるエピソードの創作秘話、さらには小説とゲームとの脚本の違いなど様々な話題に言及。今後の執筆活動についても触れているので、ぜひ最後まで読んでほしい。
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■『キノの旅』は4コマ漫画、『ダンまち』は少年漫画を作る感覚
――おふたりともコンスタントに作品を発表し続けていらっしゃいますが、いつもストーリーはどうやって考えているんですか?
時雨沢恵一(以下、時雨沢)
『キノの旅』に関しては大オチありきなので、感覚的には4コマ漫画に似ていると思います。オチさえ思いつけばできたも同然で、あとはシチュエーションに合わせてキャラクターを当てはめていけば良いのですが、そこまではけっこう大変で。
あとは巻数が重なるにつれてエピソードが増えたので、オチが過去とかぶってしまって断念するケースもあります。
――逆にエピソードの時系列に関してはそこまで気にしなくても、という。
時雨沢
そうですね、『キノの旅』は短編連作ですから。大森さんの『ダンまち』や、私だったら『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(以下、GGO)』みたいに、ストーリーが連続する場合は作り方がちょっと違ってきますよね。
大森藤ノ(以下、大森)
そうですね。個人的にはやっぱり前回を超える熱量でストーリーを盛り上げたいというのがあって、そこで色々と迷うというか、試行錯誤をしている感じです。時雨沢先生は先ほど4コマ漫画にたとえておっしゃいましたが、『ダンまち』はバトルありきのお話だと自分自身は思っていて。どうやったら最後の戦闘を盛り上げられるかを逆算して作っている節はあります。
――まさに第1部で描かれたミノタウロス戦みたいなバトルを。
大森
あれを超えられたら良いなというのは常々思っています。原作を読んでくださる方も、そういう王道の少年漫画的なバトルの爽快感を求めているんじゃないかなと思っていて、ワクワクとハラハラと、あとは熱量をどうやって伝えられるか常に考えています。
逆に外伝はわりとシリアスな話や主人公以外の人たちが交流するエピソードにもチャレンジしていて、書きながら勉強させてもらっている感じです。
――『ソード・オラトリア』などで実験的にやってみたことを、今度は本編に取り入れるような。
大森
ロキ・ファミリアのような外伝側の設定は、本編だけだとあそこまで掘り起こせなかったと思うんです。それに世界観が広がったおかげで、『ダンメモ』では「Wright Flyer Studios」(以下:WFS)さんに色々と情報を提供することができました。やっぱり苦労しつつも外伝を並行して続けてきた甲斐があったのかなと思います。