「妹さえ」連載インタビュー【第4回】キャラデザ・総作画監督:木野下澄江「変態シーンがあるからこそ純愛が生きるんですよ!」 | アニメ!アニメ!

「妹さえ」連載インタビュー【第4回】キャラデザ・総作画監督:木野下澄江「変態シーンがあるからこそ純愛が生きるんですよ!」

インタビュー

■お仕事アニメならではの二面性を出すために、ちょっと目を小さく描いてます。

――キャラクターデザインにあたって、大沼監督とどのようなやり取りがありましたか?

木野下
「このアニメは20代の仕事をしている男性もたくさん見てくれるだろうから、遊んでいる伊月と仕事をしている真面目な伊月の二面性を出したい」ということで、伊月は少し目を小さくして、カントクサンのイラストより年齢が大人に見えるようバランスを調整していますね。


───ここからは総作画監督としてのお話をうかがっていきたいのですが、とくに印象に残っているシーンはありますか?

木野下
春斗の作品がアニメ化する6話(「メディア展開され上手くいけばいい。」)です。私は『ガーリッシュ ナンバー』でも劇中のアニメが作画崩壊しているエピソードがあったので、こっちの作品でも作画崩壊の話を描かねばならないのかと思いながら……(笑)。


───どういうお気持ちで描かれましたか?

木野下
いやー、やっぱり苦しいです。現実では味わいたくないですから 。もちろんこうならないようにアニメーションの現場ではいろんなスタッフが東奔西走してくださっています。とはいえ、万策を尽くしてダメだったら諦めるしかありません。もちろん嫌ですけどね(苦笑)。でも春斗は原作者という立場で、アニメーションの現場に対しては万策尽くせない立場にあるじゃないですか 。だから余計に可哀想だなって。作画監督としては、なるべく描きたくないシーンではありました(笑)。

───肌色率が高いシーンで、お気にいりのカットはありますか?

木野下
3話の沖縄は凄かった! 白箱(確認用に配布される映像データ)を見て泡を吹きましたよ、こんな絵を描く人がおるんやーって! もちろんすべてのシーンで、それぞれ原画の皆さんが楽しんで描いていただいているのが伝わってきて、ありがとうございますって感謝の気持ちです。


───シリーズを通して、作画で意識された点はありますか?

木野下
私は演出さんの絵を多少変えてでも絵コンテの意図を組みたいタイプなので、絵コンテの意図を汲んで、そこに味つけを足します。その味付けスパイスを広げるのって人生観だったり、今まで経験してきたことが乗っかってくるんです。そういう意味で、これからも面白い人生を歩んでいきたいと思います。

■原作では那由多に感情移入しながら読んでました

───ストーリーについてはどう思われましたか?

木野下
アニメ化が決まった後に原作をませていただいたので、読みながら、アニメ化するなら音響監督さんと効果さんが大変そうだな~って思いましたね、ピー音を何回入れなきゃいけないんだって(笑)。ストーリーは過激なセリフやシチュエーションがいっぱい出てきますが、大筋は純愛ストーリーじゃないですか。そこにすごく共感しました。

───ちなみに誰目線で共感していましたか?

木野下
私は那由多の目線でした。那由多ちゃんが大好きなので、早く伊月とくっついて欲しいなって思いながら読んでました。あれぐらい自分を素直に表現できるようになるといいですよね。割とすぐ脱いじゃうし(笑)。


───原作を読んで、まずこのシーンを描きたいと思った箇所はありますか?

木野下
純愛ものが大好きなので告白するシーンは描きたいと思いました。アニメーターとして感情表現を芝居として紙にどう落とし込むのかを考えるのが大好きなんですよ、役者魂に火がつくと言うか。なので春斗が失恋するところも描きたいなって思いました。キャラクターは表情が動いてなんぼなので、良い演出さんに担当してもらえてよかったです。

■ガチンコでぶつかり合う伊月たちが羨ましく感じます

───クリエイターの価値観や自意識が色濃く反映されている内容でもあります。同じクリエイターとして、どうご覧になっていましたか?

木野下
みんなガチンコで羨ましいです。現実的にはあの人の方が上手いって妬んだり、それを表に出さず引きこもったり、そういう事ってあるじゃないですか。
でも彼らはお互いストレートにぶつかって「あー負けた!」「よし勝った!」みたいな、「君のもいいよね、こっちもいいよね」って言い合っていて、ああいう友達が欲しくなりました。私は進学校だったので、学生時代にイラストを描きあいっこしたり同人誌で和気あいあいするような友達はあまりいなかったんです。業界に入ってから仕事として絵を描く様になったので、仕事とプライベート関係なくぶつかりあいっこしている伊月たちが羨ましいです。


───アニメーター同士でもああいう交流はあるものなのでしょうか?

木野下私の場合は、直接顔を合わせてではないですが、紙の上でそういうストレートなぶつかり合いがありますね。ぶつかりあいと言っても爽やかなやつです(笑)。たまにそういう演出さんや作監さんがいらっしゃると、俄然、燃えます。こういった交流は、自分の中にない見方や目線を新しく開拓してくれるのでとても嬉しいです。
直接会ったほうが良いのですが、業界人同士は忙しい時期はなかなか会えないし、自分が空いていても周りの人が締め切りだったりして予定が合わせづらいんです。で、駅のホームでばったり会うみたいな(笑)。
でもなるべく横のつながりは持つようにしていますけどね。情報交換はとても大事です。仕事の話もそうですが、全然関係ない話なんかもいろんな人からいろんな話を聞いて、その感情や人生で感じたいろはを絵や演技に落とし込むのが我々の仕事なので。経験が面白ければ面白いほど画面に面白味が増すものだと思います。
《かーずSP》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集